君が代は千代に八千代に
今年の新年はよく食べたし、よく飲んだ。
当然のことながら吐いた。
頭は痛いし口の中は臭いし最悪の2014年元旦。
偶然手に取った高橋源一郎『君が代は千代に八千代に』の冒頭の一編「Mama told me」には次のような描写があった。
デブは大きく口を開けた。ケンジのママは指を口に突っこんだ。うめき声があがった。オゲェー。こんな感じの音だ。あるいは、ウォブワーとか。多量の水分を含んだ、さまざま食物と胃の分泌物の混合体が勢いよくママの口から飛び出し、デブの顔めがけて落下した。それはデブの顔を直撃した。デブは口をぱくぱく開け閉めしながら、できるだけ多くをその中にとりいれようとした。
最悪な気分だ。
文章でも現実でもゲロまみれの正月だ。『クワイエットルームにようこそ』もゲロに始まっていたが、こっちの方がいろいろえぐい。
さて、この短編集には様々なビョウキが現れる。スカトロジー、ロリコン、パラノイア、トランスジェンダー、ピグマリオン、身体改造etc。
こいつらは鬼畜です。あんなひどいことを平気でするなんて、完全に気が狂ってます。こんなやつらがいたら世界がおかしくなってしまう。
「鬼畜」より。薄いヴェールを隔てた世界はビョウキに満ちている。
でも、無思想・無宗教が一番ビョウキなんじゃない?
表題作は言っている気がする。
僕はちゃんとクリスマスは楽しんだし、寺巡りは好きだし、八坂神社へ行ったぞ。大丈夫。僕は「普通」の日本人だ。