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11月8日のこと

 

疲れると本を買ってしまう。

 

本を買うという行為がひとつの救いになっていて、不健康きわまりない。この前の日曜日は久々に休みだったので、京都の古本屋を回ってきた。

さらさ花遊小路で昼食をとってから、京都市役所横をちょっと北上したところにある10000tアローントコへ行く。『幻視の文学1985』、中井英夫『薔薇への供物』、永井荷風『雨瀟瀟・雪解』を購入した。保坂和志フェアもやっていて気にはなったけれど、いったん見送ることにした。保坂さんは、なんだかんだ読もうと思いつつ読めていない作家の一人。まわりに好きな人が多いけど、まだ僕の中では「顔が村上春樹に似ている人」という認識からそんなに前へは進んでない。『書きあぐねている人のための小説入門』の冒頭だけ読んで、「あ、絶対この人の書く小説は好きだ」と直感はしたので、近いうちに読んでみたいと思う。

 

そのあとは性懲りも無く三条のカフェ・アンデパンダンに行って(ミルクレモネードが本当においしい)、アスタルテ書房へ行く。

アスタルテは5、6年前に一度行って、とても迷った記憶がある。澁澤龍彦をまだ知らない時期だったけれど、あの静かで耽美な雰囲気にはどことなく惹かれるものはあった。大学にいたときも「アスタルテしまるらしいよ」という本当なのかガセなのかわからない知らせはたくさんあったけれど、つい最近、店主が亡くなったというニュースを聞いて、ついに閉店か、と思ったものだった。けれど、お客さんと店番の方の会話を盗み聞きしたところ、まだ続くらしい。うれしい知らせだ。

それからは髪を切り、カラオケに行き、適当な時間に帰宅した。

藤原基央になりたいという野心(忙しくて切れなかっただけ)も社会では許されないので、けっこうばっさりといった。髪の毛がないと不安になるので、慣れるのに時間がかかりそうだ。

なかなか休日らしい休日だったんじゃないかと思う。

 

ちなみに、『幻視の文学1985』で第一回幻想文学新人賞を「少女のための鏖殺作法」で受賞した加藤幹也が、『リテラリーゴシック・イン・ジャパン』の編集をしていた高原英理であること、その奥さんが歌人佐藤弓生であることが芋づる式に判明して、とても面白かった。

 

あまい香のめまいの中の子どもの問い――きんもくせいってどんな惑星?

おびただしい星におびえる子もやがておぼえるだろう目の閉じ方を           佐藤弓生

 

素敵な歌人だと思う。