2016年ベスト(小説・漫画・音楽)

2016年も一瞬で過ぎていった。その割にはわりあい劇的な一年で、漢字一文字で表すなら「失」とでもなりそうだ。いろいろなものがどんどん失われていくから、記録として去年に引き続いて2016年に触れたもののベストを書いておこうと思う。

 

【BOOK編】

 

読書メーターによれば、去年は155冊本を読んだということだった。仕事をしていた時は忙しさで読めなかったけれど、やめたらやめたで強い気持ちが消滅してしまって、なかなかたくさん読むのは難しかった。

 

ルネ・ドーマル『類推の山』

 

類推の山 (河出文庫)

類推の山 (河出文庫)

 

 

11月から12月にかけてフランス文学を読んでいこうという気持ちがわいて、いくつか有名なものを読んでいった。専攻が国文学というのもあって、なかなか海外文学を読んでこなかったので、思い切って読んでみようと思った。そこで出会ったシュールでファンタジーな一冊。上智大学短歌会のサイトでも紹介させてもらった、未完にして無限に開かれた物語。

ぼくたちはいつでも類推の山を求めている。あるいは、類推の山の登頂中に違いないのだ。類推の山は、神話の、想像力の、そして平凡な人生という厄介な時間のアレゴリーである。この魔術的で象徴的な小説を読んでいると、なぜだか元気になり、世界が無限に開かれていたころの自分を取り戻すようになる。冒険小説の効用であり、類推の所産なのだろう。オカルティックかつSF的で、とても面白かった。山尾悠子とかテッド・チャンが好きな人は好きかも。

 

村上春樹ノルウェイの森

 

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

 

 

作家によっては「出ている作品を全部読んでしまうのがもったいなくて、あえて読まないままにしている作品」というのがある。この『ノルウェイの森』もそうだった。あまりにも有名すぎて、有名すぎるゆえに読んでこなかった。

鏡みたいな小説だと思う。読みながら、いつの間にかぼくは自分の中に潜っていく感覚を得た。はっきりいって、何回もページを閉じて泣いたし、たまらなくなってベランダに煙草を吸いにいったりもした。他人の物語に交われないというのは、ほとんどの場合自分の問題、自意識の問題なのだと思う。タフに生きなければいけない。死にいつまでも魅入られていてはいけない。だけれども、僕たちは迷子なのだし、死というのはランドマークなのだ。痛い小説だった。死んだ人を思い出しもした。生きるってなんなんだろう。

新刊がそのうち出るということで、とてもとても楽しみにしている。

 

峯田和伸『恋と退屈』

 

恋と退屈  (河出文庫)

恋と退屈 (河出文庫)

 

 

あとで書くけれど、今年はけっこうライブに行った。そのうちの一つに銀杏BOYZの数年ぶりのワンマンライブがあった。確か去年の初めくらいに当時の職場の先輩に『愛地獄』上映会に連れて行ってもらった。いろいろと退職祝い(?)をもらったけれど、これが一番心に残っている。

同じ先輩とワンマンライブに行って、10月にはボロフェスタに行った。職場の人とはほとんど関係は切れてしまったけれど、未だに続いているのは音楽の趣味があったからだ。希死念慮にとらわれていた2015年だったけれど、銀杏BOYZのおかげで、峯田和伸のおかげで、2016年は「生きる」ことへのださいまでの執着をほんの少しだけ取り戻すことができたような気がする。

「薬やったって手首切ったって人を殺したっていいから生きて銀杏BOYZを聞きに来てください」っていった峯田。そういう風に生きたくてそういう風に生きられなかった、丸出しの生き方にあこがれてしまう。ぼくはすごくかっこいいと思う。

 

カミュ『異邦人』

 

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

 

 

これもフランス文学を読もう期間に読んだ本。ずっと前に買ってもってはいたのだけれど、なかなか読んでこなかった。もっと早く読むべきだった。

ぼくは、ぼくのいないところでなされるぼくに関する噂話というのが大嫌いで、それはぼくの行動の集成であって、ぼくの感情の再構成だ。そこにぼくはなくて、ぼくらしきものがある。そうして、そのぼくらしきものは、ぼくらしきものの創造主によって、好きなように扱われる。この小説の裁判というのは、まったくもって人生、社会の純粋化した形であって、規範・自明性への確固たる挑戦でもある。私以外私じゃないの、という圧倒的な隔絶が描かれるとともに、せめて憎悪を向けよというムルソーにすさまじさを感じる。

 

庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』

 

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

 

 

ぼくはときどき悔しい気持ちになる。僕だけが感じていること、僕だけの感性、僕だけの青春。そういうものが他人の筆によって、思っていることそのままに書かれてしまったときに、そういう気持ちは強くなる。お願いだから、僕を一般化しないでくれ。

幼馴染の由美との関係性、すべてが一日の出来事であるという構成、モラトリアム人間がより無垢なもの(=赤頭巾ちゃん)に救われるという構図、どれをとっても素晴らしい。狼に食われて終わりのペロー版ではない、救われて終わる童話を、僕は生きたい。漫画にするなら浅野いにお押見修造系文学。

こんな感想を読書メーターに書いたわけだけれど、これは本当に面白かった。続編の『白鳥の歌なんか聞えない』は、よりキャラが深く描かれていて、これもまたよかった。

 

谷崎潤一郎谷崎潤一郎犯罪小説集』

 

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)

 

 

谷崎もまた「全部読み終えてしまうのがもったいない作家」で、有名なものを読まずに過ごしてきている。今年は『細雪』あたりを読めたらいいな、と思う。

面白さのあまり読み終わると叫んでしまう小説というのがたまにあるのだけど、この短篇集もそういう性質のものだった。

「柳湯の事件」、風呂場に沈む屍体の質感のある描写が気持ち悪く、信用できない語り手ゆえの薄気味悪さもある。「途上」、論理があれよあれよと絡まっていくさまが心地よい。「私」、クリスティよりも先にこれをやっているってすごすぎないですか。解説でも言われているとおり文学における一人称の性質を考えるうえでも見るところのある作品。そして「白昼鬼語」、すごいの一言。江戸川乱歩に影響を与えたのがよくわかる。大満足。

 

山田風太郎太陽黒点

 

 

ぼくは我ながら天邪鬼で、有名な作家はあまり読んでこなかった。だけれど、2016年はメジャーなところにたくさん挑戦してみた。そのうち、特に印象に残ったのが横溝正史山田風太郎。なんでこの二人を避けてきたのか、と過去のぼくを殴ってやりたい。

読み終えて、この小説はもう「太陽黒点」以外にありえないと叫んでしまった。恋は盲目、死にたいという自意識、太陽族というのはもう死語だと思うけどこういう若者というのは絶対に今も存在していて、その自意識を操るという形式もさることながら、すべてが第二次世界大戦の記憶とも重ね合わされて、青春小説であり、ミステリー小説であり、戦争小説であるという三重奏を実現している。これは文学作品だと思う。やるせない。

天皇はお天道様、日章旗太陽族、そこに打たれた黒点

 

池澤夏樹訳『古事記

 

 

古事記については、断片的に読んでいた。けれども、一括で読んだことはなかったので思い切って読んでみた。池澤夏樹の『日本文学全集』シリーズはとてもよいもので、古典観を一変させるエナジーを孕んだ試みだと思う。これは、そんなシリーズの第一巻。

これほど面白い読み物もないんじゃないかと思う。

伊邪那岐伊邪那美の国生みからホノニニギ天孫降臨までの疾走感、ヤマトタケルの悲哀、允恭天皇の血統の濃さ、神話と歴史を往還しながら、混沌はだんだんと収束していく。アマテラスやタケミカヅチオオクニヌシをはじめとする神々のキャラの濃さ、あっさりとした記述には、二次創作を生む隙間がばっちりと存在している。ほとんど漫画のように読める歴史書(仮)なのだ。最後には推古天皇がでてきて、日本史の授業につながっていく。この本は2000年以上の歴史の、はじめの一歩なのだ。

 

バルザックバルザック ポケットマスターピース

 

 

スタンダールフローベールバルザックといわゆる「世界十大小説」を読んできたけれど、中でもバルザックが一番印象深かった。

ゴリオ爺さん」はパリの華やかな社交界の闇、と書くとなんだか薄っぺらくなってしまうけれど、二つの世界の対比には無常を感じた。地獄の沙汰も金次第、という言葉が真に迫る。19世紀フランスの写実的な描写もさることながら、ひとつひとつの物語の緻密さに舌を巻く。

他の収録作品の中ではなんといっても「浮かれ女盛衰記」が面白すぎる。プルーストやワイルドが影響を受けたという人間喜劇きっての悪役、ヴォートラン(ジャック・コラン)のかっこよさが引き立つ。きらびやかな表の社交界と政治の世界を、裏から牛耳ろうとする彼の奸計と人間的魅力には、ぼくも思わず動悸を催してしまった。

一つの短編でこれなのだから、人間喜劇全てを読んだら、物語に圧殺されてしまいそう。

 

諏訪哲史『アサッテの人』

 

アサッテの人 (講談社文庫)

アサッテの人 (講談社文庫)

 

 

大学時代に、「2000年代の芥川賞作品を読もう」という企画をしたことがある。その時、時間がなくて5、6冊読めなかったものがあった。なので、今年思い切って読んでいなかったものを読んでみた。この『アサッテの人』はその一冊。

ほんとうに何の気なしに変顔をしたくなる瞬間がある。あるいは凡庸や平凡が染み込んだ世界、自らの身体から抜け出たいという無意識の表れだったのかもしれない。ぼくはこの小説はとてもしんどかった。自殺しようと思っていた頃の気持ちがそのまま活写されていたからだ。

アサッテの方向へ行こうと思えば思うほど、クラインの壺のように元の場所へ帰って来る。それでも逃げようとする。より範疇が広い観念が、抜け出そうとする観念の外側にいつでも存在する。この小説は一見技巧的な作品に見えるけれど、実は生の叫びそのものなのだと思う。

 

以上の他に印象に残ったものを、名前だけ下に挙げておく。

横溝正史八つ墓村

多和田葉子『聖女伝説』

鈴木いづみ『あたし天使じゃない』

・シェリー『フランケンシュタイン

江坂遊『花火』

・村田紗耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』

・デュマ・フィス『椿姫』

川端康成『みずうみ』

長野まゆみ『少年アリス』

尾崎翠尾崎翠集』

 

 

【COMIC編】

 

一昨年はその年に販売されたもの(つまり2015年に刊行されたもの)でベストを作った。けれど白状してしまうと、去年はあまり漫画の新刊を読まなかった。なので、このベストはほとんどそのまま去年読んだ漫画の列挙だ。

 

樫木祐人『ハクメイとミコチ』

 

 

9センチのこびとの女の子ハクメイとミコチの日常。子供のころ秘密基地を作って遊んだものだけれど、そのときの気持ちがぶわっと蘇る。木の実で作ったご飯がおいしそう。登場するキャラがみんな優しいので、心が荒んだときに読むとほんわかと癒される。ゆっくりみたいなキャラ造形がかわいい。

 

新井英樹『新説・ザ・ワールド・イズ・マイン

 

 

どうして人を殺してはいけないのか。このテーマをもとにひたすら突っ走った怪作。どこかで見た感想だけれど、滝本竜彦だとか佐藤友哉にも通じる熱量で、ぼくは文学だと思った。どんどん神聖化していく「モンちゃん」の暴力に、次第にカタルシスを感じるようになっていく。災害が起こったときの人間模様がかなりリアルで1997年の作品とは思えないほど。

くるり岸田繁も影響を受けた一冊。

 

宮崎駿風の谷のナウシカ

 

 

恥ずかしい話ぼくは映画というものをあまり見なくて、ナウシカも見たことがなかった。衝撃を受けた。まず映画が原作の3分の1くらいを映像化したものでしかないということもだし、なによりその原作のテーマの色濃さにだ。母性の物語だった。映像的なコマ割りや動きのある絵は、さすが宮崎駿といったところ。

 

小山ゆうじろう『とんかつDJあげ太郎』

 

とんかつDJアゲ太郎 9 (ジャンプコミックス)

とんかつDJアゲ太郎 9 (ジャンプコミックス)

 

 

あとで書くけれど、去年はクラブ文化というかHIPHOP文化にどっぷりとはまった一年だった。これまでは何だか不良っぽくて避けていた部分だったけれど、掘れば掘るほど面白い文化だった。

この漫画から漂ってくるサブカル感が好きだし、とんかつとDJが絶妙な具合にミックスされていて上手だった。ギャグも面白い。

 

こうの史代この世界の片隅に

 

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 

 

夕凪の街 桜の国』のアナザーサイドだと思う。原爆投下のシーンのコマ割りを見るだけで、この漫画でこうのさんが何を書きたかったのかというのがよくわかる。腫物のように扱われることで逆に忘れられがちな戦時中の「日常」を書ききった作品。

こうの史代の絵柄そのままに映像化された映画の方も、能年玲奈の演技も相まってかなりよい出来だった。

 

片瀬茶柴『虚構推理』

 

虚構推理(5) (月刊少年マガジンコミックス)

虚構推理(5) (月刊少年マガジンコミックス)

 

 

小説が原作の漫画だけど、これに関しては「死ぬときに未来を告げる」という「件」と「死なない」という「人魚」の能力を混ぜたという一点だけでもう最高。

西尾維新にはまった人間としては、怪異ものは無条件に面白いとなってしまう。ミステリー部分の論理展開も、にやついてしまうくらい面白い。妖怪とか都市伝説だとか、そういうものがどうして伝承していくのかという切り口は民俗学的。

 

平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』

 

 

地下アイドルが刺されるという事件もあったけれど、この漫画はそういうファン心理の明るい一面だと思う。ほんわか百合漫画のようでもあるし、曲がりなりにもアイドルが好きなぼくとしてはわかると思う部分も多い。

アイドルに貢ぐためにジャージで生活しているという主人公には、干物女的な哀愁もある。

 

荒川弘百姓貴族

 

 

つくづく荒川さんの女性とは思えない力強さに感服するばかり。北海道の農業高出身ゆえのパワフルな日常の描写が、ギャグ交じりでなされていて無限に読んでいたくなるような面白さ。

錬金術、生命を作るというところに興味が向いていったのも、たぶん地元で動物や植物の生死に触れあっていたからなのだろうなとなんとなく納得させられた。

 

古谷実ヒミズ

 

ヒミズ コミック 全4巻 完結セット (ヤンマガKC )

ヒミズ コミック 全4巻 完結セット (ヤンマガKC )

 

 

映画の『ヒメアノ~ル』が面白くて、古谷作品をいろいろ読んでいったけれど、その中でも刺さった一冊。どうしようもない閉塞感となんともいえない結末のやりきれなさがたまらない。

こっちの映画はまだ見ていないけれど、評価が高いので近いうちに見てみようと思う。

 

panpanya『動物たち』

 

動物たち

動物たち

 

 

panpanyaの作風はどこか気が抜けていて、強いメッセージ性もなくほんわかと不思議な世界につかることができる。

いろいろな動物たちが出てくるけど、どれもこれもかわいい。なんだかんだでかわいいものは落ち着く。不条理ではあるけれど、嫌な感じがまったくないプレーンな世界に癒される。

 

 

【MUSIC編】

 

去年は時間があるというのもあっていろいろなライブに行った一年だった。

2月 でんぱ組.inc

4月 BUMP OF CHICKEN みるきーうぇい・カヨコ・あいみょん

5月 大森靖子ドレスコーズ

7月 ART-SCHOOL ロックロックこんにちは

8月 銀杏BOYZ

10月 スピッツ ボロフェスタ

11月 大森靖子 理科室コーヒー実験ブレンド

 

それと同時に、たくさんCDを借りて聞いた一年でもあった。特にHIPHOPや洋楽というそれまでは避けてきた音源をたくさん聞いた。『MUSIC MAGAZINE』を読みながら海外のダンズミュージックをディグったり、ジャズやインストにも触れた一年だった。

全体的にいわゆるマスターピースというか、過去の名盤を聞いてきたから新譜はあまり買っていないので、ベストはやっぱり自分の趣味全開のものになった。

 

でんぱ組.inc『WWDBEST』

 

 

いつか書こうと思うのだけれど、ぼくは大げさではなくでんぱ組に命を救われた部分がある。2015年なんてほとんどでんぱ組ばかり聞いていた。「マイナスからのスタート」というキャッチコピーに、AKB系列のフレッシュさとは一線を画した雰囲気。申し訳ないけれどあまりかわいいとは言えないし、年齢も高い。それでもアイドルという厳しい世界に身を投じていく彼女たちにぼくは自己投影していた。

スタンスもさることながら、そもそもでんぱ組は曲がいい。このベスト盤はでんぱ組のおいしいところをフルに味わえる一枚でありながら、一篇の物語でもある。「WWDBEST」はそれまでのMV監督が一堂に会してMVを作り上げている。ぼくは号泣した。

 

BiSH『FAKE METAL JACKET』

 

FAKE METAL JACKET

FAKE METAL JACKET

 

 

はじめにBiSがあった。アイドル界のセックスピストルズ、全裸で森の中を駆けまわったり、汚いことをやらされたりと、およそアイドルらしくないことをしてきたグループ。

そんなBiSから刺激的なパフォーマンス成分を減らした結果何ができたかといえば、ただただかっこいいだけのグループが出来上がってしまった。

松隈ケンタの作るメロコアなサウンドは、BiSよりもBiSHの声にあっているかもしれない。ボロフェスで彼女たちのライブを見たけれど、モッシュが起こっていた。これはパンク・ロックなのだ。

 

欅坂46『世界には愛しかない』

 

世界には愛しかない(通常盤)

世界には愛しかない(通常盤)

 

 

AKB系列に全く興味がなかった。誰がいるのかもよくわからないし、なんだか性欲の匂いが強くて忌避してきたというのもある。

けれど欅坂にはびっくりした。ぼくは叫ぶ人が好きなのだけれど、欅坂は叫んでいた。たとえそれが秋元康の策略であったとしても、撃ち抜かれてしまったから仕方ない。まだ三枚しかシングルが出ていないけれど、早くフルアルバムを出してほしい。

アイドルでいえばおやすみホログラムも新譜を出していたけれど、コンセプトが定まって心地よい一枚だった。

 

MOROHA『MOROHA III』

 

MOROHA III

MOROHA III

 

 

HIPHOPは広すぎて、特化しないと追うのが大変。去年はキングギドラだとかエミネムだとか定番中の定番を聞いていったので、あまり最新のものに触れることはできなかったのだけれど、なんとなく自分の趣味はわかってきた。志人だったり不可思議/wonderboyだったりTHA BLUE HERBだったり、ポエトリーリーディング風というか、あまりギャングスタではないのが好きっぽい。

MOROHAはアコギの音に乗せてMCのアフロが言葉を吐く。熱量がすごい。これもボロフェスでライブを見たのだけれど、自然と内側から涙が出てきた。

 

大森靖子『非国民的ヒーロー』

 

非国民的ヒーロー

非国民的ヒーロー

 

 

大森靖子神聖かまってちゃんのの子と組んで作った一枚。ゆるめるモのあのちゃんだったり生ハムと焼うどんだったり、志磨遼平だったりというメンツと組んでくれる大森靖子は本当に趣味ど真ん中。

彼女は立ち居振る舞いも楽曲もパンク・ロックだ。中心にあるのは「愛」で、愛に疾走している。しかもその愛は、いわゆる異性に対する愛ではなくて、音楽やかわいさに対する愛だ。冗談抜きに2010年代のアイコンだと思う。これからも突っ走ってほしい。

 

DAOKO『もしも僕らがGAMEの主役で』

 

 

フィメールラップが流行っている。水曜日のカンパネラだとか泉まくらだとか。ぼくは女性ボーカルのバンドが好きなので、ここらへんもよく聞くけれど、DAOKOはポップに突き抜けてよいと思う。

TeddyLoidと組んだ「ダイスキ」なんて最高。FSDでちゃんみなが同じトラックでラップしていたけれど、ぼくはやっぱりこっちの方が好き。

 

みるきーうぇい『大人になるのはもうやめだ』

 

大人になるのはもうやめだ

大人になるのはもうやめだ

 

 

やっと全国流通盤が出た。「カセットテープとカッターナイフ」を聞いて以来ずっと追ってきたバンドだった。恥ずかしいくらいに青春を歌ったバンド。「僕の音楽を壊すくらいなら死んだほうがまし」なんて言えてしまえるバンド。ダサいかもしれないけれど、ぼくはこういうことをいえなくなってしまったら生きてる意味なんてないと思うし、それでいいと思う。

 

忘れらんねえよ『俺よ届け』

 

俺よ届け(初回盤)(CD+DVD)

俺よ届け(初回盤)(CD+DVD)

 

 

つくづく青春に飢えているなと思う。こういう子供のまま大人になってしまった、どこか切なさのあるバンドが大好き(銀杏BOYZだとかフラワーカンパニーズだとかサンボマスターだとか)。

やっぱりボロフェスの話になるんだけれど、MOROHAのライブのときにボーカルの柴田さんが隣にいた。酒でどろどろになりながら、一心に頭を振っていた。ぼくは「そうだよな」と思って、ぼくもずっとこうでいたいと彼の隣で頭をふったのだった。

 

amazarashi『世界収束二一一六

 

世界収束二一一六(初回生産限定盤A)(DVD付)

世界収束二一一六(初回生産限定盤A)(DVD付)

 

 

amazarashiの歌う終わってしまってる田舎の情景だとか閉塞してる自意識がはまる時期っていうのはかなりあって、長野に帰省してる間はずっとこれを聞いていた。

「タクシードライバー」の中の「青い青空が青過ぎてもはや黒で」なんてリリックに思わず首肯してしまう。ラップに触れ始めたから初めて意識したけれど、amazarashiもポエトリーリーディングっぽいよなと思う。

 

スピッツ『醒めない』

 

醒めない(通常盤)

醒めない(通常盤)

 

 

スピッツの歌詞っていうのは読めば読むほど、文学的だなと思う。結構難解なことをいっているのだけれどポップになりうるというのはすごいと思う。セックスと死しか歌わないと草野マサムネが言っているように、彼の歌詞空間はなかなかパンクだ。

京都駅で「えにし」を聞いて号泣したぼくは、今回の「子グマ!子グマ!」でもはちゃめちゃに泣いた。

 

 

今年はどんなものに出会えるだろう。

2015年はこちら↓↓

kamisino.hatenablog.com

0000書店紀行:第二回エンタメ焼き畑~後編~

前編はこちら↓

kamisino.hatenablog.com

 

【単行本コーナー】

 

 ここらへんはぽわぽわの女の子が読むやつだ

 

 ぽわぽわの女の子(笑)日本文学コーナーだね

 

 米澤穂信の最新作どこだろう、あ、あったわ

 

いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても

 

 

 しかもサイン本

 

 サイン本じゃん、サイン本じゃん!なんだよサイン本じゃねえかよ

 

 読みたいな、でもシリーズ『氷菓』しか読んでないからなあ

 

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

 

 

 貸そうか?貸そうか?たぶんブックオフいったらそろうでしょ

 

 うん、そうなんだけど、ブックオフ大阪にないんだよね

 

 え?京都あんなにあるのに?

 

 なんでだろうね……。これはホラーっぽいらしいね、森見登美彦の新作

 

夜行

夜行

 

 

 そうなんだ。最近ブックオフで古着売り始めたよ

 

 古着?誰がブックオフで古着を買うねん(笑)

 

 すごいことになってる(笑)これ気になってたな『掟上今日子の備忘録』。あとこれ、『レッドドラゴン

 

掟上今日子の備忘録

掟上今日子の備忘録

 

 

 

 へえ

 

 TRPGなんだけどすごく面白かった。メタフィクションの逆っていうのかな、それがすごく衝撃的で。要するに、この中ではファンタジー世界が続くんだけど、それは全部演技なんだよね。その演者が「あー疲れた」みたいなことをいうのも、幕間でちゃんと入ってて。メタフィクションっていうのは、フィクションに主軸があって、そこから外を見てるわけじゃん

 

 そうだね

 

 これは逆なんだよね。外の世界の人たちが、キャラになりきるっていうのを外から見てるから、新しくて

 

 確かにそういうのって小説ではあまり見ないよね

 

 メタフィクションがフィクションを壊すものなのに対して、これはメタに視点を置くことでフィクションを守ってるんだよ。フィクションだってわかった上で守ってる感じがしてて、メンバーがいいんです

 

 あー……。虚淵玄紅玉いづき奈須きのこ成田良悟、すごいメンツだね(笑)

 

 三田誠さんがゲームマスターなんだけど、この人はロードス島戦記とかやってた老舗のTRPGグループのメンバーで重鎮らしいんですよ

 

 

 ほんとに豪華なメンバーだなあ

 

 ダメージ判定とかがすごくて、異常な労力をかけてていちいちジュール換算とかをしてるんだよ(笑)で、ダメージも部位ごとにあって、右腕を捨てて生き残るみたいなことができる

 

 戦略性が広いんだね

 

 そう、それで詳しくは言えないんだけど虚淵玄が途中でしっちゃかめっちゃかにするんだよ(笑)

 

 さすが虚淵(笑)

 

 これもネットで出てるからぜひ

 

 これ、なんか面白そうだな。なんだこれ

 

 これ面白かったよ、『ランボー怒りの改新』。森見登美彦みたいな文体で奈良のことを書いてるんだけど

 

ランボー怒りの改新 (星海社FICTIONS)

ランボー怒りの改新 (星海社FICTIONS)

 

 

 これも星海社なんだ

 

 めちゃくちゃな世界観なんだよ。ネットで、星海社ウォッチャーの僕の中では話題になってたので買って読んだんだけど、面白かった。これもフィクションを大事にしてた

 

 これは面白そうだな、まったくチェックしてなかった……。海外文学はあんまり読まない?

 

 そうだね、『地球の長い午後』を最近読んだくらいだなあ。世界観を楽しむ小説なんだろうと思った。ミステリーで行くとエラリー・クイーンの『エジプト十字架の謎』、あれはよかった

 

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

 

 

 

 クイーンなあ、読んでないんだよなあ

 

 クイーンは全部面白いんだろうなっていうのが一冊読んでわかる面白さだった。あとはルパンシリーズもよく読んだな

 

([る]1-1)奇巌城 怪盗ルパン全集シリーズ(1) (ポプラ文庫クラシック)

([る]1-1)奇巌城 怪盗ルパン全集シリーズ(1) (ポプラ文庫クラシック)

 

 

 ルパン派だったんだね

 

 ここはハルキ・ムラカミか。読んだことないんだよね

 

 面白いよ

 

 文学に触れてこなかったからね

 

 だからここらへん(現代文学コーナー)とかはほとんど手付かずなんじゃない

 

 わからないわからない。『苦役列車』しかわからない

 

苦役列車 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)

 

 

 (笑)西村賢太面白いからね

 

 面白い人は読んでる(笑)あと『告白』は面白かった。あれもオールタイムベストに入れるくらいの作品だな

 

告白 (中公文庫)

告白 (中公文庫)

 

 

 あれはすごいね、地の文で笑わせてくるからね

 

 あ、戌井昭人いとうせいこうと一緒にコントやってたんだよ。シティーボーイズのコントに一緒に出てて、ちょうどその時期に『想像ラジオ』が刊行されてて、『まずいスープ』も刊行されてて、物販で売ってたんだよ

 

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

 

まずいスープ (新潮文庫)

まずいスープ (新潮文庫)

 

 

 はいはい

 

 そのあと二人とも芥川賞候補になって、すごい舞台見たなと(笑)その公演見に行ったんだよ。しかも演出が宮沢章夫だったから文士劇じゃないかという

 

 いとうせいこう宮沢章夫戌井昭人、濃いな(笑)

 

 最後の舞台挨拶でいってたよ、「これはコントだけど文士劇だ」って(笑)

 

 戌井昭人は結構面白いよね。『すっぽん心中』とかよかった

 

すっぽん心中

すっぽん心中

 

 

 『まずいスープ』はよくわからなかった

 

 あれは変な人図鑑って感じだったね(笑)

 

 僕は『想像ラジオ』が好きです

 

 あれはいいね

 

 『鼻に挟み撃ち』もよかった。僕はいとうせいこうウォッチャーなので、これはいとうせいこうの本当のエピソードが書かれてるんですよ。ある公演でいとうせいこうパニック障害を患いながらも全ステージちゃんと出て、ほとんど狂人みたいな目で突っ込んでたっていう

 

鼻に挟み撃ち 他三編

鼻に挟み撃ち 他三編

 

 

 (笑)

 

 舞台袖に引っ込むとそこには畳一畳分の布団が敷いてあって、頭まで布団をかぶった状態でダメ出しをするっていう

 

 そんな人が今はテレビに出て、フリースタイルの審査をしてるわけですよ(笑)戌井昭人はこういう売り方をするようになったんだね、「芥川賞五回落選!」

 

 まあ、落選が似合う人ではありますよね(笑)書いてる内容的にもなんか

 

 わからないでもないな、ちょっと新刊コーナーもう一回行っていい?ちょっと気になったのがあって、さっき言った稲垣足穂チェスタトンの新刊

 

 

 

 知らないなあ

 

 ブラウン神父っていうホームズと二大巨頭扱いされてるシリーズがあるんだけど、そのシリーズの作者の短編集なの。うーん、足穂はステイしとこうかな

 

 『ノックスマシン』にブラウン神父の相方は出てましたっけ?

 

ノックス・マシン (角川文庫)

ノックス・マシン (角川文庫)

 

 

 出てたかな、覚えてないな(笑)お、カズレーサーのおすすめ本。

 

 この企画は……

 

 又吉が10000円で買った本。同じことやってるね(笑)ぼく、又吉と趣味があうんだよね

 

 太田克史佐藤友哉にも同じことしてたよね。上京してきた佐藤友哉の財布から太田克史が金を抜き取って、「お前に読むべき本を買ってやるよ」っていって、「でもこういうのは自分の金で買わなきゃだめだから」って(笑)

 

 まあ、おかげで佐藤友哉ははねたから(笑)

 

 このエピソード好きなんですよ。北海道の空港で『クリスマス・テロル』の原稿を投げ捨てた話と同じくらい好きだよ

 

クリスマス・テロル<invisible×inventor> (講談社文庫)

クリスマス・テロル<invisible×inventor> (講談社文庫)

 

 

 (笑)星海社は文化系DQNって感じがあるからね

 

 どブラックだしね。徹夜も厭わない。でも大きい動きは作れなかった感じはあるね、漫画と新書ははねたけど。『江戸しぐさの正体』とか

 

江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)
 

 

 漫画は?

 

 「ツイ4」がはねてる。あれは星海社が運営してるんだけど

 

 『トモちゃんは女の子』とかそうなんだ。じゃあ、ぼちぼち絵本コーナーに行こうか

 

トモちゃんは女の子!(1) (星海社COMICS)

トモちゃんは女の子!(1) (星海社COMICS)

 

 

 【絵本コーナー】

 

 うわ、懐かしい。幼稚園児のころだよね

 

 最近すごく好きな絵本があって『夏のルール』っていう、ショーン・タンの

 

夏のルール

夏のルール

 

 

 絵本なんてゴーリーくらいしか最近は読んでないなあ

 

ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで

ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで

 

 

 これボブ・ディランの絵本だよ、『はじまりの日』

 

はじまりの日

はじまりの日

 

 

 ほんとだ、絵本はほとんど読まないもんなあ

 

 僕も読まないんだけどこの前たまたまショーン・タンを見つけて「なんだこの気持ち悪い面白いのは」ってなった

 

 気持ち悪い面白いってめっちゃいい表現だね。え、ウンベルト・エーコの絵本なんてあるの。お、松尾スズキが翻訳してるのもある……いろいろあるんだなあ。『夏のルール』ちょっと調べてくる…………なさそうだね

 

 ダメじゃん……。『夏のルール』こんな絵なんだよ

 

 ルドンみたいだね、気持ち悪くていいね。あればよかったなあ

 

 ぜひぜひ検索をって感じ。『夏のルール』がなければ、もうこのフロアに用はない

 

 (笑)一点推しだったんだね

 

 あとは『エルマーとりゅう』くらいしか知らない

 

エルマーとりゅう (世界傑作童話シリーズ)

エルマーとりゅう (世界傑作童話シリーズ)

  • 作者: ルース・スタイルス・ガネット,ルース・クリスマン・ガネット,わたなべしげお,子どもの本研究会
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1964/08/15
  • メディア: ハードカバー
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 懐かしい(笑)『葉っぱのフレディ』とか、でも絵本コーナー眺めるの楽しいね

 

葉っぱのフレディ―いのちの旅

葉っぱのフレディ―いのちの旅

 

 

 京極夏彦監修の『いるのいないの』っていう怖いのありますね、『おしいれのぼうけん』、懐かしいなあ

 

怪談えほん (3) いるの いないの (怪談えほん3)

怪談えほん (3) いるの いないの (怪談えほん3)

 

 

おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ)

おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ)

 

 

 懐かしすぎる。幼稚園のころだよ、何年前?もう20年前だよ

 

 『おしいれのぼうけん』、けっこうシュールというかポップじゃない?らりったやつの考えたストーリー

 

 よく覚えてるなあ、忘れちゃった。芸術コーナーとかはどうですか?

 

 わからないっす、そういうのわからないっす。アートのやつとか、水玉模様の服着てるとかよくわかってない

 

 わかってるやん(笑)

 

 演劇界隈で人の公演に参加させてもらったときに、来場者特典で短編小説をつけようっていう企画があってひとつ書いたんだけど、そこでアートかぶれの演劇人をディスる描写を書いてしまって。「あの人は別にポップでもアートでもない。ただ水玉模様の服を着て、おもちゃみたいな自転車に乗ってる人です」っていう(笑)

 

 (笑)まあねえ、現代芸術はこっちから読み込まなきゃいけないから、読む側がセンスらしきものを持たなきゃいけない節はあるね

 

 非効率的なちっさい自転車に乗ってたらアートだと思ってんちゃうぞ

 

 地下行きますか

 

 一時間半くらいしゃべってますね

 

 なんというか本の話というか、本周りの話が多い気がする(笑)

 

 あ、『ダ・ヴィンチ・コード』面白かった

 

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

 

 

か 絵に隠された秘密が、みたいなのってどきどきするよね。さて地下だけど漫画は際限がなくなるのでやめようと勝手に決めた

 

【地下1階:マンガ・ライトノベル

 

 そうだね、後ろ髪はひかれるけど……、そうねやっぱりここは『人類は衰退しました』を推しとくべきだろうね

 

 

 田中ロミオ

 

 9巻あるけど、9巻全部読まないとだめだね、と思っている。この人ってもともとエロゲのライターでしょ、だから普通の賞とって出てくる人と違うんですよ。だいたい賞とるときは一発でパンチを打ち切るじゃないですか

 

 そうだね

 

 もしくは2作目から新しく設定を入れ込むじゃないですか。でもこれははじめからある程度名のある人間が書いてるから、実は設定段階から最終巻に向けての伏線が貼られてる。だからこれを読んだときは、これはラノベでは普通できないんだろうな、と思った。全部読み終わったときに「ふわあー!!」って

 

 その「ふわあー!!」を味わいたいがために買いたいけど全9巻か……。ガガガはあとは『とある飛行士への追憶』ってのがあるよね

 

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

 

 

 知らないなあ

 

 面白いらしい、読んでないんだけど(笑)あんまりラノベ読まないから……話変わるんだけど『ハクメイとミコチ』めっちゃよかった

 

 

 かわいいよね

 

 キャラクターのデザインがかわいいよね

 

 あれ読んだよ、また漫画の話になっちゃうけど『少女終末旅行

 

少女終末旅行 1 (BUNCH COMICS)

少女終末旅行 1 (BUNCH COMICS)

 

 

 あれもことことしてる、かわいいよね

 

 ああいうのが好きなんだよね。『キノの旅』は外せない。何がすごいってまだ新刊が出てることですよね

 

 

 あとがきを工夫しながら(笑)

 

 あとこれだね『狼と香辛料』。大学院くらいのときに読んだのかな、一時期まじでヒロイン、この子がいれば他にいらないって思ってた

 

 

 電撃文庫だったらやっぱり『半分の月がのぼる空』だな

 

 

 半月ね、半月ね

 

 あとは『しにがみのバラッド。』なんていうのかな、儚い透明感のある本が好きだったから。半月はものすごい影響を受けた

 

 

 僕はね、基本的にキモオタメンタルをもっているから、なんだかんだでラブコメにいっちゃう部分があるんだよね。でも『俺妹』くらいあざとくされると、変なプライドが邪魔して読めないんだよ

 

 

 なるほどね

 

 だから『狼と香辛料』くらいだともうね、はまっちゃう。この子がいれば世界は何もいらないという時期があったからね

 

 あああ、いいねえそういうの。あとは『紫色のクオリア』とか『ある日爆弾が落ちてきて』とかSFものを読んでたかな

 

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

 

 

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

 

 

 『文学少女』シリーズも一時期「この子がいれば他に何もいらない状態」に俺を落とし込んだ……ハルヒもそうだね、4周くらい読んでる

 

 

 

 ハルヒは先にアニメから知ってて変な先入観があったんだけど、原作読んだら「あれ、普通のSFじゃん」って思ってびっくりした

 

 確かにね。僕は日常ものが好きだから、アニメも何回も見たんだけど「射手座の日」とか「サムデイインザレイン」とかそういうのばっか見てた。心を揺らしたくないんだよ、基本的に

 

 なるほどね、ざわつかせたくないんだね

 

 キャラクターが動いていればそれでいいよっていう。キャラクターに惚れてたんですね。お、『レッドドラゴン』あるじゃん

 

 

 1巻を買うと全部買わなきゃいけなくなるのがラノベの痛いところなんだよなあ、でもなあ……

 

 長いですよ、6巻の時点で「今始まる」って書いてある(笑)

 

 でもなあ、このメンツは気になるなあ……買うか、買おう

 

 『バカテス』も読んだよ結構

 

 

 ここらへんはファミ通文庫か……。あのさ、ゲームでテイルズオブシリーズっていうのがあったじゃない。ぼくはあれがものすごく好きで、そのノベライズをずっと読んでたのよ。ファミ通からもいくつか出てた気がする

 

 ノベライズいいですよね。『ドラクエⅣ』のノベライズ読みました。テイルズと違ってドラクエってドラマ要素が深く書かれないから

 

 すき間が多いよね

 

 なのでノベライズされると満たされた気持ちがすごかった

 

 あと3000円分くらいか……

 

 別にフルで買わなくてもいいんでしょ?

 

 そうなんだけど、せっかくだからってのはあるよね……

 

 あと何かあったかなあ。オールタイムベストはかなり進めて読ませてしまったもんね。横溝正史とかはそのパターン

 

 そうね。『獄門島』とかってだいたいミステリーオールタイムベストの一位とかになるじゃん。そういうの読みたくなくなっちゃうんだよね

 

獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

 

 

 はいはい、メジャーな人たちねみたいな(笑)

 

 そうそうサブカル志向なので(笑)でもそのころの時分に喝を入れたい。なんでお前は読まなかったんだ『獄門島』を、と

 

 僕もねサブカル志向なんだけど、横溝正史を読んだのが中学生のころで、中学生の目線においては横溝正史は誰も読まないんだよ。だからこそ読んだみたいな部分はある(笑)

 

 そういうカウンターね

 

 小学生でルパン読んだのもそれだからね。みんなはホームズだけど俺はルパンだから、みたいな(笑)

 

【各地をぶらぶら……】

 

 (笑)これ買うのもありだな

 

 ありみたいな思考に走り始めるのはよくないですよ(笑)

 

 いや、でもこれは買いたかったのよ。このシリーズ。古川日出男の『平家物語』。これあの、町田康が古典を新訳したあのシリーズのやつなんだけど

 

平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09)
 

 

 

 ああ、「お爺さんの中で何かが弾けた」

 

 古川日出男もちょっと変な人なんだよ。で、『平家物語』って口承文学だから口にして心地よい言葉遣いなんだけど、これは完全に読む用の本として徹していて

 

 よさそうですね

 

 といいつつまた二階に戻ってきてしまった

 

 万年筆いいですねえ

 

 さっきこの文房具コーナーでクリスマスソングに交じってニルヴァーナの「smells like teen spirit」が流れてたのが気になってしょうがなかった(笑)西尾維新ね、講談社BOX高いんだよな……

 

 もう一個くらい撃ち抜きたいな、もう一冊くらい何か買わせたいな

 

 『ビビビ・ビ・バップ』、面白そう……。パンチがなかったらもう買うもの決まってるんだけど

 

ビビビ・ビ・バップ

ビビビ・ビ・バップ

 

 

 うーん、もうだいぶしゃべっちゃったからな

 

 クトゥルフものとか。ラブクラフトのこれ、とか

 

 ラブクラフト、面白くない(笑)まどろっこしいわと

 

 まああれは設定が面白いわけだしね

 

 ラブクラフトを読むよりもクトゥルフ辞典みたいなやつを読んだ方が絶対わかると思う。断片なんだよ、全部が

 

 それはあるね。設定集みたいなのが面白いんだよね

 

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

 

 

 なんか……なんか思い出しそう

 

 ぼくのあかひねのイメージはいとうせいこう横溝正史なんだよね。サブカルチャーの人。サブカルじゃなくてサブカル「チャー」の方ね

 

 もうないな、ないわ。岡田斗司夫が好きだったら『遺言』をすすめたいけど絶対興味ないもんね(笑)

 

遺言

遺言

 

 

 いや、そんなことはないけど(笑)

 

 『タルト・タタン』と『レッドドラゴン』を買ってもらえたから、もうかなり達成した感はあるんだよね

 

 『昆虫はすごい』とかね(笑)これはぼくひとりだったら買わないラインナップだから楽しい

 

 新書ね、新書はどっちの方が読んでるんだろう

 

 ぼくは、受験用の小難しいやつばっかり読んでた

 

 井上ひさしとかはどうなのよ

 

 『吉里吉里人』?

 

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)

 

 

 あ、待ってよ俺のオールタイムベストに燦然と輝くのがあった、灰谷健次郎

 

 『兎の眼』?もってるんだな

 

兎の眼 (角川文庫)

兎の眼 (角川文庫)

 

 

 もってるのか、あれはめちゃくちゃ好き

 

 教師の話だよね。これメンツが面白いな、東浩紀戌井昭人海猫沢めろん……

 

 

 ああ、もうそういう人達じゃん

 

 蛭子能収が入ってる(笑)

 

 (笑)

 

 円城塔、木下古栗、しりあがり寿最果タヒ

 

 サブカルの人達

 

 ぼくはこういうのが好き(笑)

 

 いとうせいこうが入ってないな

 

 あの人はサブカル「チャー」の人だから。サブカルとはまた違うよね

 

 あの人は、小唄とかやってるからね。いとうせいこうフェスであんだけアンコールして、やることないから「小唄を一つ」ってがっかりしたんだけど、心から大好きだこの人って思った(笑)小唄と同時に盛大にクラッカーがぶしゅーって出る

 

 ごちゃごちゃしてていいね(笑)浅野いにお絶賛とか言われると気になっちゃうなあ。吉村萬壱は面白くて、『クチュクチュバーン』っていう筒井康隆みたいな変な作品書いてたりするんだよね

 

クチュクチュバーン (文春文庫)

クチュクチュバーン (文春文庫)

 

 

 筒井康隆、今日しゃべってないね。意外と『ヨッパ谷への降下』が好きだったりするんですよ

 

ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集 (新潮文庫)

ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集 (新潮文庫)

 

 

 この前言ってたね、買おうかな

 

 そういえばあれは読んだの?『モナドの領域』

 

モナドの領域

モナドの領域

 

 

 ……読んでない、どうだった?

 

 まあ、まあ、うん、そんなに中身が詰まってるわけじゃないんだけどリーダビリティがすごい。読まされてしまう。あ、『巨匠とマルガリータ』読みましたね。

 

巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)

巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)

 

 

 わけのわからない作品だったね、すごく好きだけど

 

 サブカルの人になればなるほど河出書房のお世話にならない?

 

 そうかな(笑)

 

 あー!これがあった、いとうせいこうの『ボタニカル・ライフ』、これですよあなた!

 

ボタニカル・ライフ―植物生活 (新潮文庫)

ボタニカル・ライフ―植物生活 (新潮文庫)

 

 

 もう買ってるんだな、昔あれだけ推されたから(笑)

 

 むちゃくちゃ推したからね(笑)

 

 筒井康隆、いろいろ読んだけど『ヨッパ谷への降下』は読んでないな。この前も言ったんだけどちょっと変な話を読むと、これは筒井康隆がもう書いてるんじゃないかっていう気持ちになる病にかかってる(笑)

 

 書きすぎてるからね。『富豪刑事』面白かったな、全部金で解決するっていう(笑)

 

富豪刑事 (新潮文庫)

富豪刑事 (新潮文庫)

 

 

 やっぱり『七瀬』シリーズ好きだけどね。心が読める……

 

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

 

 

 読んだけど覚えてないのかな……『虚航船団』も読みましたね

 

虚航船団 (新潮文庫)

虚航船団 (新潮文庫)

 

 

 『旅のラゴス』も面白かったし、『ロートレック荘事件』は、まあ、うん(笑)

 

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

 

 

ロートレック荘事件 (新潮文庫)

ロートレック荘事件 (新潮文庫)

 

 

 こんなもんかな

 

 じゃあぼくは今回一回も触れてないものをかごに入れて会計しに行きます

 

 なにそれ

 

 ステファン・グラビンスキ『狂気の巡礼』

 

狂気の巡礼

狂気の巡礼

 

 

 全く分からない

 

 完全にぼくの趣味です(笑)まあでもこの企画はね……

 

 意外と好評らしいじゃないですか、読書クラスタ内で

 

 ありがたいね。この企画はね、ぼくの心が気持ちいい(笑)一ヵ月に一発どかんと買い物ができるから気持ちがやすらぐから。ということで、これで終わりになりますが、何か一言

 

 最後に一言ですか、やはり読書はとてもよいものですね

 

 嘘でしょ、嘘でしょ(笑)

 

 (笑)

 

 まあね、ぼくは17日には実家へ帰るので、たぶん年内はこれで最後になると思いますが

 

 じゃあよいお年をだね

 

 そうですよ、でも本当にいろんな本を紹介してもらえたのでよかったです

 

 ありがとうございました

(12月12日 於:大阪梅田ジュンク堂

 

《今回のお買い上げ本》

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・ステファン・グラビンスキ『狂気の巡礼』

・前野ひろみち『ランボー怒りの改心』

・丸山宗利『昆虫はすごい』

文藝春秋編『犯罪の大昭和史』

速水健朗他『バンド臨終図鑑』

チェスタトン『詩人と狂人たち』

三田誠レッドドラゴン

筒井康隆『ヨッパ谷への降下』

近藤史恵『タルト・タタンの夢』

 

ちなみにまたちょっとだけ10000円を超えてしまいました……。

0000書店紀行:第二回エンタメ焼き畑~前編~

0000(ゼロヨン)書店紀行とは?

月に一回10000円をもって他者と本屋に行こうという企画です。そこで紹介された本を買ったり、好きな作家の話を聞いたりしながら本屋をぶらぶらします。その月の新刊を見てみたり、ぼくが10000円以上本にお金を使わなくなったり、いいことがたくさんです。

第二回のゲストは5000人のフォロワーを擁するネタツイッタラーあかごひねひねくん

今回ぶらぶらしたのは前回に引き続き大阪梅田のジュンク堂です。

※あいかわらず本棚を見ながらしゃべっていますので、話がとびとびになります。

 

 

かみしの(以下:か) はい、というわけで第二回10000円をもって他者と本屋に行こう企画、ゲストはネタツイッタラー……でいいのかな?

 

あかひね(以下:あ) リスナーに聞かせる体でしゃべらなくても(笑)どうせ文字おこしするんでしょ

 

 最初だけ最初だけ(笑)まあ、ネタツイッタラーのあかごひねひね君ということで

 

 ありがとうございます

 

 いやいや、どうもよろしくお願いします。企画はさっき説明済みなので

 

 要するに本棚を見ながらうろうろしてしゃべるわけでしょ

 

 そうそう

 

 これはやっぱりね、プロモーションなので、「あ、こいつなかなか教養あるな」みたいなところを見せたいよね

 

 教養爆弾を投げてください

 

 どんどんね、学歴で勝てなかったやつらにマウントをとっていく

 

 いやなやつだなあ(笑)

 

 (笑)

 

【2F:文庫・単行本エリア】

 

 とりあえず二階の文庫コーナーへ……恒例なんだけど本屋に来たらまずどこへ行く?

 

 どこやろう、だいたいでも僕が行くのは……新刊のところうろうろはしますね。漫画の新刊を見て、文庫の新刊をぶらっとしていく感じですよね

 

 じゃあまあそれにのっとって新刊コーナーを見てこうか

 

 あ、『舟を編む』は面白かったですよ

 

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

 

 

 面白いね。これ単行本の方で買うと、装丁がちゃんと『舟を編む』仕様になってるんだよね

 

 アニメのカバーになってるんだな。アニメになったんやっけ?

 

 ノイタミナって書いてあるね

 

 これ気になったな。どこの出版社でどんな本かってのを隠して売って、めっちゃ売れたっていう

 

f:id:kamisino:20161220112252j:plain

 あ、なんだっけ。文庫Xとかいったっけ

 

 そうそう文庫X

 

 前、本のまくらフェアってのがあって。最初の一文をカバーにして、それでぴっと惹かれたら買うっていう。それに近いかも

 

f:id:kamisino:20161220112309j:plain

 へえ

 

 そういう売り方も面白いよね

 

 京都の三省堂で「本みくじ」ってのがあって、おみくじひいてその番号の本が買えるという

 

 なるほどなるほど

 

 買うまでどんな本かがわからない。ただ一応テーマは決まってて、「ホラー」とか「旅行に行きたくなる本」とか

 

 なるほど、ジャンルはあってそこから選ぶんだ。どうやって本を売るかっていう生存戦略は大切だよね

 

 だから今はどうやって出会うかっていう部分にスポットライトが当たってるんでしょうね

 

 最近本屋来てなかったから新刊何が出てるか知らないなあ

 

 実は新刊ってあまり読まないんだよね。家にも本があふれすぎててさ、それをまだ読んでないんだよ

 

 それはあるね……あ、『ほしのこえ』の文庫なんて出てるんだ

 

小説 ほしのこえ (角川文庫)

小説 ほしのこえ (角川文庫)

 

 

 出てますねえ

 

 『ほしのこえ』ってそんな本になるほどの長さでもないと思うけど

 

 新海さんの最初のアニメですよね。しかもこれは新海さんが書いてるわけじゃないんだ

 

 ほんとだ。別の人が書いてる

 

 こういうのいいですよね。メディアワークスとか大人向けラノベみたいなやつ

 

 大学生とか向けのね

 

 あの、さびれた店のボーイミーツガールもの多い、って話前しましたよね

 

 あー、カフェとかのね

 

 『タレーラン』でしょ。『ビブリア古書堂』とか、『京都寺町三条のホームズ』とか、あれもさびれた店でボーイミーツガールものですよね

 

 

 

京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

 

 

 ここ最近はタイムリープものが流行ってる気もするな。これ気になる『犯罪の大昭和史』

 

犯罪の大昭和史 戦前 (文春文庫)

犯罪の大昭和史 戦前 (文春文庫)

 

 

 いいですね、しかも戦前

 

 たぶん戦後編もでるんだろうね、きっと

 

 津山三十人殺しとか載ってるんじゃないですか、『八つ墓村』の……

 

 あるね。阿部定事件とかもあるし、鬼熊事件もある

 

 お、なにこれ。『未来のだるまちゃんへ』

 

未来のだるまちゃんへ (文春文庫)

未来のだるまちゃんへ (文春文庫)

 

 

 これどういう本なんや

 

 知ってる?だるまちゃんとてんぐちゃんは

 

だるまちゃんとてんぐちゃん

だるまちゃんとてんぐちゃん

 

 

 知らない……。これは絵本?

 

 もともとは絵本。だるまちゃんシリーズってのがあって、面白いですよ。あ、絵本も結構好きだな

 

 絵本ね、あとで行ってみようか。たまに眠れない夜に犯罪者のウィキペディアとかよく見るじゃない

 

 見ないよ(笑)

 

 見ないか(笑)

 

 だって眠れなくなるじゃん。俺は眠れない夜にはだいたい探偵ナイトスクープの過去回をひたすら見てる(笑)

 

 そうか……。なんかこう、犯罪者の告解とかあるじゃん。裁判の記録とか。ああいうの読むと単純に犯罪者を犯罪者と言い切れないというかさ、わかる部分が……

 

 やべえな、なんでシンパシーから入ってるんだよ(笑)

 

 それはでもどうしようもなくある……お、これすごい『バンド臨終図鑑』

 

 

 バンドが終わったときの話なんだ。それは面白そう。ゴールデンボンバー推薦、臨終しそうなやつに推薦させるなよ(笑)

 

 BiSが入ってる時点でこれは買うしかない……。BiSっていうのはアイドルグループなんだけど、アイドル界のセックスピストルズと言われてて、アイドルを終わらせた人たちって言われてるの

 

 へえ

 

 フリッパーズ・ギター筋肉少女帯……

 

 ウルフルズも入ってるね

 

 ゆらゆら帝国もあるし、こんなん買うしかない。何、最近文春文庫はこういう年表ものみたいのを出してるのかな。あかひね君が好きな年表もの

 

 あー、サブカル年表作ってたな。俺の年表を超えたいとうせいこう年表を水道橋博士が完成させたらしくて、いとうせいこうフェスで言ってたんだけど

 

 なるほど

 

 ページがめちゃくちゃ多いらしくて、異常な量らしい(笑)いつからいとうせいこうはふんどしをはめ始めたかとか……

 

 どうやって調べたのそれは(笑)

 

 本人に聞いたらしい(笑)

 

 それ正しいのかな本当に(笑)

 

 おっ『異世界居酒屋のぶ』

 

異世界居酒屋「のぶ」 (宝島社文庫)

異世界居酒屋「のぶ」 (宝島社文庫)

 

 

 これアニメ化するんだ

 

 これよいよ、面白いけど買わなくてもいいかもしれない。なぜならば「なろう」でまだ読めるから、7割8割くらいは。これ書いてる人が星海社から『第七異世界のラダッシュ』ってのも書いてて、まだ物語が始まったところなのでなんともいえないけどよかったよ

 

第七異世界のラダッシュ村 (星海社FICTIONS)

第七異世界のラダッシュ村 (星海社FICTIONS)

 

 

 これもさびれた店でのボーイミーツガールじゃないの?

 

 これはね飯版俺TUEEE系ラノベだね。ボーイミーツガールじゃなくて、異世界に日本の居酒屋がつながっちゃったて話で、異世界人ミーツ居酒屋

 

 なるほどね

 

 カルチャーショックもの。こんなうまいものがあったのか!っていう

 

 世界ウルルン滞在記みたいな

 

 そうそう。ある意味俺達っていいもん食ってんだなっていう、「ここがすごいよ日本人」的な、自分たちが普段食べてるものが異世界の人からしてみたらこんなにおいしいんですよっていう、自尊心をくすぐられるやつ

 

 紹介の仕方がちょっと(笑)

 

 くそ右翼が涙するやつ

 

 (笑)

 

 ネット発信のやつなんて全部右翼本だろ、どうせ、どうせさ

 

 何かあったの?(笑)

 

 何もないけど(笑)いやでも、これは面白かったよ。作者のTwitterみても「腰痛い」「死にたい」しかつぶやいてないから病んでるんだと思う(笑)

 

 異世界にいかなきゃやってらんないんだな。話がそれるけど『ズッコケ中年三人組』が

 

 

 いいですね、これは読みましたよ

 

 はちべえの息子は反抗期、もーちゃんの娘はいじめ問題、ハカセには春が来るのか……

 

 結構悲しいんだよ

 

 おばQの劇画版みたいな切なさがある

 

 

 哀愁がすごい

 

 なんか、なんかやだなあ。子供のころの気持ちが……

 

 そういう意味では読まない方がいいのかもしれない。読んで爽快感はなかった

 

 『シャボテン幻想』、面白そう。面白そうな新刊結構出てるな、稲垣足穂とか

 

シャボテン幻想 (ちくま学芸文庫)

シャボテン幻想 (ちくま学芸文庫)

 

 

 

 知らん

 

 『一千一秒物語』とか、幻想的な小説を書いてる人

 

一千一秒物語 (新潮文庫)

一千一秒物語 (新潮文庫)

 

 

 そういうわけわからない系は嫌いじゃないけど本では読めないんだよなあ

 

 何だったらいける?

 

 絵本とか映画だったらいいかな。能動的にシュールレアリズムを摂取すると飽きちゃうんだよね。わかんねーよ!って

 

 そうねえ、まあタイプによるよね

 

 自分から読んでいかなきゃいけないってのがね……

 

 じゃあそんなあかごひねひね君が好きな作家をあげてくださいと言われたら?

 

 時系列で変わってきてるな、どの時代がいい?

 

 オールタイムベストで

 

 難しいなー……オールタイム。焼き畑農業でばっと燃やして次に行くから、この時期はこれ、この時期はこれっていえるんだけどオールタイムとなると評価軸がないんだよ。戦後と室町時代どっちがどうかとか比べられないじゃん

 

 なるほどね、じゃあその焼き畑にしてきたやつらを

 

 『ローマ人の物語』シリーズは焼き畑にしてる最中ですね、細々と焼いてる。長いんだよねこれ

 

塩野七生『ロ-マ人の物語』の旅 コンプリ-トセット 全43巻
 

 

 確かに長い、全43巻か

 

 今は30巻を読み終わったとこ

 

 じゃあ今のところ4分の3は燃やし尽くしてるのか

 

 でもローマの歴史でいうとまだ序盤なんですよ、ここが五賢帝だから

 

 あ、そうなんだ

 

 ここから軍人皇帝時代とか

 

 コンスタンティヌスみたいなのが出てくるんだ、今絶頂がすぎて下降線に入ったところなんだね

 

 マルクス・アウレリウス・アントニヌスさんがいるとき。こん中で一番面白いのはカエサルあたりかな。ハンニバル戦記もよかった

 

 ハンニバルね。スキピオとか出てくるあたり?

 

 そうそう、スラとか僕は好きなんだよ。教科書では独裁で反対者を殺しまくったって扱われてるんだけど、元老院原理主義者で自分の政治参加には厳格で、無理やりディクタトル(独裁官)になるんだよ。でも一年たったらやめるって決めて、本当に一年で全部やって二度と政治に戻ってこなかった

 

 有能な政治家といえば有能なのかね

 

 インフラを全部整備したら「じゃあ俺はこれで」って、あとは悠々自適

 

 かっこいいね

 

 超かっこいい。冷酷で私腹を肥やさないっていう潔さ。理想のために殺しまくったっていう、まあこれは塩野さんの読み方だけど

 

 なるほどねえ

 

 あとは宮部みゆきとか読みまくった時期があった、『模倣犯』とか面白かった覚えがある

 

 

 宮部みゆきは『火車』くらいしか読んだことないな

 

 『火車』読んだっけなあ。『模倣犯』も面白かったっていうこと以外は忘れちゃってるんだよ(笑)

 

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

 

 

 そういうのあるよね(笑)

 

 あとは角川文庫のね、赤川次郎とか中学生くらいの時に三毛猫ホームズは7割8割は読んだはず。むちゃくちゃ多いのよ

 

三毛猫ホームズの推理 (角川文庫 (5680))

三毛猫ホームズの推理 (角川文庫 (5680))

 

 

 確かにブックオフとかで赤川次郎めちゃくちゃ多い印象がある。赤川次郎なあ、読んだことないんだよなあ。三毛猫ホームズがふわふわの感じだって印象があったんだけど、意外とえぐいって話を聞いた

 

 文体が軽いんだよね。エロいシーンとかグロいシーンを出すんだけど、文体が軽いからささっと読めちゃう。三毛猫ホームズに関しては、もってるやつ4周くらいはしてるはず

 

 すごいなあ

 

 あと中学生の時は宗田理、『ぼくらの七日間戦争』。これも好きだったね

 

ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)

ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)

 

 

 あー、読んだことないな見事に。これあれだよね、子供対大人の戦争の話だよね

 

 むちゃくちゃ面白い

 

 ジュブナイルを読んでこなかったんだよな

 

 で、オールタイムベストはこれだ『八つ墓村』。横溝正史もめちゃくちゃ読んだ

 

八つ墓村 (角川文庫)

八つ墓村 (角川文庫)

 

 

 『八つ墓村』ものすごく面白いもんね

 

 面白すぎてもってなかったの

 

 ?

 

 初めに図書館で借りてそのあと横溝作品を買っていったんだけど、『八つ墓村』はもう図書館で三回くらい読んでたから、買うのがもったいなくなっちゃってずっと持ってなかったの。この前やっと買った(笑)

 

 横溝正史もなかなか読んでなかったんだけど、読んでみたらすごく面白いんだよね。Theエンタメって感じ。読みやすいし面白いし

 

 あと何があったかな

 

 だいたいジュブナイルとかミステリーが多いのかな?

 

 高校に行くと、京極夏彦。あ、ここだ。見たらわかる(笑)

 

 威圧感がね(笑)

 

 横幅がね。『姑獲鳥の夏』面白かった

 

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

 

 

 『姑獲鳥の夏』はめちゃくちゃ面白かった

 

 『魍魎の匣』はそんなに好きじゃなかったんだよな。『鉄鼠の檻』でなんとか読み切ったけどグロッキーになって、『絡新婦の理』は途中で断念したんだ。うんちくがしんどかった(笑)

 

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

 

 

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

 

 

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

 

 

 京極はうんちく長々書くからね(笑)でも『絡新婦の理』が最高傑作みたいな話はあるよね

 

 たどり着けなかった(笑)『姑獲鳥の夏』は語り手が不安定で、赤いフィルムがかかった感じがあった

 

 いわゆる信用できない語り手だよね

 

 どんどん心の不安定さがこっちに入ってくるんだよね、読んでたら。『チルドレン』これも面白かった

 

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

 

 

 伊坂幸太郎

 

 伊坂幸太郎は『チルドレン』と『アヒルと鴨のコインロッカー』読んだ。『アヒルと鴨のコインロッカー』についてはこの前ボブ・ディランノーベル賞とったけど、あの「風に吹かれて」がポイントになっててそれもあって好きだったな

 

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 

 

 コインロッカーの中に神様を閉じ込めに行かなきゃ……(笑)

 

 あとはね、さくらももこのエッセイとか大学になるとラノベを読み始めるんだよ。で、ラノベかなって思ったらラノベじゃなかったのが西尾維新戯言シリーズだった。日常系のほんわかしたのが好きだったんだけど、『クビキリサイクル』は心が疲れてきた

 

もものかんづめ (集英社文庫)

もものかんづめ (集英社文庫)

 

 

 

 意外と重いからね

 

 心ぴょんぴょんしねーなみたいな(笑)

 

 西尾維新はキャラを作っては殺していくからね

 

 そうそう、普通に死ぬからな。愛着ないのかよっていう

 

 多産多消だから。どんどん作ってどんどん殺す、それが西尾維新のいいところでもあるんだけど

 

 『十角館の殺人』も下手すればオールタイムベストだな

 

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 

 綾辻行人、あれも面白いよね

 

 結構あの時期はミステリーをよく読んでて、綾辻行人とか二階堂黎人とか

 

 創元推理文庫とか行ってみる?

 

 あと何読んだかな、有栖川有栖も少し読んだな

 

 有栖川有栖は何読んだっけなあ

 

 有栖川有栖、何読んだか忘れるんだよな(笑)似たようなタイトル多いから

 

 有栖川有栖はがちがちの論理派だから玄人受けしそうな感じがある

 

 外国はあんまり読んでないな。『シャーロック・ホームズの冒険』をこの前ちゃんと読んで面白いな、わくわくするなって思った

 

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

 

 

 それは間違いない

 

 あ、米澤穂信を言わなきゃいけない。『折れた竜骨』

 

折れた竜骨 上 (創元推理文庫)
 

 

 うん、あれはミステリーとファンタジーの融合だよね

 

 意欲作!なのに面白い!

 

 異世界ファンタジーもの好きの心も揺さぶるし

 

 あれでちゃんとミステリーとして完結させてるのがすごい

 

 泡坂妻夫とかは?

 

 『しあわせの書』しか読んでないかな

 

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

 

 

 『11枚のトランプ』とか『亜愛一郎』シリーズとかは読んでない?

 

 

亜愛一郎の狼狽

亜愛一郎の狼狽

 

 

 読んでない

 

 なんとなく「幻影城」とか「新青年」が好きなイメージがあったけど

 

 あのね、知識としてみていくのは好きだけど、小説は多すぎるんだよ。小説はごりごりのエンタメの方が快楽が強いからそっちに流されちゃう

 

 なるほど(笑)

 

 『さよなら妖精』もよかったな

 

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

 

 

 『氷菓』シリーズの続編もいいけど、『小市民』シリーズの続きを早く出してほしいよね。気になっちゃって……

 

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

 

 

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

 

 

 『さよなら妖精』の続編は出てるよね、そこ出すんかーい!っていう。あと『ドグラ・マグラ』ね、ちゃかぽこで止まってる

 

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

 

 

 ちゃかぽこで止まるよね(笑)

 

 『ドグラ・マグラ』に関しては、総合病院の待合室で、たまたま精神病棟の向かいで読んでたのが俺のハイライトだね

 

 なんというか、“本物”感があるね

 

 あと近藤史恵さんの『タルト・タタンの夢』

 

タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)
 

 

 あー、これ買うわ。別の人にもおすすめされててね、ちょうど気になってたんだ

 

 ミステリーとしてはそんなにうまくないんだけど、ほろってなる。クリスマスイブイブくらいのときにストーブを炊いて、雪が降ってる夜中に眠い感じで読んでたい

 

 いい比喩だね

 

 ビストロが舞台なんだけど、読み終わったその日に辛抱たまらなくなって、電車に乗って続編買いに行ったからね

 

 

 あーいいね、そこまで入れ込める小説はとってもいい

 

 中毒的になる

 

 これも面白いって話だな、『雪の断章』

 

雪の断章 (創元推理文庫)

雪の断章 (創元推理文庫)

 

 

 徹夜本、って言葉いいですね。あとはSFに行くと……あ、『さまぁ~ずの悲しいダジャレ

 

さまぁ?ずの悲しいダジャレ 宝島社文庫

さまぁ?ずの悲しいダジャレ 宝島社文庫

 

 

 『バーナード嬢曰く。』で紹介されてたね

 

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)
 

 

 これね、僕小学生の時に読んでて、友達がお笑い芸人好きで図書館で借りてて読んだ記憶がある。「『猫が寝込む、永遠に』『死んだのかよ!』」みたいな、覚えてるもん何個か

 

 「『花に話しかけた、俺今仕事ないよって』『枯れちゃうよ!花に言っても仕方がないから探しなさい仕事を』」(笑)あれだね、又吉の自由律俳句みたいだね

 

 

 つっこみがあるからまたちょっと違うよね。ここらへんはハードなSFたち。怖くて読めない

 

 グレッグ・イーガンとかフィリップ・K・ディックとかね

 

 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』はかっこよかったから買った、あとは『星を継ぐもの』。これは三部作全部読みました

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

 

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 

 

 だいたいSFオールタイムベストとかで一位だよね

 

 そうそう。これとあとは『夏への扉

 

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 ハインラインかあ、どメジャーだよね。ランキング上位にくるってことはやっぱりそれなりの面白さがあるんだろうなあ

 

 ……これパクリじゃないの?(笑)

 

 『アンドロイドの夢の羊』。でもこれはこれで面白いらしいよ、聞いた話だけど

 

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 へえ、あとは『銀河ヒッチハイクガイド』

 

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

 

 

 河出文庫だね、あれも確かに気になってた。「世界の真理は42だ」っていう。あれはコメディなの?

 

 コメディだね。もともとはラジオドラマなんだよ。それを小説にしたやつ。『宇宙の果てのレストラン』買おうかなあ、もってたかどうかも覚えてない。これ映画もよかった

 

宇宙の果てのレストラン (河出文庫)

宇宙の果てのレストラン (河出文庫)

 

 

 映画なあ、見ないとなあ。最近『ナルニア国物語』が古典新訳ででてるんだよね

 

魔術師のおい ナルニア国物語 1 (古典新訳文庫)

魔術師のおい ナルニア国物語 1 (古典新訳文庫)

 

 

 もうこういう扱いになったんだ、巨匠じゃん。あ、『クリスマス・キャロル』めちゃくちゃ好きです

 

クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)

クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)

 

 

 ほっこりするよね

 

 好きすぎて4,5種類くらいもってる(笑)違う訳で買ってみようと。ディケンズの『オリバー・ツイスト』が長いでしょ、そっちは読めなかった

 

オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫)

オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫)

 

 

 どうする?単行本の方でも行ってみる?

 

【新書コーナー】

 

 『ラーメンと愛国』の話は前にしたのか

 

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

 

 

 記事にしたね、リンク貼っとこう

 

hyohyosya.hatenablog.com

 あったあった、あれ、この人さっきの『バンド臨終図鑑』でも書いてたね

 

 『1995年』っていう1995年だけにしぼった新書とかも書いてたと思う

 

1995年 (ちくま新書)

1995年 (ちくま新書)

 

 

 結構講談社現代新書好きだなあ

 

 新書も幅があるよね。岩波は格調が高い

 

 講談社現代新書はポップでわかりやすい。チンピラみたいな出版社が出してるのあるでしょ、薄くて軽いやつ

 

 チンピラ(笑)ソフトバンクなんちゃらみたいな

 

 ああいうのは新書のふりをした騙すやつだと思ってる

 

 確かに一般的に新書っていったら講談社か岩波か中公かちくまみたいなところはあるね

 

 ポップさでいったら光文社が一時期来たでしょう。『99.9%は仮説』『さおだけ屋はなぜつぶれないのか』

 

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

 

 

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

 

 

 新書ブームの火付け役って感じあるね

 

 社会現象くらいブームになったでしょ

 

 なったなった。逆に買わなかったけど

 

 中公新書って面白くなくて長いっていう印象があるんだけどどう思います?

 

 (笑)面白いのもあるよ

 

 今まで読んだ中公新書って無駄に長くて退屈だったんだよ

 

 まあポップではないよね

 

 岩波くらいになると面白いと思うんだよ。勝手なイメージだけど、岩波ってちゃんと頭のいい人が書いてる感じがある。中公は頭がそんなに良くないガチの学者が書いてるってイメージがあって、無駄な記述が多いんだよ。本筋に関係ない些末なことを書いてどんどん長くなっていくみたいな(笑)

 

 確かに岩波はスマートな印象はあるね(笑)中公は量で攻めてる感がないでもない。でも論理学のとかは面白かったよ

 

詭弁論理学 (中公新書 (448))

詭弁論理学 (中公新書 (448))

 

 

 歴史系のを読んでるからダメなのかな

 

 これとか結構気になってたんだよ、『地球の歴史』

 

地球の歴史 上 - 水惑星の誕生 (中公新書)

地球の歴史 上 - 水惑星の誕生 (中公新書)

 

 

 こうやって面白いタイトルつけるじゃん、でも面白くないんだよ中公新書

 

 中公ディスが(笑)でもこれは面白かった『ラテンアメリカ文学入門』。賛否は両論だと思うけど

 

 

 『ジャガイモの世界史』とか読んだけど面白くなかったんだよ。一時期なんちゃらの世界史が流行って、中公は真面目なくせにそういう二匹目のどじょうは拾いに行くんだよ。チンピラ新書が真似するのはいいんだけど、中央公論がやるか?って

 

ジャガイモの世界史―歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書)

ジャガイモの世界史―歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書)

 

 

 (笑)

 

 面白くない学者が面白い学者の真似をして真面目に書くから面白くないんだよ、どうせ。読んでないけど(笑)

 

 面白そうだけどね、『怨霊とは何か』とか

 

 

 ディスって面白かったら悪いから買ってみようかな(笑)あ、永六輔俺一時期めちゃくちゃ読んだわ

 

大往生 (岩波新書)

大往生 (岩波新書)

 

 

 永六輔ねえ

 

 永六輔黒柳徹子にはまってた時期がありました

 

 『窓ぎわのトットちゃん』とか?

 

 

 当時手に入ったやつは読んだね

 

 そうかあ。いいねえ、なんというか読書傾向がまったく違うからいろんな話が聞ける

 

 あとなんだろう『昆虫はすごい』面白かったよ

 

昆虫はすごい (光文社新書)

昆虫はすごい (光文社新書)

 

 

 これは昆虫の生態を紹介するみたいなやつ?

 

 そうなんだよ、とても面白かったです

 

 いいね、図鑑とか眺めるのって面白いし

 

→次回、単行本・ラノベコーナーへ

kamisino.hatenablog.com

 

☆第一回0000書店紀行はこちら★

kamisino.hatenablog.com

『群像70周年記念号』全作レビュー6~プールサイド小景~

前回は第三の新人安岡章太郎についてのレビューを書きました。

今回もまた「第三の新人」の代表的作家である庄野潤三について書いてみようと思います。

 

群像 2016年 10月号 [雑誌]

群像 2016年 10月号 [雑誌]

 

 

第三の新人」とは戦後に登場してきた小市民的な感覚をテーマとして描いた文学の集団です。

余談ですが集団として語られる文学グループはこののちに「内向の世代」という人たちが出てきます。しかしこの「内向の世代」はほとんど同時代というだけで、文学的な共同性はそんなにないというのが通説です。

もう少し後になると村上春樹村上龍中上健次といった文学者たちが同時代にデビューします。文壇ではこの人たちに「青の世代」というグループ名をつけようとしていたようですが、うまく定着することはありませんでした。それは、作風があまりに異なっていたからです。

今では文学は多様化しています。もはや文壇的な力は薄くなってきているのではないかと思います。

それを考えるとこの「第三の新人」たちは一緒に写真を撮るような仲良しですし、問題意識にも似たような部分はあるので、ある意味で最後の文学集団ともいえるのではないかと思います。

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ファウスト』だったり、徳間の二階だったり、トキワ荘のような小サロンは、文学においてはほとんどなくなってしまったような気がします。(ぼくが観測していないだけかもしれません)

 

 

話が少しそれてしまいましたが、この「プールサイド小景」もまた小市民的な感覚で書かれた佳作です。そもそも「小景」=ちょっとした眺めというタイトルにこじんまりとしたよさがあふれているように思います。

 

プールサイド小景・静物 (新潮文庫)

プールサイド小景・静物 (新潮文庫)

 

 

この小説の主人公は会社の金を使い込んでクビになってしまった男とその家族です。

1954年。戦争が終わって9年。前に記事を書いた大岡昇平原民喜と比べると、その主題がぐっと身近になっていることがよくわかると思います。

プールでは女子高生が水泳の練習をしています。

 

この情景は、暑気とさまざまな憂苦とで萎えてしまっている哀れな勤め人たちの心に、ほんの一瞬、慰めを投げかけたかもしれない。

 

仕事終わりにくたびれたサラリーマンが、高校生の溌剌とした声を聞いて元気をもらう。水着の女の子であるということがエロティックな意味を付加させているということはありません。

ここでは、単に仕事で疲れた大人とフレッシュな少女たちという対比があります。

 

このプールサイドには子供を連れた男性が遊びに来ています。

水泳のコーチは彼と彼の子供たちを見て、

 

あれが本当に生活だな。生活らしい生活だな。夕食の前に、家族がプールで一泳ぎして帰ってゆくなんて……

 

と感慨します。

しかし、この家庭には、他人のあずかり知らぬ問題がありました。先ほども書いたように、この男は会社の金を使い込んでくびになってしまったのです。それだけではありません。

どうして金を使い込んでしまったのか。彼はバーの女性に入れあげてしまったのです。

 

こういう女と人気のない夜の街路を散歩してみたらと云う漠然たる希望

 

なんのことはない、横領と不倫が幸せに見えるこの家族の裏にじっとりと隠れているのでした。

 

男が毎朝背広に着換えて電車に乗って遠い勤め先まで出かけて行き、夜になるとすっかり消耗して不機嫌な顔をして戻って来るという生活様式が、そもそも不幸のもとではないだろうか。

 

男の妻はこう考えます。人間疎外、とまではいかないまでも、仕事によってすり減らされる日常。主人公もプールの女学生をぼんやりと眺める「哀れな勤め人」に過ぎないのです。

高度経済成長期の日本、着ている物が軍服からスーツに変わっただけで、勤め人達はまた違った戦場へと駆り出されていきます。

疲れ、倦怠、そういったものからつい女性に逃げてしまう。ものすごく小市民的な心の動きではないでしょうか。

男は外へ働きに、女は家庭で家事を。この生活スタイルが、

 

いったい自分たち夫婦は、十五年も一緒の家に暮していて、その間に何を話し合っていたのだろうか?

 

というすれ違いを生みます。

戦争という大きなうねりが通り過ぎ、問題は家族、仕事、そういった小さなものになっていきます。

傍からみれば「これぞ生活」と思われる家族にも、仄暗い物語はあるのです。

 この小説の最後は離婚を彷彿とさせる意味ありげな妻のつぶやきで幕を閉じます。

 

実はこの小説を大学の講義で取り扱ったことがあります。

その時に、この小説の最後のシーンについての論争が起きました。「国文学科はこんなことをやっているんだ」という活写と、ぼくなりの考えの表明のために最後に触れておきたいと思います。

問題の場面は男が家を出て行ったあとのプールの描写。

 

プールは、ひっそり静まり返っている。

コースロープを全部取り外した水面の真中に、たった一人、男の頭が浮かんでいる。

(中略)

やがてプールの向う側の線路に、電車が現れる。勤めの帰りの乗客たちの眼には、ひっそりしたプールが映る。いつもの女子選手がいなくて、男の頭が水面に一つ出ている。

 

この「男の頭」を、主人公の入水自殺と受け取った人がいたのです。

一応中略した部分に、この男はプールのごみを拾うコーチであるということは明記してあります。

「やがて」という時間の推移を表す副詞があることから、中略以前の「男の頭」と以後の「男の頭」は別の人間を指すと考えられないことはありません。

そこで喧々諤々の口論が起きたわけですが、結論から言えばぼくはすべてコーチの頭を指していると考えています。

ただ問題はどうして入水自殺なんていう考えが出てきたかということで、それはそこまでの文章で自殺もありなんという雰囲気を、庄野潤三が作り出しているからです。

冒頭の女子学生であふれたプールの描写と、この最後の男の頭だけが浮いている描写は明らかに対比されています。

離婚を彷彿とさせる、とぼくがいったのはここに不穏な要素を感じ取ったからです。男が出て行ってから帰ってこないとは一言も書かれていません。しかし、この描写には不穏な雰囲気が満ち満ちています。

この不穏な雰囲気が、ありがちな家庭の崩壊を描いた小説と「プールサイド小景」を区別する部分だと考えています。

 

最後に印象に残った文章を書き残しておこうと思います。

主人公が誰もいない会社を訪れた場面。

 

尻が丁度乗っかる部分のレザーは、その人間の五体から滲み出て、しみ込んだ油のようなもので光っている。それはきっとその人間の憤怒とか焦だちとか、愚痴や泣き言や、または絶えざる怖れや不安が、彼の身体から長い間かかって絞り出した油のようなものなのだ。僕にはそう思えてならない。

椅子の背中のもたれるようになた部分、そのひしぎ具合にも、その男のこの勤め場所での感情が見られる。否応なしに毎日そこへ来て、その椅子に尻を下す人間の心の状態が乗りうつるのは当然のことではないだろうか。

 

仕事場に、人間たちは自分の感情を、ある意味で自分の半分を落っことしてきているのです。

つまり家に帰るのは自分の半身でしかありません。そういうところからすれ違いが生じてくるというのは、この小説が発表されて50年近くたっている今でも全く変わらないことなのではないかと思います。

働きたくないなあ。

0000書店紀行:第一回とがった文学~後編~

前編はこちら↓

kamisino.hatenablog.com

 

【単行本コーナー:日本文学】

 

 とりあえず現代日本文学かな。あっこれがねSFっぽいということで少し話題になってた。川上弘美

 

大きな鳥にさらわれないよう

大きな鳥にさらわれないよう

 

 

 川上弘美はちょっとそういうところあるね

 

 『蛇を踏む』とか、好きだな

 

蛇を踏む (文春文庫)

蛇を踏む (文春文庫)

 

 

 女性だと誰かな、本谷有希子とかいいな

 

 なかなか文庫落ちしないやつがあるんだよね、えっと、戯曲の『幸せ最高ありがとうマジで!』とか。演劇つながりでいったら松田さんとか

 

幸せ最高ありがとうマジで!

幸せ最高ありがとうマジで!

 

 

 そう、『スタッキング可能』が文庫落ちしてるからちょっとほしいんだよね。出身も同じだしね

 

スタッキング可能 (河出文庫)

スタッキング可能 (河出文庫)

 

 

 京都だもんね。そんで上田誠さんの……

 

 ヨーロッパ企画

 

 そうそう、ヨーロッパ企画の人だよね。あとは綿矢りさもある

 

 あー、最近読んでないなあ。男性の方はどうだろう

 

 正直国内の単行本についてはそのうち文庫化するんだよなあってのがある。海外はなかなかしないけど

 

 それはある。あ、荻世いをらさん。結構長い間本が出てなくて、2006年に文藝賞とっているんだけど……

 

公園

公園

 

 

 そういえば最新の文藝賞のも単行本出てたな。帯に「友達が死んで 彼女が死んで」みたいに書いてあって、ああ文藝賞だって思った(笑)……あ、後藤明生コレクションあるよ

 

青が破れる

青が破れる

 

 

 しかもⅠ(笑)前期のⅠだからたぶん4冊くらい出るね(笑)これはさすがに……。島田雅彦

 

 

 んん、島田雅彦よくわかんないんだよね

 

 昔っぽいのかな重たいし

 

 記号的っていうのかな……なんというかその時代に生きてなきゃわからない部分もあるのかもしれない

 

 このタイミングで福永信を買いたいかもしれない

 

 福永信……文庫化しないもんね

 

 園子温だ。詩とエッセイ

 

受け入れない

受け入れない

 

 

 園子温、詩書くんだ

 

 確かに映画でもモノローグとかよく使うしね

 

 この、このね推され方ちょっと違うと思うんだ。二階堂奥歯をさ、本屋大賞で推すってなんかちがくない?

 

八本脚の蝶

八本脚の蝶

 

 

 確かに(笑)中田永一とかも気になってるんだよね

 

私は存在が空気

私は存在が空気

 

 

 表紙が浅野いにおの時点でずるいんだよなあ(笑)蓮實の『伯爵夫人』もある。これカバーの質感がちょっと違ってて指紋がすごくつくんだよね

 

伯爵夫人

伯爵夫人

 

 

 西村賢太

 

 どれ読んでも同じっていう印象がちょっとある

 

 よくわからないところでキレるところ好き(笑)

 

 朝吹真理子にひたすら下ネタの話してて、ああこいつはだめだなって思った(笑)

 

 福永信、どれにしようかな。『コップとコッペパンとペン』とか

 

コップとコッペパンとペン

コップとコッペパンとペン

 

 

 短歌の『食器と食パンとペン』みたい

 

食器と食パンとペン わたしの好きな短歌

食器と食パンとペン わたしの好きな短歌

 

 

 『一一一一一』とか震災文学でいいのかもしれない

 

一一一一一(イチイチイチイチイチ)

一一一一一(イチイチイチイチイチ)

 

 

 買おうかなあ。河出書房、河出を信じて文庫落ちを待つか……でも2011年に出てて未だに文庫化してないということはしないかな、買います(笑)そういえば木下古栗を忘れてたね

 

 古栗ほんとしょうもないからなあ(笑)たまに買うか迷う。『ポジティヴシンキングの末裔』がある

 

ポジティヴシンキングの末裔 (想像力の文学)

ポジティヴシンキングの末裔 (想像力の文学)

 

 

 なんかゼロ年代批評のタイトルみたい(笑)

 

 すげえ読みづらそう(笑)買っても積みそう。短編が欲しかったけどないね。あとはさっき言及できなかったけど古井由吉だとか星野智幸だとか……

 

 そういえば星野さん読んだことないなあ、『俺俺』買うかな

 

俺俺

俺俺

 

 

 あと前田司郎もよかったよ

 

 『夏の水の半魚人』は読んだよ、あれはよかった

 

夏の水の半魚人

夏の水の半魚人

 

 

 あれはいいね。『偉大なる生活の冒険』もよかったよ。場所をとるからか古川日出男が置いてない(笑)

 

前田司郎 1: 偉大なる生活の冒険ほか (ハヤカワ演劇文庫)

前田司郎 1: 偉大なる生活の冒険ほか (ハヤカワ演劇文庫)

 

 

 山下澄人もよかったよ、『コルバトントリ』とか

 

コルバトントリ

コルバトントリ

 

 

 へえ、あ、村上春樹コーナーがある

 

 まあ日本がほこる作家だから

 

 日本がほこるノーベル賞候補作家だから

 

 (笑)

 

 じゃあ、海外へ行こうか

 

【単行本コーナー:海外文学】

 

 もう「東欧の」とか見るとほしくなっちゃう(笑)

 

 飛浩隆がおすすめしている

 

 それ三部作の一つでしょ。まあ、ソローキンみんな好きみたいなところはあるからね

 

23000: 氷三部作3 (氷三部作 3)

23000: 氷三部作3 (氷三部作 3)

 

 

 面白いからね

 

 あっ、『むずかしい年ごろ』これが面白そうなんだ。でも今年はフランス文学しか読まないって決めたからなあ……とかいいつつウンベルト・エーコとかを買っちゃうとか(笑)

 

むずかしい年ごろむずかしい年ごろ
 

 

 (笑)カルヴィーノとかほしいな

 

 『冬の夜ひとりの旅人が』が文庫化したよね。ああ、ほしい。レイナルド・アレナスとかほしい……。とりあえず『夜のみだらな鳥』を早く出せということは言っときたい

 

 

世界の文学〈31〉ドノソ/夜のみだらな鳥 (1976年)

世界の文学〈31〉ドノソ/夜のみだらな鳥 (1976年)

 

 

 それね。ずっと出る出る言ってるのに。カルヴィーノそんなにおいてないなあ。ボルヘスとかもいいよね……。アメリカの詩とか、ビートニク世代の

 

 ギンズバーグとか?

 

 そうそう、原発の話とかしてて面白かった

 

 さっき言ってたあれは?『ストーナー

 

ストーナー

ストーナー

 

 

 あれ、どこだろうね。おっ、ピンチョン

 

 ピンチョン。本棚の飾りピンチョン

 

 強そうな本棚を作るためには必要な素材(笑)

 

 とりあえず『重力の虹』と『百年の孤独』おいとけば強いからね(笑)

 

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

 

 

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

 

 

 あったあった『ストーナー』、買おう

 

 ビートニクコーナーがあるね

 

 ブローティガンとか置いてある

 

 正しくはブローティガンってビートニクではないという話だけどね

 

 ほしいと思ったら続き物だった(笑)

 

荒涼天使たち〈1〉

荒涼天使たち〈1〉

 

 

 『荒涼天使たち』……。いや、見ないぞ、見たら買いたくなってしまう。アンナ・カヴァン、いや、買わないぞ(笑)

 

 ジョージ・ソウンダーズも欲しいと思ったけどあんまり置いてないな。『パストラリア』とかほしいんだけど

 

パストラリア

パストラリア

 

 

 どうしよう短歌コーナーでも行ってみる?

 

 いいね

 

【詩歌コーナー】

 

か 最近の新鋭短歌シリーズでいったら『瀬戸際レモン』『羽虫群』『永遠でないほうの火』の三つがほしいけど……けどって感じだね

 

瀬戸際レモン (新鋭短歌シリーズ27)

瀬戸際レモン (新鋭短歌シリーズ27)

 

 

羽虫群 (新鋭短歌シリーズ26)

羽虫群 (新鋭短歌シリーズ26)

 

 

永遠でないほうの火 (新鋭短歌シリーズ25)

永遠でないほうの火 (新鋭短歌シリーズ25)

 

 

 短歌じゃなくて詩だけど、水無田気流とか読みたいな

 

 んんー、なさそうだね

 

 谷川俊太郎とか

 

 谷川俊太郎は間違いないもんね。カニエ・ナハって見るたびにカニエ・ウェストかなってなるんだよな(笑)

 

用意された食卓

用意された食卓

 

 

 (笑)寺山修司俳句全集

 

寺山修司全歌集 (講談社学術文庫)

寺山修司全歌集 (講談社学術文庫)

 

 

寺山修司俳句全集 (寺山修司青春作品集)
 

 

 西東三鬼の句集とかほしいよね

 

 いいね。最果タヒ吉野弘吉増剛造

 

 流行ってるからね。詩も読み始めたらむちゃくちゃあるもんなあ

 

 若手の作品があまりないな

 

 三角みづ紀とかはあるけど……なかなか選びづらいなあ

 

 この辺は語れることがあまりなくてカットされる気がする(笑)

 

 まあ(笑)やっぱり文学コーナーやね(笑)

 

 岡井隆

 

 岡井隆……一回歌会に行ったら、岡井隆が短歌出してて、すげー、生きてるんだやっぱりって思った(笑)

 

 (笑)SFとかミステリー行ってみようか

 

【単行本コーナー:SF・幻想】

 

 『サイコブレイカー』(笑)

 

サイコブレイカー

サイコブレイカー

 

 

 まったく知らないけど

 

 タイトルが強い

 

 B級映画感がぷんぷん漂ってる(笑)

 

 ね(笑)

 

 ああー、ここらへんいいねえ幻想文学。このシリーズ『新編日本文学集成』。ほしい……買えない……

 

 

 『バベルの図書館』とかを二冊買って終了とかしたら(笑)

 

新編バベルの図書館 第1巻

新編バベルの図書館 第1巻

 

 

 いつか、そういうすすめ方をしてくる人もいるかもしれない。そういうのもありだけどね、「安部公房全集の7巻だけ読め!」みたいな(笑)

 

 そういえば月村了衛とか読みたい

 

 『機龍警察』とか

 

機龍警察(ハヤカワ文庫JA)

機龍警察(ハヤカワ文庫JA)

 

 

 そうそう、なんだったかな、導入におすすめされたのがあって

 

 あっ、これほしいんだ、「ポーランドラブクラフト」、グラビンスキ

 

狂気の巡礼

狂気の巡礼

 

 

 強そう

 

 お金が……いけそうだったら買っちゃおうかな

 

 どう?

 

 うん、無理(笑)

 

 (笑)ああ、これだ、『槐』。買っちゃお

 

槐(エンジュ)

槐(エンジュ)

 

 

 あと3000円くらいか、何買おうかな。グラビンスキ……いや、でも……

 

 俺はあと1500円くらい。『東亰ザナドゥ』があったらそれを買って終わりにしよう。宣伝のために(笑)

 

東亰ザナドゥ

東亰ザナドゥ

 

 

 探しつつちょっと地下へ行ってみようか。そういえばポイントが116万円分当たるとかいうキャンペーンやってて、それで一生分の本が買えるとかいってるけどすぐなくなるよね(笑)

 

 そうね(笑)SFの文庫のとことかもちょっとみてこう

 

【ハヤカワ文庫・創元推理文庫コーナー】

 

 『バーナード嬢曰く。』フェアをやってる

 

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)
 

 

 ブッツァーティ買ったけどまだ読んでない、ここで『ドグラ・マグラ』とか

 

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

 

 

 ここらへんはもってるなあ。『ド嬢。』アニメの絵柄が違いすぎる(笑)でもこうやってとりあげられて復刊していくのはいいよね

 

 『グラン・ヴァカンス』も積んだままだ。『ノノノ・ワールドエンド』やん。どうだった?

 

グラン・ヴァカンス 廃園の天使?

グラン・ヴァカンス 廃園の天使?

 

 

ノノノ・ワールドエンド (ハヤカワ文庫JA)

ノノノ・ワールドエンド (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 セカイ系って感じだった。『少女終末旅行』をちょっと思い出した

 

少女終末旅行 1巻

少女終末旅行 1巻

 

 

 なるほど。『ファンタジスタドールイヴ』

 

 

 われらの野﨑まど先生。『know』が面白かった。あとは『オーブランの少女』とか話題になってたな

 

know (ハヤカワ文庫JA)

know (ハヤカワ文庫JA)

 

 

オーブランの少女 (創元推理文庫)

オーブランの少女 (創元推理文庫)

 

 

 見始めたらいろいろあるね

 

 まだまだ触れたい作家はいるけど携帯の電池も切れそうなので地下に行こうか

 

 もう1時間半もいるのか

 

 いようと思えばいくらでもいられるからね

 

(エスカレーターで下りながら)

 

 読書と言いながら啓蒙書ばっかり紹介するのはどう(笑)

 

 成功する90のなんちゃら、みたいな(笑)そういう人がいてもいいかもしれないけど、個人的にはそれに10000円を使いたくない(笑)

 

【地下1階:マンガ・ライトノベル

 

 ゲームのノベライズはどこらへんだろう。『テイルズオブベルセリア』の攻略本ちょっとほしい

 

テイルズ オブ ベルセリア 公式コンプリートガイド (BANDAI NAMCO Entertainment Books 55)

テイルズ オブ ベルセリア 公式コンプリートガイド (BANDAI NAMCO Entertainment Books 55)

 

 

 レーベル的にはここらへんかな

 

 ボカロ小説がいっぱいでてるところなんだね

 

 あっ、あった

 

 おおーすごい

 

 宣伝にね

 

東亰ザナドゥ

東亰ザナドゥ

 

 

 梅田ジュンク堂の面白いところは、漫画のジャンルとして「サブカル」があるってところなんだよね

 

 いいね(笑)

 

 あ、『魔法少女育成計画』ちょっと読みたい。あと『ただ、それだけでよかったんです』の人の二作目。一作目よりいいという話がある

 

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)

 

 

 

 一作目はどうだった?

 

 読んでない(笑)ラノベは久しく読んでないから……

 

 続き物が多いからね、やっぱり

 

 『六花の勇者』とかも面白いらしいけど、続き物はどうしてもね、手に取りづらい

 

六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

 

 

 久弥直樹の新刊もあったな。漫画もいいけど、そうすると際限なくなってしまいそうだから今回はやめとこう(笑)

 

 そうだね(笑)

 

 この間石川博品を買って読んでるから、ラノベはいいかなという気になっている

 

 

 ラノベ界の変人こと石川博品(笑)

 

 おっ

 

 いいね星海社上遠野浩平……

 

 『ジハード』、乙一の出た賞の最初の受賞者で、歴史ファンタジーを書いていて強いらしい。でもこれぞってのはなかなかないな

 

ジハード 1 猛き十字のアッカ (星海社文庫)

ジハード 1 猛き十字のアッカ (星海社文庫)

 

 

 あ、ここここ、サブカルコーナー(笑)

 

 浅野いにおの短編買いたかったんだよな

 

 浅野いにおは一年に一冊くらいにしとかないと心臓がやられてしまうんだよね(笑)

 

 こんな感じかなあ

 

 これ、情報量めっちゃ多いんじゃない?(笑)でもやっぱり文学系が多かったかなって感じがあるね

 

 そうだね

 

 また第二回、第三回とSFとかミステリーが好きな人とくると、また違った感じになるんだろうな

 

 あんまりとがったの買えなかったな、後藤明生ほしかった

 

 まあだいたい持ってたりするからね(笑)

 

 では、これでいきましょう

 

 というわけで、第一回10000円で本を買う企画

 

 (仮)

 

 企画(仮)、おしまいとなります。ゲストは木野誠太郎くんでした、何かコメントを

 

 非常に楽しかったです、ありがとうございます。『東亰ザナドゥ』よろしくお願いします

 

 買いましょう。以上、ありがとうございました

 

 ありがとうございました

(11月23日 於:大阪梅田ジュンク堂

 

《今回のお買い上げ本》

かみしの

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・町屋良平『青が破れる』

福永信『一一一一一』

・今村夏子『あひる』

中村文則『悪意の手記』

ウィリアム・バロウズ『ジャンキー』

大江健三郎『晩年様式集』

星野智幸『俺俺』

西尾維新対談集『本題』

竹宮ゆゆこ『あしたはひとりにしてくれ

・黒石迩守『ヒュレーの海』

武田泰淳ひかりごけ

 

木野誠太郎

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・木野誠太郎『東亰ザナドゥ

ジョン・ウィリアムズストーナー

月村了衛『槐』

大江健三郎万延元年のフットボール

ウィリアム・バロウズアレン・ギンズバーグ『麻薬書簡』

阿部和重アメリカの夜

北山猛邦『私たちが星座を盗んだ理由』

 

 

【会計後】

 

 あっ……

 

 ん?

 

 10000円ちょっと越しちゃった……

 

 (笑)

 

to be continued...

0000書店紀行:第一回とがった文学~前編~

0000(ゼロヨン)書店紀行とは?

月に一回10000円をもって他者と本屋に行こうという企画です。そこで紹介された本を買ったり、好きな作家の話を聞いたりしながら本屋をぶらぶらします。その月の新刊を見てみたり、ぼくが10000円以上本にお金を使わなくなったり、いいことがたくさんです。

第一回のゲストはあんさんぶるガールズ! !」のシナリオライターであり、最近『東亰ザナドゥ』を刊行した木野誠太郎 くん

今回ぶらぶらしたのは大阪梅田のジュンク堂です。

※本棚を見ながらしゃべっていますので、話がとびとびになります。

 

 

かみしの(以下:か) では唐突に始まりましたけれど、「10000円をもって他人と本を買おう」というそういう企画なんですが、今回は第一回ということでシナリオライターの木野誠太郎くんにお越しいただきました

 

木野誠太郎(以下:き) ありがとうございます。呼んでくれてありがたい

 

 いや、完全にぼくの思いつきなんで、まあ、とりあえず本を買っていこう。ということでまずは新刊コーナーへ行きましょう……ここらへんかな

 

 アニメ映画化した『この世界の片隅に』が熱烈プッシュされていたり、『ハリーポッター』の新刊があったり

 

 

【Amazon.co.jp限定】 ホグワーツMAP付き ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部 特別リハーサル版 (ハリー・ポッターシリーズ)

【Amazon.co.jp限定】 ホグワーツMAP付き ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部 特別リハーサル版 (ハリー・ポッターシリーズ)

 

 

 能年玲奈の方言よかったねー

 

 確かに。最初は顔が浮かんできたけど、途中からシンクロして顔が見えなくなってくる

 

 どこかで言われてたけど、見終わったあと頭の片隅にすずさんが住み着く感じがある(笑)と、そんなものもありつつ……これをまずね買おうと思ってたんですよ、今村夏子の『あひる』という作品

 

あひる

あひる

 

 

 あひる……

 

 これが『たべるのがおそい』というムック本にのってて局地的な話題になったんだけど

 

文学ムック たべるのがおそい vol.1

文学ムック たべるのがおそい vol.1

 

 

 僕、あれですね今村夏子の文字列を見るとなぜか声優の今村彩夏さんが出てくる

 

 職業柄ね(笑)

 

 (笑)まあでも、いろいろ新刊があって『コンビニ人間』は周辺でも評価がいいなあ

 

コンビニ人間

コンビニ人間

 

 

 そうね、わかりやすい純文学って感じがあっていいと思う

 

 受賞後一作もちゃんと出て、文庫とかもプッシュされてるね

 

 これもちょっと話題になってたんだよ『ヒュレーの海』というハヤカワ文庫から出ている、SFのなんかで……

 

ヒュレーの海 (ハヤカワ文庫JA)

ヒュレーの海 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 なんか(笑)なんだかんだで森見登美彦とか冲方丁の新刊が出てたりするね

 

 そうね、結構11月はエンタメ系のあの作家が、みたいな新刊が多いかもしれない。まあそんなこんなで文庫の方へ行きましょうか

 

【2F:文庫・単行本エリア】

 

 質問コーナーなんだけど、本屋に来たらまずどこの文庫を見に行くか、という

 

 えーっと、買うのを決め打ちしてからいくことも結構あるので、その棚の周辺を行ったりするけど、まあ新潮かな

 

 なんでもそろってる節はあるからね、新潮文庫。二階にも文庫の新刊コーナーがあるね

 

 『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』だ

 

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 日本が戦争で勝ったら、みたいなやつだっけ

 

 なんか百田尚樹とかに通ずる日本すごい感がちょっとあるけど、読んだことないから勝手なことはいえない(笑)

 

 こう、上下巻ある小説って一日で読まないと気が済まないんだよね。昔『ハリーポッター』が出たときも夜通し読んだりとかしてた

 

 続きが気になるっていうのはあるよね

 

 「群青」シリーズの新作も出てる

 

凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

 

 

 『サクラダリセット』が実写映画化するらしいね

  

 

 『サクラダリセット』もいいよね、同じ作者のね。やっぱりエンタメ系が充実している気がする

 

 竹宮ゆゆこだったり、七月隆文の新刊だったり……

 

 あー竹宮ゆゆこの新刊、いいねえ。

 

 七月隆文も『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、この七五調のタイトル

 

 

 (笑)最近ありがちだよね「昨日の僕と明日の君がなんちゃら」みたいなやつ

 

 明日のナージャとかね

 

 明日のナージャは違うよね(笑)まあ、タイムリープものが流行りなんだよねきっと。竹宮ゆゆこの新刊は買ってもいいかもしれないなあ。あれはどうだった、一個前のやつ

 

 

 『砕け散るところを見せてあげる』あれはすごくよかった。やっぱり『とらドラ』を経てきたものとしてはね、やっぱり楽しいものはある

 

砕け散るところを見せてあげる (新潮文庫nex)

砕け散るところを見せてあげる (新潮文庫nex)

 

 

 

 『とらドラ』は胸がこうぎゅっとされる、その延長線上にあるかもしれないね。というわけでせっかくだから買ってしまおうかな

 

 いいね

 

 じゃあ話題にでた新潮文庫のコーナーへ行ってみようか

 

新潮文庫コーナー】

 

 やっぱり新潮はそろってるね、あらゆる作家が

 

 他のももちろんあるけど、やっぱり文庫といえば新潮

 

 王道だよね

 

 おっ平野啓一郎見て思い出したんだけど、『空白を満たしなさい』が文庫化したから、あれはちょっと買いたい

 

 

 あれはハードカバーでもってるなあ

 

 どうだった?

 

 読んでない(笑)

 

 あるある(笑)

 

 でも平野啓一郎はサークルでも『日蝕』を推してた人がいたので読んでいきたい

 

日蝕・一月物語 (新潮文庫)

日蝕・一月物語 (新潮文庫)

 

 

 『雪の練習生』がある

 

雪の練習生 (新潮文庫)

雪の練習生 (新潮文庫)

 

 

 多和田葉子ね、いいよね

 

 多和田葉子は別の作品を読んでよかったなあ、キューピットの話だったと思うけど……『尼僧とキューピット』かな

 

尼僧とキューピッドの弓 (講談社文庫)
 

 

 『聖女伝説』っていうのを読んですごく面白かった。……『ひかりごけ』とかも気になっちゃうよね、武田泰淳

 

聖女伝説 (ちくま文庫)

聖女伝説 (ちくま文庫)

 

 

 『ひかりごけ』ね、面白いね

 

ひかりごけ (新潮文庫)

ひかりごけ (新潮文庫)

 

 

 そう、木野誠太郎くんといえばぼくの中ではとがった文学を読む人というイメージがあるから、今日はとがったものを……

 

 変なものをね

 

 そう(笑)変なものを紹介していってもらおうと思うんだけど、どう?武田泰淳

 

 武田泰淳はえぐい感じで、『ひかりごけ』ともう一つおっちゃんが表紙の何かを読んだなあ……あと『十三妹』とか気になってる。シスタープリンセスっぽくて

 

十三妹(シイサンメイ) (中公文庫)

十三妹(シイサンメイ) (中公文庫)

 

 

 そ、そうなのかな(笑)

 

 いや、違うけど(笑)

 

 そうね(笑)、好きな作家をあげてください、って言われたら誰をあげる?

 

 文体が特化してる作者が好きなので、舞城王太郎であったり中原昌也佐藤友哉日日日古川日出男、そういう系が好きかな。

 

 なるほど

 

 あと、まだ読んでないんだけど後藤明生はおすすめされているのでぜひ買ってもいいかなという感じがある

 

 後藤明生……、後藤明生ってたぶん講談社文芸文庫とかからしか出てないんだよね

 

 そうそう(笑)

 

 もっと出せよっていう(笑)

 

 『首塚の上のアドバルーン』とかね

 

首塚の上のアドバルーン (講談社文芸文庫)

首塚の上のアドバルーン (講談社文芸文庫)

 

 

 『挟み撃ち』とかね。あとで行ってみようか、金持ちだけが持つことを許される講談社文芸文庫(笑)

 

挾み撃ち (講談社文芸文庫)

挾み撃ち (講談社文芸文庫)

 

 

 もしあったら大江健三郎の『万延元年のフットボール』を買いたいね。ずっと読みたいと思ってた

 

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

 

 

 ああ、持ってるけど読んでない系文学だ……

 

 あと、この『素晴らしいアメリカ野球』は古本で買って読んだな

 

素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫)

素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫)

 

 

 これは高橋源一郎の元ネタだよね。この村上柴田翻訳堂シリーズは結構いいの取り揃えてる感じはあるね。外文はどう?

 

 外文ね、やっぱりブローティガンは好きな作家だよね。最高。『ハンバーガー殺人事件』が読みたいんだけど、あれだけ絶版になってて中古で7、8000円した

 

 

 高い……

 

 それ買ったら10000円終了みたいになっちゃう(笑)あと、この間今更ながらO.ヘンリーを買った

 

 面白いよね。「賢者の贈りもの」とか、空き時間に読めるし

 

賢者の贈りもの: O・ヘンリー傑作選I (新潮文庫)

賢者の贈りもの: O・ヘンリー傑作選I (新潮文庫)

 

 

 外文ねえ、『パルムの僧院』とか面白いって聞くけどどうなんだろう

 

パルムの僧院(上)(新潮文庫)

パルムの僧院(上)(新潮文庫)

 

 

 スタンダール。わたくしごとなんだけど、今ちょうどフランス文学を読んでて、スタンダールも『赤と黒』を買って。まあ、まだ積んでるんだけど(笑)『ボヴァリー夫人』を読んだんですけど、面白くなくて……

 

赤と黒 (上) (新潮文庫)

赤と黒 (上) (新潮文庫)

 

 

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

 

 

 (笑)

 

 ちょっと滞ってる

 

 フランスは映画もそうだけど、優美すぎてテンポが伴わないことあるからね

 

 そうね。じゃあ、話の流れで講談社文芸文庫行ってみようか

 

講談社文芸文庫コーナー】

 

 健三郎めっちゃある。『万延元年のフットボール』は買い。あと蓮實重彦とかも三島賞とったけど読みたいなというのはある。で、後藤さん……

 

 後藤明生……ないね。おいてないね(笑)

 

 まさかの。かなしい

 

 まあ、せっかく10000円というのがあるので、高いのもいっときたいという気持ちもあるなあ

 

 野間宏とか藤枝静男も買いたい

 

 藤枝静男はいいよ。おすすめ

 

 買うかー、といいつつ2冊買ったら3000円くらいになるからねえ……。さっきあげた中で忘れてたけど高橋源一郎もすごい好き。『ゴーストバスターズ』はこっちじゃなくて古本で買っちゃったなあ

 

ゴーストバスターズ 冒険小説 (講談社文芸文庫)

ゴーストバスターズ 冒険小説 (講談社文芸文庫)

 

 

 『ジョンレノン対火星人』読んだけど持ってないから買っちゃおうかな

 

ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

 

 

 いいよね。これは本当に面白かった

 

 時期によって全然作風が違って面白いよね

 

 あとは小島信夫の『うるわしき日々』は面白かった

 

うるわしき日々 (講談社文芸文庫)

うるわしき日々 (講談社文芸文庫)

 

 

 あー『抱擁家族』か『うるわしき日々』のどっちだったかはもってるんだよねえ

 

抱擁家族 (講談社文芸文庫)

抱擁家族 (講談社文芸文庫)

 

 

 あと多和田葉子も、これ読んでないんだよな。買うかな……これすぐ10000円行っちゃうぜ。加藤典洋とか塚本邦雄もあるじゃん

 

 あるねえ……あっ木野くんも10000円分買う感じ?

 

 あっ、そのつもりだった

 

 一応企画としてはぼくが10000円をもって人と本を見に行くという企画なので(笑)今回は木野くんものってくれたので一緒に買っていきましょう。次はどこへ行こうか

 

 そうだねえ、やっぱり河出とか講談社かな

 

 河出ね

 

河出文庫コーナー】

 

 はい、バロウズ。どっち買おうかな

 

 『ジャンキー』と『麻薬書簡』?

 

ジャンキー (河出文庫)

ジャンキー (河出文庫)

 

 

麻薬書簡 再現版 (河出文庫)

麻薬書簡 再現版 (河出文庫)

 

 

 そう、『裸のランチ』はもってるから

 

裸のランチ (河出文庫)

裸のランチ (河出文庫)

 

 

 『麻薬書簡』はぶっとんでて面白かったよ

 

 ブコウスキーの『パルプ』も買ったけどまだ読んでない

 

パルプ (ちくま文庫)

パルプ (ちくま文庫)

 

 

 あ、この前読んだよ。すごかった(笑)誰が何といおうと俺はこの道を行くみたいな強さがあった……おっ『麻薬書簡』買う?じゃあぼくは『ジャンキー』買おう

 

 めっちゃすぐに予算オーバーしそう……

 

 『カンバセイション・ピース

 

 

 あっいいねえ。保坂和志も文章は好きだけど、読んでて日常すぎて辛くなる

 

 そうね、何も悪いことが起きないからね

 

 カレル・チャペック……久生十蘭……

 

 さっき話題に出た『優雅で感傷的な日本野球』もあるね

 

 

 『「悪」と戦う』もある

 

「悪」と戦う (河出文庫)

「悪」と戦う (河出文庫)

 

 

 最高だよね

 

 このタイミングで中上健次に手を出すのもありなのでは……あっ出た『おしかくさま』。高橋源一郎の妻が書いて……

 

おしかくさま (河出文庫)

おしかくさま (河出文庫)

 

 

 話題になったやつか、なんかコネじゃないかみたいな。あったねあったね、もう文庫になってるんだ。んー全部ほしくなってくるなあ

 

 寺山修司とかも戯曲しかもってないからエッセイみたいなものも買ってもいいのかもしれない

 

 そうだね、河出文庫でいったら澁澤龍彦とかがそろってるよね

 

 悩ましいね……

 

 あ、とがってる文学で思い出したんだけど中村文則の『悪意の手記』をおすすめされたからほしいんだ

 

悪意の手記 (新潮文庫)

悪意の手記 (新潮文庫)

 

 

【もう一度新潮文庫コーナーへ】

 

 すぐ10000円いきそう。ああー、筒井康隆もいいなあ。最近なんかとんでもない発想の小説を読むと、筒井康隆がもう書いてるんじゃないかって思ってしまう症候群にかかってる(笑)

 

 銀色夏生もここらへんじゃないかな……あっ

 

 奥泉光……

 

 

 ユーモアミステリ、そうくる?(笑)

 

 そういう方向に行ったのかな(笑)ドラマ化ねらってますみたいな香りが……。そうしなきゃ純文学作家は生き延びていけないのかな……あっちょっとまってサイン本あるじゃん!

 

 おっ

 

 竹宮ゆゆこのサイン本を手に入れました

 

 あー、車谷長吉も読みたいな。ん、もうちょっととがったものを紹介していきたいな

 

 まだ触れてないけど、単行本コーナーというのもあるからね

 

 むしろそこから本番みたいなところがあるからね

 

 ね。銀色夏生はどこにあるんだろう……あ、あった

 

 詩とかも、ポエジーを感じさせる

 

 でも銀色夏生どれがいいかわからないな。でもこんな機会じゃないと買わないだろうから買ってもいいかもな

 

 意外と幻冬舎の本買わないんだよなあ

 

 確かに。森見登美彦がなんか出してなかったっけ

 

 あ、『有頂天家族』は幻冬舎

 

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

 

 

 けっこうあれだね、芸能人の本がある。ナオト・インティライミとか、鳥居みゆきとか。鳥居みゆきの本意外と面白いんだよね。『夜にはずっと深い夜を』しか読んでないんだけど、短編集としてちゃんとできててさすが、みたいな

 

夜にはずっと深い夜を

夜にはずっと深い夜を

 

 

講談社文庫コーナー】

 

 やっぱり講談社といえば『メフィスト』『ファウスト

 

 そうだね。この前講談社タイガから出てる『小説の神様』ってやつを買ったけど、青春小説っぽくてよかった

 

小説の神様 (講談社タイガ)

小説の神様 (講談社タイガ)

 

 

 講談社タイガね。あの、われわれを狙いすましたかのような……(笑)

 

 阿部和重、実は読んだことないんだよね。『アメリカの夜』とか『ニッポニア・ニッポン』が読みたい

 

アメリカの夜 (講談社文庫)

アメリカの夜 (講談社文庫)

 

 

IP/NN 阿部和重傑作集

IP/NN 阿部和重傑作集

 

 

 『アメリカの夜』はいいよ。サブカルがぼこぼこにされる話(笑)

 

 そんな『ポプテピピック』みたいなこといわんでも(笑)

 

 

 『ポプテピピック』(笑)おっ大江健三郎なんかでてんじゃん

 

 なんか最近「最後の小説」あおり多くない?筒井康隆も出してたし

 

晩年様式集 (講談社文庫)

晩年様式集 (講談社文庫)

 

 

 もう書きたくないんじゃない?(笑)

 

 あと歌野晶午面白い。『密室殺人ゲーム王手飛車取り』

 

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

 

 

 あれが一番有名だよね『葉桜の季節に君を想うということ』

 

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

 

 

 よかったね。トリックは、まあ、いえないけど(笑)

 

 あと文学界のアイドル川上未映子さん

 

 阿部和重もいることだし

 

 奥さんね(笑)最近の芥川賞は顔がよくないととれないという説がね。文芸マチズモが渦巻いてるんじゃないか(笑)

 

 (笑)乙一『銃とチョコレート』の文庫化。あと、北山猛邦か。『ダンガンロンパ』で話題になってるけど

 

銃とチョコレート (講談社文庫)

銃とチョコレート (講談社文庫)

 

 

ダンガンロンパ霧切 1 (星海社FICTIONS)

ダンガンロンパ霧切 1 (星海社FICTIONS)

 

 

 あ、これ面白かったよ。『私たちが星座を盗んだ理由』、短編集

 

私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)
 

 

 おっここはやっぱり海音寺潮五郎いくしかない

 

 海音寺潮五郎は別にいいや(笑)

 

 木野誠太郎の名前は海音寺潮五郎からきてるからね

 

 それここで言って文字化すると本当になるからね(笑)

 

 やめよやめよ(笑)なにげに町田康もでてる

 

 町田康、最近猫エッセイみたいなのよく書いてるね。大槻ケンヂみたいな、エッセイ作家の道を歩んでそう

 

 あとこの人ね。木原音瀬っていって、もともとBLレーベルですごく人気のある人で、でも話は結構重くて

 

 (経歴を見ながら)BL界の芥川賞……

 

 収監された人の中で恋愛が起きるみたいな。BLをテーマにしつつもしっかりした感じ

 

 BLって独特の切なさみたいなものがあったりするからね。これちょっと気になるなあ

 

 奥の方もいってみようか

 

 舞城王太郎西尾維新……。『少女不十分』とか文庫になったんだ

 

少女不十分 (講談社文庫)

少女不十分 (講談社文庫)

 

 

 文学テイストあふれている

 

 あふれてたね

 

 そう、『本題』買ったんだよ。文庫化してたから

 

西尾維新対談集 本題 (講談社文庫)

西尾維新対談集 本題 (講談社文庫)

 

 

 あ、ちょっと気になってた。やっぱり西尾維新好きみたいなところあるじゃん

 

 まあ世代やからね

 

 そういえば戯言シリーズOVAになったね。見たい……

 

 見たい、けど完全にファン心理に付け込まれている感がある。なんだかんだ東野圭吾も読んでみたいんだよね。映像化してるしいいかって思ってしまうけど

 

 東野圭吾だったら『パラレルワールド・ラブストーリー』が好きなんだけどな、ここにはないな

 

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

 

 

 あ、めっちゃおすすめされていた『論理爆弾』。やっぱりミステリー買うってときはここにくるよね

 

論理爆弾 (講談社文庫)

論理爆弾 (講談社文庫)

 

 

 そうだね。ミステリー買うときは創元推理か講談社かみたいなところはある

 

 『体育館の殺人』も気になってる

 

体育館の殺人 (創元推理文庫)

体育館の殺人 (創元推理文庫)

 

 

 これ筋肉少女帯の曲みたいな(笑)『デボラ、眠っているのか?』、「香菜、頭をよくしてあげよう」

 

 

き 『ベルカ、吠えないのか?』

 

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

 

 

 (笑)おお、森博嗣コーナーがある。なんだかんだ読んだことないんだよね

 

 結構面白いよ、やっぱり『すべてがFになる』とか

 

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

 

 

 これだけは漫画で読んだな

 

 あとはタイガのシリーズの『彼女は一人で歩くのか?』も面白かった

 

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)
 

 

 シリーズもの……。一個買うと全部そろえたくなっちゃうんだよなあ……

 

 ちょっと別のところ行っちゃうか

 

 じゃあそろそろ単行本コーナーへ行っちゃおうか

 

→次回単行本、ラノベコーナーへ

kamisino.hatenablog.com

『群像70周年記念号』全作レビュー5~悪い仲間~

太宰治から始まった群像全作レビューも、ついに安岡章太郎まできました。

 

群像 2016年 10月号 [雑誌]

群像 2016年 10月号 [雑誌]

 

 

安岡章太郎といえば、1953年~55年にデビューした作家たちを指して言う「第三の新人」のひとりとして知られている作家です。

この「第三の新人」の特徴は、なんといっても「新しさ」です。それまでのいわゆる文学的なテーマや文章とは一線を画した、現代まで連なるモダンさがそこにはあります。

やや長い引用のうえ孫引きになりますが、批評家の服部達はこのように述べています(太字は引用者によります)。

 

同じ三十代でも、いわば優等生に属する連中は、何かをさっさと信じ込むことによって、いちはやく作家として出発した。(中略)残された連中は、いったいどうしたらいいのか。――彼らは逆手を使う以外になかった。外部の世界も、高遠かつ絶対なる思想も、おのれのうちの気分の高揚も信じないこと。おのれが優等生でなく、おのれの自我が平凡であり卑小であることを認めること。しかも、大方の私小説作家のように、深刻ぶった思いつめた顔つきをしないこと。こうした逆手を、一番最初に発見し、それによって(中略)いわば「第三の新人」の原形となった作家は、安岡章太郎だった。

「劣等生・小不具者・そして市民」

 

のちに安岡章太郎はこの「逆手」という部分に対して疑問を呈しますが、ともかく「第三の新人」とはこの小市民的な感覚によって、文学に新しさを獲得します。

 

大久保房男によれば、「山本五十六みたいな大将ではなく、ダメな兵卒を書き、聖母マリアではなく娼婦を書く」のが第三の新人

wikiより

 

というわけです。

この延長線上に石原慎太郎であったり、大江健三郎が出てくるということになります。

 

ぼくは1953年に芥川賞を受賞したこの「悪い仲間」もよいのですが、「ガラスの靴」という短編がとても好きで、よく読み返しています。

比較もどうかと思いますが、まるで村上春樹が書いたかのような瑞々しさのある短編です。おすすめです。

 

ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)

ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)

 

 

さて「悪い仲間」ですが、ここに描かれているのは少年の成長です。不良の皮をかぶっていますが、それをとっぱらえば、そんじょそこらにいる少年の成長物語となんの変りもありません。このあたりがまさに「小市民的」なのだと思います。

 

中学生じみたニキビがひっこみはじめていた」年代の僕はひまつぶしで訪れたフランス語の講習会で、講師を口説こうとして赤恥をかく少年・藤井高麗彦と出会います。帰りの電車で彼と一緒になった「僕」は、藤井から「腐った玉ネギの臭い」を感じて忌避しますが、ひょんなことから彼の家へ遊びに行くこととなります。しかし、その約束を何とはなしに破ってしまった「僕」は藤井につめよられ、とっさに嘘をつきます。

 

不思議なことにその日から、あんなに物凄かった彼の臭気は一向感じられなくなった。

 

「腐った玉ネギの臭い」とは藤井の異質さ、特に負/悪の方向の象徴だと思いますが、嘘をついた「僕」はこの臭いを感じなくなります。すでに悪の世界へ仲間入りをしてしまっているわけです。

その後は一緒に食い逃げをしたり、覗きをしたりと悪さをするようになりますが、ある時「僕」は藤井との間に決定的な差を感じます。それは「童貞と非童貞」という差です。

 

彼は未知の国からやってきた人だった。

 

この歴然とした差異によって、藤井という人間は「僕」にとっての悪のロールモデルとなります。

すっかり彼に魅せられた「僕」は、友人の倉田も悪の世界へ誘います。藤井の真似をして、倉田に対して優位に立とうとします。もともと「僕」が藤井と仲良くなったのも、藤井の「クルト・ワイルってどういう人ですか?」という質問に得意になって答えた、というところがはじまりなので、「僕」は「知っている」ということによってマウントをとることに優越を感じる人間なのだと思います。

でも、これは何も特別なことではないと思います。

たとえばyoutubeのコメント欄なんかを見ていると、マウントをとろうとして必死になっている人がたくさんいるわけで、知っているということで誰かの上に立ちたいと思うのは、いかにも「小市民的」な心の動きであるといえます。

 

真似というのも、赤ちゃんは親の表情・行動を模倣することで成長するわけですし、ここで悪の道にしろ少し「大人」な人間を模倣する「僕」は、第二次性徴の兆しを見せているといってしまうこともできると思います。

煙草を吸っていたり、カラーギャングに入っていたりす同級生や先輩を、怖いと思いながらもすごいと思う感覚は、多くの人がもっているのではないかと思います(ぼくは男なのでわかりませんが、たぶん女性も化粧だとかそういうもので同年代の人間に憧れることはあるのだと思います)。

 

その後「河向う(風俗街?)」で落ち合った倉田と藤井に、「僕」は「仲間」という言葉を使います。文字通り大人となって、藤井と同じ場所にたったというわけです。

藤井は京都へ帰っていきますが、この距離が彼をどんどん悪のカリスマに仕立て上げていきます。欲望は他者の欲望を欲望する、というわけで、倉田と「僕」は藤井の真似に明け暮れます。

 

高麗彦と歩いた路を歩き、高麗彦と行った喫茶店に入り、そして馬跳び遊びのように代わり番に高麗彦になりあった。

 

まるで映画スターか何かのように、藤井に憧れる二人。ついには「家」という場所に居心地の悪さを感じるようになります。

まるっきり不良少年です。

しかし、終わりは唐突に訪れるもので、藤井は京都から「悪い病気に侵されたので郷里の朝鮮へ帰る」という旨の手紙を送ってよこします。

そこで「僕」は同じ結末をたどるのを良しとせず、方向転換を図ります。藤井や、藤井に感化されたままの倉田を「患者」とみなし、治療を施す医師のように振る舞うようになります。

 

イニシァティヴをとる快感から倉田に会うのをたのしみに、めずらしく第一時間目の授業に間に合うように登校した。

 

「悪」を通過点とみなし、今度は「善」の立場に立つことでマウントをとろうとします。これも断るまでもなく、ありがちな心象ということができます。

例えるなら中二病を否定する高二病です。

しかしながら倉田はなかなか姿を見せず、藤井と会っているということが判明し、「僕」は自分の行動を裏切りと感じるようになります。

 

そして知らない路を歩いた。もう何処へ行こうにも行きようがない。

 

藤井になりきって歩いていたころにはあった確かな筋道が、急に宙ぶらりんな状態になります。悪の道へも善の道へもたどり着けない、境界に立たされた「僕」。これを「モラトリアム」と名付けても問題ないと思います。

まとめれば、この小説は、やはりとある少年の成長物語に他ならないのだと思います。

 

……と、ここまで書いておいて、こういう作品ほど図書館に行っていろいろな資料にあたりたくなるのは国文学科卒の因業とでもいえばよいのでしょうか。

ここまでは表の解釈であって、もう一つ、裏側には戦争と日本国という表象がふよふよと浮いています。

 

シナ大陸での事変が日常生活の退屈な一と駒になろうとしているころ

 

から始まり、

 

……その年の冬から、また新しい国々との戦争が始まった。

 

で終わるこの物語には、明らかに日本という国の少なくとも短期的な歴史が、「僕」の成長と重ね合わされています。

そもそも悪のロールモデルこと藤井の名前は「高麗彦」で出身は朝鮮です。「高麗」とは朝鮮のことです。距離が対象への欲望を肥大させるということにおいては、日本と朝鮮の間には大変な距離があります。

残念ながらぼくは日本史に明るくないし、ぼくの家にあるせいぜい日本史の参考書程度では、満州事変から日中戦争にかけての国民感情や朝鮮との関係性は、ほんの薄くしか理解できません。

すぐ図書館に行くことができる大学にいる時代にこれを読みたかった、なんて本編とは全く関係ない感想を抱かせてくれる作品なのでした。