2015年ベスト(小説・漫画・音楽)

2015年に読んだ本、漫画、聞いた曲のベスト10を書いておこうと思う。

ちなみに漫画と音楽については、刊行・リリースされたのが2015年のものにしぼりました。

 

~BOOK編~

 

『夢屑』島尾敏雄

 

夢屑 (講談社文芸文庫)

夢屑 (講談社文芸文庫)

 

 

夢を主題とした小説は名作ばかりだ。『夢十夜』『冥途』シュルレアリズム、どれもこれも素晴らしい。でも、島尾さんの夢には暴力的な香りが強い。第三の新人とその周辺の作家は、本当に短編が上手。

 

『ひらいて』綿矢りさ

 

ひらいて (新潮文庫)

ひらいて (新潮文庫)

 

 

強烈な自意識だと思った。結局、誰かと一緒にいたいだけなんだ。美雪はある意味で鏡であって、重なり合うことで自己充足へ近づく話とも父権社会への批判とも読めるけれど、やはり僕は百合ソーシャルな青春エンタメとして読みたい。三角関係になった相手を意識するあまり、その相手に対して強い感情を抱いてしまうという構造は、夏目漱石のあの小説とちょっと似ている。ひらいて。何を?こころを。

 

『夢の遠近法』山尾悠子

 

増補 夢の遠近法: 初期作品選 (ちくま文庫)

増補 夢の遠近法: 初期作品選 (ちくま文庫)

 

 

もっと早く読めばよかった。胎児、下半身が異常発達した奇形の女の踊り、夢をくらうバク、天使、「夢の棲む街」をはじめ、日本語で書ける幻想文学の極致だと思う。言葉に酔って、言葉に打ちのめされるというのはなかなかできない体験だ。ボルヘステッド・チャンもそうだけど、無限的な塔というのはそれだけでわくわくさせられる。圧倒的なヴィジョン。

 

『戻り川心中』連城三紀彦

 

戻り川心中 (光文社文庫)

戻り川心中 (光文社文庫)

 

 

「桔梗の宿」を読み終わった瞬間「あああああぁぁぁ」って声が洩れ出た。なんだこの動機。もう何も言葉が出ない。線香花火、花、幼い遊女とこれでもかというほど「儚」要素を詰め込みつつ、薄ら寒さを微塵も感じさせないのは、大正末期~昭和初期というデカダン的時代設定と、何より連城さんの耽美な文章のなせる技だと思う。「戻り川心中」は二転三転する物語。自らを柏木にたとえる行為自体が伏線だとは気付かなかった。外部に物語を設定して、自らをそこに寄せていくのは、芸術家的精神(≒メンヘラ)にありがちなことなので、共感できた。

全体としては「形代」がテーマになっている気がする。

 

『アッシュベイビー』金原ひとみ

 

アッシュベイビー (集英社文庫)

アッシュベイビー (集英社文庫)

 

 

ある意味試金石的な作品だと思う。あえて感性100%の感想を言うとしたら、僕はこの小説が大好きだ。アヤは村野のこと本当は好きじゃないんじゃないか。殺して殺しては、埋めて埋めてに代替できる。拙さや幼さはベイビーなんだから当然。斎藤環も解説で言っていたような気がするけど、かなり記号的な小説で、リアルではないのだけれど、その分思考がそのまま流れてくるような感覚があって、そのドライブ感につれてかれる。希死念慮の根源みたいな作品だった。一方で、やっぱり男は傷つける側なんだと悲しくなる。ファック、ファルス。

 

巨匠とマルガリータブルガーコフ

 

巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)

巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)

 

 

文芸組織議長のベルリオーズと詩人イワンの前に現れた壮麗の黒魔術研究家“W”。神の不在を信じる二人に、Wはイエスとピラトの対話を克明に語る。なんとWはその場面に居合わせたという……。転がる首に降るお札、赤髪の悪魔はモスクワを闊歩し、全裸の美女は男を誘う。窓に…窓に!二本脚でたつ猫に首根っこはひっこ抜かれるわ、テレポーテーションさせるわ、みんな精神病棟に送られるわの大騒ぎ。さあサバトの始まりだ。

ソ連時代とは思えない濃厚なエンタメ成分と笑っていいのかわからないブルガーコフの批判意識。はい、めっちゃ面白いです。あまりの面白さに、後半は動悸を感じながら読んだ。

思想=文学的な位相でも、胸を打つ描写はたくさんあった(文学を破壊したり、社会を批判したり)けれど、それ以上にエンタメ性が強すぎて、漫画のように読むことのできる稀有な世界文学だと思う。悪魔の饗宴、コロヴィエフとベゲモートのジブリ感。頭の中では星野桂とか永井豪とか中村明日美子とかいろんな人の絵柄がぐるぐるしていた。メフィストフェレスに比べれば、ヴォランドは影が薄いけれど、それでも、それゆえに大物っぽさがすさまじい。ピラトも巨匠も悪魔によって救われるのだな。

 

『夜明け前のセレスティーノ』アレナス

 

夜明け前のセレスティーノ (文学の冒険シリーズ)

夜明け前のセレスティーノ (文学の冒険シリーズ)

 

 

どろどろでぐちゃぐちゃな世界がそのまま垂れ流し。アチャスアチャス。殺したがるじいちゃんと死にたがるかあちゃんと役たたずのセレスティーノが死んでた。死んでた。死んでた。とおもったら次の行では生き返ったと思ったらいつの間にか死んでた。怒涛のリフレイン、めくるめく文章形態、突如挿入されるエピグラフ、なにがなんだかよくわかんない未分化な状態が形になって出てきたアチャス。よくわからんけど悲しさだけが疾走しているのである。アチャスアチャスアチャス。

 

『嵐のピクニック』本谷有希

 

嵐のピクニック (講談社文庫)

嵐のピクニック (講談社文庫)

 

 

「やだやだやだやだ。大人になるってほんとにいやだ。仮面をつけたまま苦しんでるあたしに気付いて。こんなのあたしじゃないって、あたしは気付いてる。気付いてしまってる。お願い、見て。子供のときは無限に見えた世界のひろがりは、実は有限でしかないって気付いちゃったの。非日常は、まったく日常に回収されちゃうって気付いちゃったの。おかしい、世界はもっと面白いはずなのに。」のメタモルフォセスじゃないかと思った。短篇としては、「アウトサイド」「マゴッチギャオの夜」「彼女たち」「タイフーン」「How to~」が好き。

 

『いのちの初夜』北条民雄

 

北條民雄 小説随筆書簡集 (講談社文芸文庫)

北條民雄 小説随筆書簡集 (講談社文芸文庫)

 

 

すさまじい作品だった。ハンセン病の病院での話である。正直かなり暗い。けれど、暗い中にも煌々と輝く、かっかと燃える光が見えた。「人間ではありませんよ。生命です。生命そのもの、いのちそのものなんです。僕の言うこと、解ってくれますか、尾田さん。あの人たちの『人間』はもう死んで亡びてしまったんです。ただ、生命だけがびくびくと生きているのです」と形容される患者の描写は、思わず本当かどうかを疑ってしまう。丸尾末広の絵で想像してしまったほどだ。けれど、これが現実なのか。

 

『親しい友人たち』山川方夫

 

 

「夏の葬列」はこれまでに三回読んだけれど、それぞれ印象が違う。今回は「ヒッチコック・マガジン」掲載作とセットになって、連作の一つとして読んだ。すると、エンタメ色が目に付くようになった。純文学作品とセットで読んだときは、繊細さや孤独が目立ったし、教科書掲載作として読むと、戦争の悲惨さ、というようなテーマが浮き彫りになった。不思議な作家だと思う。けれど忘れられずに、なんとなく読んでしまう。ミステリーでもあり、純文学でもあり、ホラーでもあり、ときおりSFでもある作品群は、どれも珠玉だった。「赤い手帖」が好き。

 

~COMIC編~

 

『ヴォイニッチ・ホテル』道満晴明

 

 

ついに完結した。死人がよみがえったり、死体がしゃべったり、殺人、麻薬、悪魔、魔女、なんでもありのごたごた空間。南国のホテルという舞台設定が、とても上手だと思う。様々な事情で訪れる人が、その一期一会のなかで物語を作り上げていく。どうやってまとめるのかと思っていたけど、大団円でよかった。

キャラではスナークがやっぱり光っている。抱かれて、堕胎して、殺す。

エレナの最後のシーンはウェザー・リポートのあれとか『海辺のカフカ』の中田さんを思い出した。

 

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション浅野いにお

 

 

浅野いにおのことを好きっていうのは、なんだかくすぐったい感じがするのであまり言いたくないのだけど、やっぱり好きなものは好き。『うみべの女の子』とか大学のブックカフェで読んでぐああああってなった。

デデデ3巻はいきなりがーんと一撃を食らう。日常はいつでも非日常になりうるということを、痛烈に意識させられる。デデデの世界というのは、それを読んでいる僕たちの世界となにもかわらないのだろう。滝本竜彦と近いものを感じる。背景がリアルに書かれているのも、そういう思想性ゆえだろう。

 

少女終末旅行』つくみず

 

少女終末旅行 2 (BUNCH COMICS)

少女終末旅行 2 (BUNCH COMICS)

 

 

デデデとはまた違った、非日常の中の日常。主人公の二人は無目的だ。「何かをしたい」というきもちがあまりないように見える。ロストテクノロジーの世界を移動すること自体が目的だ。ホイジンガが「遊びは遊び自体が目的化している」と述べたように、二人の旅も、それ自体が目的。だからこそ目に映るものに素直に疑問を抱き、感動する。その無垢な目線は、変な例えだけど世界ウルルン滞在記みたいだ。

ケッテンクラートのトトトトトっていう擬音、すごくかわいい。13話の雨音がとても好き。

 

ダンジョン飯九井諒子

 

 

「この漫画がすごい」にもランクインしていたけれど、やっぱり面白い。2015年はご飯ものがはやっていたけれど、RPGのモンスターを料理しようという発想はあるようでなかった。スライム、薬草、ミミックというお決まりのアイテム・モンスターをどう料理するのか、というのが毎回楽しみだ。

九井さんは短編集もとても面白かったし、ファンタジーの裏側を書く漫画家としてこれからも頑張ってほしい。

 

『ハイキュー』古舘春一

 

ハイキュー!! 19 (ジャンプコミックス)

ハイキュー!! 19 (ジャンプコミックス)

 

 

アイシールド21』とか『ピンポン』とか、アツいスポーツ漫画が好きなのだけれど、これはジャンプ漫画で久しぶりにアツい。僕は及川が好きなので、青葉城西戦は最高だった。負けた側の話もしっかり書いてくれるのは、よい。

白鳥沢があまり強そうに見えないのはどうしてだろう。

 

バーナード嬢曰く。施川ユウキ

 

 

本好きならだいたい一度は思ったことのあるあるあるがたくさん出てくる。2巻の中だったら、「本の薄さを見て谷崎潤一郎の『春琴抄』を読んだら、めちゃくちゃ読みにくかった」というのは、ものすごい身に覚えがある。

絵は、よく言えば味がある絵(悪く言えば……)だけど、神林がだんだんかわいく見えてくるのは作者の思う壺なのかもしれない。

 

『死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々』阿部共実

 

 

長い。通称「死に日々」。阿部共実は『大好きが虫はタダシくんの』から入って、『空灰』『ちーちゃんはちょっと足りない』と読んできたけれど、胸のざわざわ感が癖になる作家だ。小説でいうと藤野可織さんが近いと思う。

2巻では「友達なんかじゃない」と「7759」がすごい。僕も高嶋に大丈夫っていってほしい。「7759」はすごく完成されている。阿部さんのメリーバッドエンドを書く力が遺憾なく発揮されている。

 

『燐寸少女』鈴木小波

 

 

マッチをすれば願いが叶う。オムニバス形式の作品。昔テレビでやっていた『週刊ストーリーランド』に近い雰囲気を感じる。ただで願いが叶うなんてそんなうまい話はない。その裏には残酷な現実が口をあけて待っている。

1巻の「東京タワー」のような手放しで快哉できる作品はないけれど、じんわり来るものが多かった。『ホクサイと飯』も面白かった。あと、絵柄が好き。(ブラックロックシューターの漫画を書いてた)

 

『てるみな』kashimir

 

てるみな 2

てるみな 2

 

 

つげ義春しりあがり寿のような不条理な作風が好きな人はきっと好き。

ネコ耳が生えた女の子が電車に乗ってあばあちゃんのうちをめざす漫画といってしまえば、あまり癖がなさそうに思えるけれど、彼女が旅するのはよくわからない幻想郷。グロテスクであったり、エロティックであったり、ファンタジックであったり、夢が現実化したような世界の中を電車に揺られていく。

不条理ぶらり途中下車の旅

 

『夕方までに帰るよ』宮崎夏次系

 

夕方までに帰るよ (モーニング KC)

夕方までに帰るよ (モーニング KC)

 

 

宮崎夏次系は大好きな漫画家の一人。細い線で、透明感と不穏を兼ね備えたストーリーテリング。日常の絶望と希望のあわいを、体現している。

長編を読むのは初めてだったけれど、かなり胸がいっぱいになった。上質な音楽のアルバムをまるまる聞き終えた後のような気持ちになる。

病んだ人達のなかで、見つける希望。

 

他にはあらゐけいいちの『日常』や中村ゆうひの『週刊少年ガール』が完結した。『日常』、めちゃめちゃ好きだったのでちょっとさみしい。2015年が初出ではないからあげなかったけれど、近藤ようこの『水鏡綺譚』は、幽怪説話漫画で、面白かった。

 

~MUSIC編~

 

でんぱ組.inc『あした地球がこなごなになっても』

 

 

浅野いにおが作詞をするときいて驚いた。確かにでんぱ組と相性はいいとは思う。けれど、あの世界観に曲をつけるのは相当難しいはずだ。浅野いにおが作詞、といえば真っ先に「ソラニン」を思い出すけれど、あれはゴッチが本当にすごい、と思った。期待半分、不安半分で「こなごな」を聞いた。とてもよかった。「明日地球がこなごなになって宇宙のちりになって消えたらオーロラみたいなメイクして最低!ってそう言って死んでやる」という浅野節がメロディックな曲調で歌われる。B面の「アキハバライフ♪」もでんぱ組の原点にもどった名曲。よい一枚だ。(おつかれサマーの方向に行っていたらどうしよう……と思っていた)

 

パスピエ『娑婆ラバ』

 

娑婆ラバ(通常盤)

娑婆ラバ(通常盤)

 

 

今年はパスピエのワンマンをききに行けた。大学からの帰り道、「トロイメライ」をヘビロテしながら歩いていたのがつい最近のようだ。最近のパスピエは「はいからさん」「とおりゃんせ」のラインを突き詰めていて、このアルバムで結集したように思える。ライブでも大胡田さんは着物と狐の仮面をつけていた。「つくり囃子」、いい曲だ。なによりバンドのプレイヤーの技量が高い。「素顔」は「最終電車」のように聞かせるポップソングだ。

 

米津玄師『Bremen』

 

Bremen

Bremen

 

 

前作の「YANKEE」や「diorama」にあった奇妙なシンセ音やダークな歌詞はなりをひそめ、直球な曲が多くなっている。物足りないのはたしかに物足りない。けど、新しい扉が開かれていくのはやっぱり肯定されるべきことだと思う。「メトロノーム」一曲だけでもこのアルバムには価値がある。

「ミラージュソング」もキャスの弾き語りとはだいぶ違っていていい。

 

ぼくのりりっくのぼうよみ『hollow world』

 

hollow world

hollow world

 

 

正直ラップのことはよくわからない。Rage Against The Machineとノリアキくらいしかしらない。でもラップは面白いから好きだ。ぼくのりりっくのぼうよみ、変な名前だ。正直、「あ、また奇をてらったロキノン系バンドだな」と思ったくらいだ。でも、聞いてみて、リリックの心地よさにしびれた。

17歳というのはちょっと信じられない。

 

Shiggy Jr.『サマータイムラブ』

 

サマータイムラブ

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なんていったってシティポップだ。だっさいPVもイケモコの立ち居振る舞いも全部最高。2010年代にこんなにどストレートな楽曲を持ってこられると、どうしたって、好きになってしまう。「神様この時間をずっとずっと止めてほしいのに」。こういう抒情を忘れないで生きてきたい。ほんとに。

 

吉澤嘉代子箒星図鑑』

 

箒星図鑑

箒星図鑑

 

 

たまたまyoutubeで「ケケケ」を聞いて、好きになった。そもそもアルバムのタイトルが「箒星図鑑」「幻倶楽部」「変身少女」「魔女図鑑」だ。塚本邦雄の歌集みたい。歌謡曲のようなメロディで大正・昭和チックな少女をうたう吉澤さんはとても素敵。「未成年の主張」、とてもいい。このアルバムを薦めてくれたフォロワーさんに感謝。

 

血眼『whiteout』

 

whiteout

whiteout

 

 

女性ボーカルが好きなんです。ねごと、チャットモンチー、tricot、GO!GO!7188、SEBASTIAN X、きのこ帝国、みるきーうぇい、絶景クジラ……あげたらきりがない。血眼はまっとうなギターロック。こういう系統の音楽にはどうしても食指が動いてしまう。さわやかなロックチューンっていうのは、絶対に必要だと思う。「涙のブラウニー」が好き。

 

松本隆『風待であひませう』

 

 

星間飛行」を聞いていて、びっくりした。「濃紺の星空に私たち花火みたい」「魂に銀河雪崩てく」「流星にまたがってあなたに急降下」。よくよく聞いていると聞いたことのない日本語の組み合わせがわんさかでてくる。はっぴいえんどが日本のロックを変えたというのが、よくわかる。YUKIの「卒業」カバーがとてもいい。歌詞を見てたら泣きそうになった。

 

大森靖子『マジックミラー』

 

 

曲調はかわったけれど、大森靖子は最初からずっとひとつのことをうたっている気がする。この世界の生きづらさ、音楽の無力さ。無力だからこそうたいつづけるのだ。「どうして女の子がロックをしてはいけないの」というつぶやきが、突き刺さる。

大森靖子といったらメンヘラ力の高い歌詞だとか、奇抜で憑依的なパフォーマンスばっかり目が行きがちだけど、よくよく曲を聞いてみると何よりキャッチーなメロディを作るセンスがずば抜けていることに気付く。

 

カラスは真っ白『ヒアリズム』

 

ヒアリズム

ヒアリズム

 

 

アヴァンポップなロックバンドだ。パスピエと同じで、バンドがものすごく上手。相対性理論やオタク・カルチャーを吸収して唯一なバンドになろうとしている。「ヒズムリアリズム」のようなポップだけでなく「ニュークリアライザー」のような、直球ロックもできる。守備範囲の広いバンドだ。

 

なんだか、女性ボーカルのバンドばっかりになってしまった。今年はバンプの新譜も出るし、どんな曲が出てくるか楽しみ。

 

2016年はいい年になりますように。