0000書店紀行：第一回とがった文学～後編～

前編はこちら↓

kamisino.hatenablog.com

【単行本コーナー：日本文学】

か　とりあえず現代日本文学かな。あっこれがねSFっぽいということで少し話題になってた。川上弘美。

大きな鳥にさらわれないよう

き　川上弘美はちょっとそういうところあるね

か　『蛇を踏む』とか、好きだな

蛇を踏む (文春文庫)

き　女性だと誰かな、本谷有希子とかいいな

か　なかなか文庫落ちしないやつがあるんだよね、えっと、戯曲の『幸せ最高ありがとうマジで！』とか。演劇つながりでいったら松田さんとか

幸せ最高ありがとうマジで!

き　そう、『スタッキング可能』が文庫落ちしてるからちょっとほしいんだよね。出身も同じだしね

スタッキング可能 (河出文庫)

か　京都だもんね。そんで上田誠さんの……

き　ヨーロッパ企画

か　そうそう、ヨーロッパ企画の人だよね。あとは綿矢りさもある

き　あー、最近読んでないなあ。男性の方はどうだろう

か　正直国内の単行本についてはそのうち文庫化するんだよなあってのがある。海外はなかなかしないけど

き　それはある。あ、荻世いをらさん。結構長い間本が出てなくて、2006年に文藝賞とっているんだけど……

公園

か　そういえば最新の文藝賞のも単行本出てたな。帯に「友達が死んで　彼女が死んで」みたいに書いてあって、ああ文藝賞だって思った（笑）……あ、後藤明生コレクションあるよ

青が破れる

き　しかもⅠ（笑）前期のⅠだからたぶん４冊くらい出るね（笑）これはさすがに……。島田雅彦

後藤明生コレクション1 前期I

か　んん、島田雅彦よくわかんないんだよね

き　昔っぽいのかな重たいし

か　記号的っていうのかな……なんというかその時代に生きてなきゃわからない部分もあるのかもしれない

き　このタイミングで福永信を買いたいかもしれない

か　福永信……文庫化しないもんね

き　園子温だ。詩とエッセイ

受け入れない

か　園子温、詩書くんだ

き　確かに映画でもモノローグとかよく使うしね

か　この、このね推され方ちょっと違うと思うんだ。二階堂奥歯をさ、本屋大賞で推すってなんかちがくない？

八本脚の蝶

き　確かに（笑）中田永一とかも気になってるんだよね

私は存在が空気

か　表紙が浅野いにおの時点でずるいんだよなあ（笑）蓮實の『伯爵夫人』もある。これカバーの質感がちょっと違ってて指紋がすごくつくんだよね

伯爵夫人

き　西村賢太ね

か　どれ読んでも同じっていう印象がちょっとある

き　よくわからないところでキレるところ好き（笑）

か　朝吹真理子にひたすら下ネタの話してて、ああこいつはだめだなって思った（笑）

き　福永信、どれにしようかな。『コップとコッペパンとペン』とか

コップとコッペパンとペン

か　短歌の『食器と食パンとペン』みたい

食器と食パンとペン わたしの好きな短歌

き　『一一一一一』とか震災文学でいいのかもしれない

一一一一一（イチイチイチイチイチ）

か　買おうかなあ。河出書房、河出を信じて文庫落ちを待つか……でも2011年に出てて未だに文庫化してないということはしないかな、買います（笑）そういえば木下古栗を忘れてたね

き　古栗ほんとしょうもないからなあ（笑）たまに買うか迷う。『ポジティヴシンキングの末裔』がある

ポジティヴシンキングの末裔 (想像力の文学)

か　なんかゼロ年代批評のタイトルみたい（笑）

き　すげえ読みづらそう（笑）買っても積みそう。短編が欲しかったけどないね。あとはさっき言及できなかったけど古井由吉だとか星野智幸だとか……

か　そういえば星野さん読んだことないなあ、『俺俺』買うかな

俺俺

き　あと前田司郎もよかったよ

か　『夏の水の半魚人』は読んだよ、あれはよかった

夏の水の半魚人

き　あれはいいね。『偉大なる生活の冒険』もよかったよ。場所をとるからか古川日出男が置いてない（笑）

前田司郎 1: 偉大なる生活の冒険ほか (ハヤカワ演劇文庫)

か　山下澄人もよかったよ、『コルバトントリ』とか

コルバトントリ

き　へえ、あ、村上春樹コーナーがある

か　まあ日本がほこる作家だから

き　日本がほこるノーベル賞候補作家だから

か　（笑）

き　じゃあ、海外へ行こうか

【単行本コーナー：海外文学】

か　もう「東欧の」とか見るとほしくなっちゃう（笑）

き　飛浩隆がおすすめしている

か　それ三部作の一つでしょ。まあ、ソローキンみんな好きみたいなところはあるからね

23000: 氷三部作3 (氷三部作 3)

き　面白いからね

か　あっ、『むずかしい年ごろ』これが面白そうなんだ。でも今年はフランス文学しか読まないって決めたからなあ……とかいいつつウンベルト・エーコとかを買っちゃうとか（笑）

むずかしい年ごろ

• 作者: アンナスタロビネツ,沼野恭子,北川和美
• 出版社/メーカー: 河出書房新社
• 発売日: 2016/09/22
• メディア: 単行本
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き　（笑）カルヴィーノとかほしいな

か　『冬の夜ひとりの旅人が』が文庫化したよね。ああ、ほしい。レイナルド・アレナスとかほしい……。とりあえず『夜のみだらな鳥』を早く出せということは言っときたい

冬の夜ひとりの旅人が (白水Uブックス)

世界の文学〈31〉ドノソ／夜のみだらな鳥 (1976年)

き　それね。ずっと出る出る言ってるのに。カルヴィーノそんなにおいてないなあ。ボルヘスとかもいいよね……。アメリカの詩とか、ビートニク世代の

か　ギンズバーグとか？

き　そうそう、原発の話とかしてて面白かった

か　さっき言ってたあれは？『ストーナー』

ストーナー

き　あれ、どこだろうね。おっ、ピンチョン

か　ピンチョン。本棚の飾りピンチョン

き　強そうな本棚を作るためには必要な素材（笑）

か　とりあえず『重力の虹』と『百年の孤独』おいとけば強いからね（笑）

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

き　あったあった『ストーナー』、買おう

か　ビートニクコーナーがあるね

き　ブローティガンとか置いてある

か　正しくはブローティガンってビートニクではないという話だけどね

き　ほしいと思ったら続き物だった（笑）

荒涼天使たち〈1〉

か　『荒涼天使たち』……。いや、見ないぞ、見たら買いたくなってしまう。アンナ・カヴァン、いや、買わないぞ（笑）

き　ジョージ・ソウンダーズも欲しいと思ったけどあんまり置いてないな。『パストラリア』とかほしいんだけど

パストラリア

か　どうしよう短歌コーナーでも行ってみる？

き　いいね

【詩歌コーナー】

か　最近の新鋭短歌シリーズでいったら『瀬戸際レモン』『羽虫群』『永遠でないほうの火』の三つがほしいけど……けどって感じだね

瀬戸際レモン (新鋭短歌シリーズ27)

羽虫群 (新鋭短歌シリーズ26)

永遠でないほうの火 (新鋭短歌シリーズ25)

き　短歌じゃなくて詩だけど、水無田気流とか読みたいな

か　んんー、なさそうだね

き　谷川俊太郎とか

か　谷川俊太郎は間違いないもんね。カニエ・ナハって見るたびにカニエ・ウェストかなってなるんだよな（笑）

用意された食卓

き　（笑）寺山修司俳句全集

寺山修司全歌集 (講談社学術文庫)

寺山修司俳句全集 (寺山修司青春作品集)

か　西東三鬼の句集とかほしいよね

き　いいね。最果タヒ、吉野弘、吉増剛造

か　流行ってるからね。詩も読み始めたらむちゃくちゃあるもんなあ

き　若手の作品があまりないな

か　三角みづ紀とかはあるけど……なかなか選びづらいなあ

き　この辺は語れることがあまりなくてカットされる気がする（笑）

か　まあ（笑）やっぱり文学コーナーやね（笑）

き　岡井隆

か　岡井隆……一回歌会に行ったら、岡井隆が短歌出してて、すげー、生きてるんだやっぱりって思った（笑）

き　（笑）SFとかミステリー行ってみようか

【単行本コーナー：SF・幻想】

き　『サイコブレイカー』（笑）

サイコブレイカー

か　まったく知らないけど

き　タイトルが強い

か　B級映画感がぷんぷん漂ってる（笑）

き　ね（笑）

か　ああー、ここらへんいいねえ幻想文学。このシリーズ『新編日本文学集成』。ほしい……買えない……

新編・日本幻想文学集成 第1巻

き　『バベルの図書館』とかを二冊買って終了とかしたら（笑）

新編バベルの図書館 第1巻

か　いつか、そういうすすめ方をしてくる人もいるかもしれない。そういうのもありだけどね、「安部公房全集の７巻だけ読め！」みたいな（笑）

き　そういえば月村了衛とか読みたい

か　『機龍警察』とか

機龍警察(ハヤカワ文庫JA)

き　そうそう、なんだったかな、導入におすすめされたのがあって

か　あっ、これほしいんだ、「ポーランドのラブクラフト」、グラビンスキ

狂気の巡礼

き　強そう

か　お金が……いけそうだったら買っちゃおうかな

き　どう？

か　うん、無理（笑）

き　（笑）ああ、これだ、『槐』。買っちゃお

槐（エンジュ）

か　あと3000円くらいか、何買おうかな。グラビンスキ……いや、でも……

き　俺はあと1500円くらい。『東亰ザナドゥ』があったらそれを買って終わりにしよう。宣伝のために（笑）

東亰ザナドゥ

か　探しつつちょっと地下へ行ってみようか。そういえばポイントが116万円分当たるとかいうキャンペーンやってて、それで一生分の本が買えるとかいってるけどすぐなくなるよね（笑）

き　そうね（笑）SFの文庫のとことかもちょっとみてこう

【ハヤカワ文庫・創元推理文庫コーナー】

か　『バーナード嬢曰く。』フェアをやってる

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)

き　ブッツァーティ買ったけどまだ読んでない、ここで『ドグラ・マグラ』とか

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

か　ここらへんはもってるなあ。『ド嬢。』アニメの絵柄が違いすぎる（笑）でもこうやってとりあげられて復刊していくのはいいよね

き　『グラン・ヴァカンス』も積んだままだ。『ノノノ・ワールドエンド』やん。どうだった？

グラン・ヴァカンス　廃園の天使?

ノノノ・ワールドエンド (ハヤカワ文庫JA)

か　セカイ系って感じだった。『少女終末旅行』をちょっと思い出した

少女終末旅行　1巻

き　なるほど。『ファンタジスタドールイヴ』

ファンタジスタドール イヴ (ハヤカワ文庫JA)

か　われらの野﨑まど先生。『know』が面白かった。あとは『オーブランの少女』とか話題になってたな

know (ハヤカワ文庫JA)

オーブランの少女 (創元推理文庫)

き　見始めたらいろいろあるね

か　まだまだ触れたい作家はいるけど携帯の電池も切れそうなので地下に行こうか

き　もう1時間半もいるのか

か　いようと思えばいくらでもいられるからね

（エスカレーターで下りながら）

き　読書と言いながら啓蒙書ばっかり紹介するのはどう（笑）

か　成功する90のなんちゃら、みたいな（笑）そういう人がいてもいいかもしれないけど、個人的にはそれに10000円を使いたくない（笑）

【地下１階：マンガ・ライトノベル】

か　ゲームのノベライズはどこらへんだろう。『テイルズオブベルセリア』の攻略本ちょっとほしい

テイルズ オブ ベルセリア 公式コンプリートガイド (BANDAI NAMCO Entertainment Books 55)

き　レーベル的にはここらへんかな

か　ボカロ小説がいっぱいでてるところなんだね

き　あっ、あった

か　おおーすごい

き　宣伝にね

東亰ザナドゥ

か　梅田ジュンク堂の面白いところは、漫画のジャンルとして「サブカル」があるってところなんだよね

き　いいね（笑）

か　あ、『魔法少女育成計画』ちょっと読みたい。あと『ただ、それだけでよかったんです』の人の二作目。一作目よりいいという話がある

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)

ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)

き　一作目はどうだった？

か　読んでない（笑）ラノベは久しく読んでないから……

き　続き物が多いからね、やっぱり

か　『六花の勇者』とかも面白いらしいけど、続き物はどうしてもね、手に取りづらい

六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

き　久弥直樹の新刊もあったな。漫画もいいけど、そうすると際限なくなってしまいそうだから今回はやめとこう（笑）

か　そうだね（笑）

き　この間石川博品を買って読んでるから、ラノベはいいかなという気になっている

メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫DIGITAL)

か　ラノベ界の変人こと石川博品（笑）

き　おっ

か　いいね星海社。上遠野浩平……

き　『ジハード』、乙一の出た賞の最初の受賞者で、歴史ファンタジーを書いていて強いらしい。でもこれぞってのはなかなかないな

ジハード 1 猛き十字のアッカ (星海社文庫)

か　あ、ここここ、サブカルコーナー（笑）

き　浅野いにおの短編買いたかったんだよな

か　浅野いにおは一年に一冊くらいにしとかないと心臓がやられてしまうんだよね（笑）

き　こんな感じかなあ

か　これ、情報量めっちゃ多いんじゃない？（笑）でもやっぱり文学系が多かったかなって感じがあるね

き　そうだね

か　また第二回、第三回とSFとかミステリーが好きな人とくると、また違った感じになるんだろうな

き　あんまりとがったの買えなかったな、後藤明生ほしかった

か　まあだいたい持ってたりするからね（笑）

き　では、これでいきましょう

か　というわけで、第一回10000円で本を買う企画

き　（仮）

か　企画（仮）、おしまいとなります。ゲストは木野誠太郎くんでした、何かコメントを

き　非常に楽しかったです、ありがとうございます。『東亰ザナドゥ』よろしくお願いします

か　買いましょう。以上、ありがとうございました

き　ありがとうございました

（11月23日　於：大阪梅田ジュンク堂）

《今回のお買い上げ本》

かみしの

・町屋良平『青が破れる』

・福永信『一一一一一』

・今村夏子『あひる』

・中村文則『悪意の手記』

・ウィリアム・バロウズ『ジャンキー』

・大江健三郎『晩年様式集』

・星野智幸『俺俺』

・西尾維新対談集『本題』

・竹宮ゆゆこ『あしたはひとりにしてくれ』

・黒石迩守『ヒュレーの海』

・武田泰淳『ひかりごけ』

木野誠太郎

・木野誠太郎『東亰ザナドゥ』

・ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』

・月村了衛『槐』

・大江健三郎『万延元年のフットボール』

・ウィリアム・バロウズ／アレン・ギンズバーグ『麻薬書簡』

・阿部和重『アメリカの夜』

・北山猛邦『私たちが星座を盗んだ理由』

【会計後】

か　あっ……

き　ん？

か　10000円ちょっと越しちゃった……

き　（笑）

to be continued...