0000書店紀行:第三回ミステリー~前編~

0000(ゼロヨン)書店紀行とは?

月に一回10000円をもって他者と本屋に行こうという企画です。そこで紹介された本を買ったり、好きな作家の話を聞いたりしながら本屋をぶらぶらします。その月の新刊を見てみたり、ぼくが10000円以上本にお金を使わなくなったり、いいことがたくさんです。

第三回のゲストは京都の街を中心に暗躍するハイパーノベルクリエイターの土屋誠二くん

今回ぶらぶらしたのは前回に引き続き大阪梅田のジュンク堂です。

※あいかわらず本棚を見ながらしゃべっていますので、話がとびとびになります。

 

 

かみしの(以下:か) というわけで10000円をもって本屋に行こう企画が始まりましたが、今回のゲストはハイパーノベルクリエイターの……

 

土屋誠二(以下:つ) その肩書きやばすぎるやろ

 

 土屋誠二くんです

 

 まず飛浩隆、買うんやろ?

 

 そうそう、最近けものフレンズが流行っていて、その関連でね『グラン・ヴァカンス』が挙げられてるから

 

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 あ、『ムジカ・マキーナ』ちょっとチェックしときたい

 

ムジカ・マキーナ (ハヤカワ文庫JA)

ムジカ・マキーナ (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 この人何の人だっけ、『カラマーゾフの妹』だったっけ

 

カラマーゾフの妹 (講談社文庫)

カラマーゾフの妹 (講談社文庫)

 

 

 そうそう、もともと海野十三をがちにしたみたいなSFミステリーを書く編集者なのよ。これあれだよ、海野十三にもある音楽を聞いたら人を支配できるとか、そういうのをミステリーにしたやつらしいよ

 

 へえ、面白そう

 

 あとこれ、さっきからおすすめしてたやつ。『エンジェルメーカー』

 

エンジェルメイカー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

エンジェルメイカー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

 

 おおー……高っ。2800円か……でも気になるなあ。ニック・ハーカウェイ

 

 二年くらい前の注目作やったなあ

 

 時計を修理すると世界が終わる。とりあえず飛浩隆だけ、あれ『グラン・ヴァカンス』って続編もあるんだ

 

 あるね、たぶんこれだけでも完結してると思うけど

 

 じゃあとりあえずこれだけ買っておこう。SFとかどうなん?

 

 がち猟師の野尻抱介さんとか

 

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 狩猟で暮らしてる(笑)

 

 小川一水とか、柴田勝家とか

 

 冲方丁とかか

 

 そうだね、あ、これ面白そうだよね神林長平の『いま集合的無意識を、』

 

いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)

いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 あ、伊藤計劃が話題になった時に出たやつだよね

 

 そう、当てこすりのように出したやつ(笑)『サマー/タイム/トラベラー』ほしいわ

 

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 あーいいねー

 

 最近わりと海外でも時間系青春SFとか復刊してきたよな。ヤングとか

 

 『時をとめた少女』とか出てたね

 

時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF)

時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 あれ超面白そう。ハヤカワJAな、SFは豊富だけどミステリーは少ないんだよな。あ、これおすすめ『さよならアリアドネ

 

さよならアリアドネ (ハヤカワ文庫JA)

さよならアリアドネ (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 それ前気になった

 

 タイムトラベルもので、でも高校生とかじゃなくて夫婦で、『忘念のザムド』の監督。『キングゲイナー』の演出とか。アニメ監督が書いた小説。ライターとか監督とか、小説やってる人以外が書いた小説が気になる

 

 そうね、脚本家とか

 

 これもだいぶ話題になってたね、『あなたのための物語』

 

あなたのための物語

あなたのための物語

 

 

 長谷敏司、『円環少女』の人だよね。短編集は読んだことあるなあ。短編が面白そうだったからこれも読もう、と思ってまだ読んでないパターンのやつだ

 

 

つ 上弦の月を喰べる獅子』とかJAに入るのか

 

上弦の月を喰べる獅子〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

上弦の月を喰べる獅子〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 ああ、夢枕獏

 

 あのさ、これめっちゃ面白くない?フィリップ・K・ディック総選挙の1位『ユービック』だって

 

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

 

 

 総選挙なんてやってるの(笑)

 

 絶対『バーナード嬢曰く。』のせいだって(笑)普通に『ザップ・ガン』読みたいんだけど。「兵器ファッションデザイナーが手掛ける究極兵器ザップガンとは」っていう帯がすごい

 

 

 ゲームにありそうだよね。ディックは何がいいかな、『変種第二号』とか面白かったな

 

 

 おお表紙いいねえ

 

 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の短編バージョンみたいな感じだけどね

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

 

 俺もディック読んでいこう。冒険小説とかを叩き込んだハヤカワNVっていうレーベル

 

 NVって何の略何だろう

 

 ヌーヴェル・バーグ

 

 嘘だ(笑)

 

 (笑)ほとんど冒険小説とか、大人向けのファンタジーとかなんだよな

 

 トレヴェニアンの『シブミ』があるじゃん

 

シブミ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

シブミ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

 

 

 「シブミ」という特殊能力を持っている殺し屋の話(笑)『夢果つる街』とか面白いんだけど廃版になってるんだよな。ハード・ボイルドで『セブン』みたいな内容。トレヴェニアン、ハーバードの教授らしいよ

 

夢果つる街 (角川文庫)

夢果つる街 (角川文庫)

 

 

セブン [DVD]

セブン [DVD]

 

 

 すごいな!

 

 ずっと覆面でやってて……あのさ、こっから一つおすすめがあるんだけど、なんと置いてないという

 

 なんてやつ?

 

 『卵をめぐる祖父の戦争』

 

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

 

 

 おおーチェックしとこう。このギレルモってあのギレルモ?

 

沈黙のエクリプス (上) (ストレイン)

沈黙のエクリプス (上) (ストレイン)

 

 

 違うでしょ……あれ、あのギレルモだ(笑)ああ、原案か。小説書いてたら面白いなって思ったけど。ちなみに『シブミ』の続編をドン・ウィンズロウっていう作家が書きなおすっていうのめっちゃ面白い

 

サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)

サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)

 

 

 『シブミ』ってそんなに影響与える小説だったんだ

 

 マニア人気が高いらしいよ。カルト人気

 

 このシブミは日本の「渋み」なんだよね(笑)

 

 そうそう、この殺し屋は日本の将軍に育てられたから

 

 これさっき言ってなかった?ジョン・ル・カレ

 

 スパイ小説の大御所で、『裏切りのサーカス』の原案とかしてる人でその孫娘が小説家デビューして最近新作を出したんだけど、それを買ってほしい。買ってほしいんだけどそれも置いてない(笑)さて、ハヤカワミステリ文庫

 

裏切りのサーカス スペシャル・プライス [DVD]

裏切りのサーカス スペシャル・プライス [DVD]

 

 

 きたね

 

 本番来たね

 

 (笑)ちなみに好きな作家と言われたら誰をあげる?

 

 チェスタトンかな。今ばんばんチェスタトン。あとアイラ・レヴィン、コリン・デクスターとか。ちょっとかっこつけたけど(笑)あとはディック・フランシス

 

 ディック・フランシス?

 

 デビューから今まで競馬の小説ばっかり書いてる人(笑)もと騎手かなんかで。あとは泡坂妻夫連城三紀彦久生十蘭とか

 

 『新青年』とか『幻影城』系のね

 

 そうそう、海野十三とか麻耶雄嵩とか

 

 ごりごりやね

 

 太宰、安吾、織田作……あと丸谷才一。天才。たまにハヤカワとかであるんだけど、売れなさ過ぎて背表紙がめっちゃすれて図書館みたいになってるやつあるよね

 

 (笑)あるね

 

 そういうやつを「あ、これだ」って言いたいんだけど、そういうのって本当にマニアックなんだよね(笑)

 

 知らないもんね(笑)

 

 何すすめるか考えてこなかったから、適当にしゃべりながらすすめるね。しゃあないけど、ハヤカワに文句あるんだよ。文庫なのに高いんだよ

 

 それはあるね

 

 うーん、とりあえず『ウッドストック行最終バス』かな。多重推理といったら。『毒入りチョコレート事件』を全部モノローグでやってて。なんかポストモダン文学好きの評価も高いっぽいよ

 

ウッドストック行最終バス (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ウッドストック行最終バス (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

毒入りチョコレート事件【新版】 (創元推理文庫)

毒入りチョコレート事件【新版】 (創元推理文庫)

 

 

 まあ『毒入りチョコレート事件』も形式がすごく面白かったもんね。次々と推理していくっていう。舞城王太郎と同じだよね

 

 それを一人でやっているていうメタ感と風景描写すらあいまいにしているのにトリックだけはがちっていう(笑)結果的に俺は何を読んでいたんだってなる

 

 ピーター・ラヴゼイもなんか言ってなかったっけ

 

偽のデュー警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫 91-1)

偽のデュー警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫 91-1)

 

 

 あーラヴゼイ超好きやわー、この人こそね外国の連城っぽいな。文章しっかりしてて、話もよくできつつ、ユーモアも利かせてるから、あれやな、泡坂妻夫連城三紀彦が子供作った感じ(笑)

 

 まじか、めっちゃいいじゃん。ホワイダニットの名手こと連城三紀彦

 

 ホワイダニットといえば連城だもんな。グレアム・グリーンももともと諜報機関の人で、映画の原作とかもやってる

 

 『第三の男』とか有名だよね。グリーンはどれだっけ、『情事の終り』か、これだけ読んだな。講義で遠藤周作の関連でキリスト教文学っていうくくりで

 

第三の男 (ハヤカワepi文庫)

第三の男 (ハヤカワepi文庫)

 

 

情事の終り (新潮文庫)

情事の終り (新潮文庫)

 

 

 なるほど。ケッチャムとかそこらへんの作家ばかり復刊させる文庫がさ、復刊してから1年くらいで廃版にさせるからさ、おすすめしたいやつが置いてない(笑)

 

 ケッチャムは『隣の家の少女』でお腹いっぱいだけどね(笑)

 

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)

 

 

 他の作品もB級スプラッタ映画みたいで面白いらしいよ。この『熊と踊れ』が今年のこのミスで1位とって、ハードボイルドの新人で久しぶりにすごいやつ出てきたって盛り上がってて

 

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

 これ二人で書いてるんだ

 

 これも読んでほしいんだけど、一旦置いとこう

 

 創元推理文庫行ってみようか

 

 あ、『ラブクラフト全集』全部ってのはどう?(笑)

 

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

 

 

 (笑)ちょっと待って(笑)

 

 激アツだけどね(笑)名著といわれている『吸血鬼カーミラ』とかは

 

吸血鬼カーミラ (創元推理文庫 506-1)

吸血鬼カーミラ (創元推理文庫 506-1)

 

 

 ああ、同じ作家の『ドラゴン・ヴォランの部屋』は買ったよ。これを読んでから『カーミラ』読もうかと思って

 

ドラゴン・ヴォランの部屋 (レ・ファニュ傑作選) (創元推理文庫)

ドラゴン・ヴォランの部屋 (レ・ファニュ傑作選) (創元推理文庫)

 

 

 怪奇系おさえていくのいいな。『二十億の針』とか。『寄生獣』の元祖

 

20億の針【新訳版】 (創元SF文庫)

20億の針【新訳版】 (創元SF文庫)

 

 

 

 へえ

 

 自分の中に異星人が住み込んで協力してくれって犯人をつかまえるやつ

 

 ほんとだ。『寄生獣』『ヒドゥン』の元ネタって帯に書いてある

 

 

 『M0』とか『プリティフェイス』の作者が書いてる『KISS×DEATH』って漫画の元ネタでもある

 

 

 

KISS×DEATH 1 (ジャンプコミックス)

KISS×DEATH 1 (ジャンプコミックス)

 

 

 これは創元SFか

 

 売り上げは圧倒的に『星を継ぐもの』が強いらしいよ

 

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 

 

 だろうね。毎回『トリフィド時代』を読もうと思って手に取るんだけど、字がちっちゃいんだ(笑)とりあえず大槻ケンヂの曲だけでいいかなと

 

トリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)

トリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)

 

 

 新版にならないと小っちゃいんだよね……『トレント最後の事件』行こう

 

トレント最後の事件【新版】 (創元推理文庫)

トレント最後の事件【新版】 (創元推理文庫)

 

 

 でたばっかのやつだよね

 

 新訳でね。『容疑者Xの献身』の元ネタみたいな名作古典の

 

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

 

 買ってこう。最近シャーリー・ジャクスンおされてるよね。「くじ」くらいしか読んだことないけど

 

くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

 どういう作家なの?

 

 なんていうか不安定な感じ。ホラーというかミステリーというか、謎がある感じ。短編だし読みやすいよ

 

 ちょ、いいすか。買ってほしいやついいすか、まじで。『黒後家蜘蛛の会

 

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)

 

 

 おお、アシモフ。これって短編?

 

 短編。20ページくらいでショート・ショートも入ってる

 

 これ1だけでいいの?

 

 うん、5も作者が途中で死んじゃってるから、話がしまってるわけじゃない

 

 一話完結ものなんだ

 

 そうそう。基本的に友達のおっさんが何人かで集まって、ゲストを呼んだりして身近な謎を出し合って給仕のおじいちゃんが解くって話なんだけど、これの魅力は本当にトリックがたいしたことない

 

 (笑)

 

 なんなら道間違えてあとで気づくとか、部屋間違えてあとで気づくとかのレベルの話をアシモフがどや顔でやって、あとがきで「僕はミステリが大好きだ。こんなのを考えたんだ」みたいなことをいう

 

 ちょっと裏笑い的なのもあるんだ(笑)

 

 裏笑いもあるし、あとがきのアシモフがかわいいし、あと中毒性がすごい。たいしたことないんだけどずっと読んでたい。あと、謎よりもおっさん同士の会話が面白い(笑)たまに一休さんの頓智みたいなのも出てくる。あとこれがオールタイム海外短編で1位とった

 

 ディクスン・カーの『妖魔の森の家』

 

妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 2 (118‐2))

妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 2 (118‐2))

 

 

 これはすごい。カーの中でもいいカー。2割いいカーで、7割たいしたことないカーで、1割怒りを覚えるカーなんだけど、人によっては5割怒りを覚えるカーなんだけど(笑)これはすさまじいカー

 

 へえ、カーって何が有名?『火刑法廷』とかかな

 

火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)

火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

 『火刑法廷』とか『ユダの窓』とか『三つの棺』とか『皇帝のかぎ煙草入れ』とかが有名なんよ。ただね、そこまで面白くなくて

 

ユダの窓 (創元推理文庫)

ユダの窓 (創元推理文庫)

 

 

三つの棺〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

三つの棺〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)

皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)

 

 

 密室談義があるのはどれだっけ

 

 『三つの棺』。ただあの密室談義ちょっと間違ってるし(笑)『ユダの窓』も当時の家の風習で空気窓みたいなのがあって、それがわかる前提で話が進むのよ。いやわかんないから俺ら

 

 ああ、当時の家の設計が念頭に置かれてるんだ

 

 この問題大きいのよ。テイって作家が『時の娘』って作品を書いてて、時代ミステリーで暴君と呼ばれてた王様が実はそうではなかったっていう話をするんだけど、誰やねんお前ってなるからしっくりこないのよ

 

時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)

時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)

 

 

 海外はそういうのあるよね

 

 ね。クイーンは『ギリシア棺の謎』『オランダ靴の謎』が人気高いし面白い

 

ギリシア棺の謎 (創元推理文庫 104-8)

ギリシア棺の謎 (創元推理文庫 104-8)

 

 

 

 まずは『Xの悲劇』『Yの悲劇』を読みたい、みたいなところあるけどね

 

Xの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

Xの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)

Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)

 

 

 面白いだけど『X』とか『Y』は推理がすごすぎて面白い系だから、一番面白いのがラスト100ページなのよ。だから最初の方がきつすぎて、それ以来クイーンを読まなくなる人が多くて、だったら『オランダ』とかをおすすめする

 

 国名シリーズね、『シャム双子の秘密』とか読んでみたいんだよね

 

シャム双子の秘密 (角川文庫)

シャム双子の秘密 (角川文庫)

 

 

 あ、『湿地』行こうよ。北欧ミステリー大流行で、ハードボイルド系多いんだよ。特に評判がいい

 

湿地 (創元推理文庫)

湿地 (創元推理文庫)

 

 

 北欧はハードボイルド系なんだ

 

 郷愁をかきたてる風景とか、ゴシックな雰囲気とか

 

 あ、途中なんだけどさ、俺、北山猛邦みたいなのが好きなんだけど何かある?世界が終わってるとか奇妙な設定のやつ

 

 あれでしょ、山口雅也、断然この人。そういう設定は元祖も極致もこの人

 

 あああ、『生ける屍の死』ずっと読もうと思ってたんだ

 

生ける屍の死 (創元推理文庫)

生ける屍の死 (創元推理文庫)

 

 

 人が死んだらゾンビになる世界で殺人が起きて……この時点でやばいっしょ

 

 たまらないね、やっぱりメフィスト賞系のへんなのが好きなんだよね

 

 あれでしょ、ひねってるのがいいんだよね

 

 麻耶雄嵩みたいなね

 

 とりあえず別のところもいってみようか、創元推理文庫だけで終わらせること全然できるけど(笑)あの、一応最後に、このエドワード・D・ホックって作家がさ、東西ミステリーとかに入ってなくて注目度が低いんだけど、ユーモアミステリーを書いてる人で、少額のお金をもらって価値のないものをなんでも盗むっていう怪盗の話

 

 

 おおお、いいねえ

 

 で、峰不二子みたいなライバルがいたり、彼女に自分が怪盗だって黙ってるからそれに振り回されつつもしっかり仕事はこなしたり、めっちゃ面白い。『ゴルゴ13』みたいに依頼人が怪盗をはめようとするのよ、そういう時に復讐したりする

 

 チェックしとこう

 

【移動】

 

 これ耳寄りだけどハルキ文庫とか実業之日本社とかで、廃版になってた連城三紀彦の短編が続々復刊されてきてる。この『宵待草夜情』は『戻り川心中』と同じくらいのレベルだと思う

 

【新装版】宵待草夜情 (ハルキ文庫)

【新装版】宵待草夜情 (ハルキ文庫)

 

 

戻り川心中 (光文社文庫)

戻り川心中 (光文社文庫)

 

 

 『戻り川心中』最高だもんな

 

 ハルキ文庫とか見ない人多いから

 

 耳寄り情報として書いておこう。『宵待草夜情』ってタイトルが最高だなあ

 

 この表紙書いてる人も最近画集を出したりしてるし、表紙からして力入れてる

 

 ハルキ文庫って小松左京と詩集くらいしか見るところないって思いがちだもんな

 

 これ、『顔のない肖像画』。実業之日本社は結構ミステリーが多い

 

顔のない肖像画 (実業之日本社文庫)

顔のない肖像画 (実業之日本社文庫)

 

 

 急に出てきたよね。西澤保彦も出してるんだ

 

 池井戸潤のシリーズもここだな。……集英社、珍しくミステリーの賞がないんだよね。作家は『百舌の叫ぶ夜』の逢坂剛とか大沢在昌とかハードボイルド系が多いんだけど

 

百舌の叫ぶ夜 (百舌シリーズ) (集英社文庫)
 

 

 ラノベ系が強いんじゃないかな

 

 スーパーダッシュ文庫とか

 

 ジャンプ経営してるっていうのが強いんだろうな

 

 『ガダラの豚』買っちゃえって言おうと思ったんだけど、一巻がないわ

 

中島らも『ガダラの豚』全3巻セット (集英社文庫)

中島らも『ガダラの豚』全3巻セット (集英社文庫)

 

 

 『ガダラの豚』買いたいな

 

 集英社文庫で一番面白いミステリーは『ガダラの豚』です、それか『白夜行

 

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)

 

 

 やっぱりヘル・ハウスを作ろうとしていた人間としてはね、らもは読んでいかなきゃっていうのがあるよね(笑)

 

 (笑)あとね、東野圭吾のエッセイが『四畳半神話大系』みたいなノリだからエッセイ好きな人おすすめ。あの、東野圭吾のエッセイは大槻ケンヂみたいなノリなので、ベストセラー作家嫌いとか東野圭吾だし、みたいに思ってる人、逆にめっちゃ面白いです

 

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

 

 

 東野圭吾って「○笑」シリーズ、こっちの方に本気出してる説ない?

 

黒笑小説 (集英社文庫)

黒笑小説 (集英社文庫)

 

 

 ナンセンス系ね

 

 笑かしてこようとしてるじゃん

 

 たまに筒井康隆っぽくなるしね。さて、光文社ね、講談社と同じくらいミステリーに力入ってるよ

 

 そうだよね、なかなか一人だと光文社手に取らないから、こういう機会じゃないと

 

 僕はね、光文社が好きで好きで仕方がないね

 

 江戸川乱歩の作品選があるってことくらいしか知らないなあ

 

江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)

江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)

 

 

 さっきハルキ文庫とか実業之日本社とかの話してたけど、連城三紀彦が一番本気出してるの光文社だから

 

 江坂遊って読んだ?

 

花火: ショートショート・セレクションI (光文社文庫)

花火: ショートショート・セレクションI (光文社文庫)

 

 

 読んだよ、星新一の弟子でしょ

 

 そうそう、奇妙な味があって好きなんだよね

 

 この人がアンソロジー組んでる『30の神品』、とてもよかった

 

30の神品 ショートショート傑作選 (扶桑社文庫)

30の神品 ショートショート傑作選 (扶桑社文庫)

 

 

 あれはいいアンソロジーだったね

 

 あと、赤川次郎はショート・ショートめちゃくちゃ面白いから、『三毛猫ホームズ』しか読んでない人にもおすすめ。これね、そんじょそこらのショート・ショート作家より面白いよ。あえて言えば江坂遊より好き

 

招待状: 赤川次郎ショートショート王国 (光文社文庫)

招待状: 赤川次郎ショートショート王国 (光文社文庫)

 

 

 赤川次郎ね、みんなが通ってきた道を通ってないから、ここで読んでみるのもありだな

 

 あと岡本綺堂の『半七捕物帳』はすごい面白いっす

 

半七捕物帳〈1〉 (光文社時代小説文庫)

半七捕物帳〈1〉 (光文社時代小説文庫)

 

 

 岡本綺堂ね、中国の伝記小説を下敷きにした小説集とか面白かった。『影を踏まれた女』とか

 

影を踏まれた女 新装版 怪談コレクション (光文社文庫)

影を踏まれた女 新装版 怪談コレクション (光文社文庫)

 

 

 『奇想、天を動かす』っていう島田荘司の傑作があってね。『占星術殺人事件』はもはや古典だから、『異邦の騎士』かこれの方がいいよ

 

奇想、天を動かす (光文社文庫)

奇想、天を動かす (光文社文庫)

 

 

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)
 

 

異邦の騎士 改訂完全版

異邦の騎士 改訂完全版

 

 

 確かに島田荘司といえば『占星術』みたいなところあるからね

 

 ストーリーがちゃんと面白いのはむしろ『異邦の騎士』だから、『異邦の騎士』を読むつもりで『占星術』読むくらいの気持ちの方がいいと思う。『奇想、天を動かす』は、「あ、俺今ミステリー読んでる」って気持ちになるからいいよ

 

 沼田まほかるとかって読んだことある?

 

 『アミダサマ』だけ

 

アミダサマ (新潮文庫)

アミダサマ (新潮文庫)

 

 

 どんな感じだった?

 

 なんかイヤミスってキャッチコピー付きすぎて絶対に嫌な感じで終わらなきゃいけないっていう謎の縛りをつけられてるみたい(笑)『アミダサマ』は湊かなえとかで感じたことがあるイヤミスの感じを、横溝正史みたいな感じでやるっていう笑う感じの

 

 和の感じなんだ

 

 和テイスト。えっとね、ブックガイドっていろいろあるんだけど、これは「私がミステリーだと思う小説」を集めたガイドで、普通にジェーン・オースティンとか入ってるのよ。女子受けっていうコンセプトで、他にないから面白い

 

 

 面白そうだね

 

 ミステリーファンでも、純文学ファンでも出会わないような本が紹介されてる。で、有名なやつでも、少女漫画みたいな展開、とかイケメンのキャラとか、女子の気持ちをわかってるとかの目線で書いてるから、こういう見方もおもろいわってなる

 

 ブックガイド作るのって難しいもんね、これは面白そうだなあ

 

【移動】

 

 双葉文庫とポプラ文庫はわりと無視するタイプなので……(笑)

 

 (笑)

 

 久住四季さんは電撃出身で、ずっとミステリーを書いてて、魔法が本当にあるという定義の上でのミステリーとかをやってて、『トリックスターズL』っていう作品が成功してる。で、つい最近創元推理から新刊が出た

 

 

 へえ

 

 角川といえば、やっぱり山田風太郎ベストコレクション

 

 いくつか買ったな。『明治断頭台』『妖異金瓶梅』『魔界転生』、あと『太陽黒点』。まだ『太陽黒点』しか読んでないけど、めちゃくちゃ面白かった

 

 

 

 

 

 

 お、じゃあ『忍びの卍』とかいっとく?これ、『甲賀忍法帖』とかのシリーズで、派手なバトルありつつ、エロ忍術ありつつ、なおかつミステリーになるっていう

 

 

 

 あ、面白そう

 

 ミステリーとしても忍法帖としても面白い。ファン人気も高いよ

 

 買っとこうかな

 

 ちなみにこの『夭説太閤記』っていうのは、ロリコンの秀吉が幼女とやりたすぎてやりたすぎて地位を上り詰めてロリとやるっていう糞みたいな小説で俺はめっちゃ好き

 

 

 (笑)山田風太郎って横溝正史みたいな和のミステリーなイメージあるけどさ……

 

 変態よ、変態

 

 心をくすぐってくるところあるよね(笑)

 

 だってあれよ、三十年前の西尾維新

 

 (笑)

 

 西尾維新も30年後くらいにいわれてるかも、「なんか西尾維新てくすぐってくるとこあるよな」(笑)黒川博行とかもね、いいんだけど

 

 最近『破門』がおされてるね

 

破門 (角川文庫)

破門 (角川文庫)

 

 

 直木賞も取ってね、この「疫病神」シリーズは前から話題だったんだけど。もともとは悪徳刑事のシリーズの方が看板だったんだけど、徐々にこっちの評判があがってきたね。角川もミステリー結構あるな

 

 ミステリーってどこも一定数はある印象あるね

 

 小学館とか以外ね(笑)

 

 『ドラえもん』のイメージ

 

 小学館は漫画だよな。買わないと思うけど、ほんとう誰も買わないけど『GOSICK』はね、桜庭で一番面白い(笑)

 

GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

 

 

 (笑)

 

 ミステリーが面白いとかじゃなく、キャラがかわいいのはもちろんいいんだけど、一番は桜庭一樹が本気で書いているというのがいい

 

 桜庭一樹はやっぱりこういう方向性だよね

 

 この方向性の桜庭たんが一番萌えるんだよ。あと『少女キネマ』文庫で出てんじゃん

 

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫)

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫)

 

 

 ほんとだ、単行本で買っちゃったわ

 

 この帯のさ、「Twitterで大絶賛」ってなんかやめてほしいわ(笑)もともとはニトロのライターだよね

 

 『まどマギ』のノベライズかなんかもしてたよね。ニトロは強いね。あ、大槻ケンヂも新刊だしてる、なんか大槻ケンヂっぽくいな

 

魔法少女まどか☆マギカ (上) (星海社文庫)

魔法少女まどか☆マギカ (上) (星海社文庫)

 

 

いつか春の日のどっかの町へ (角川文庫)

いつか春の日のどっかの町へ (角川文庫)

 

 

 装丁、『神様のカルテ』とかの人だね

 

神様のカルテ (小学館文庫)

神様のカルテ (小学館文庫)

 

 

 中村佑介のフォロワーというか。「ハルチカ」シリーズの新刊も出てるんだ

 

ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫)

ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫)

 

 

 「ハルチカ」はあんまり読んだことないな

 

 「ハルチカ」はね、あんまり、こんな(帯の映画化の写真)ラブコメの感じじゃないんだけどな

 

 それおかしいよな、映画の予告見たときに「吹奏楽にかける私たちの青春ラブコメストーリー」みたいな感じだったけど違うよな

 

 ちゃうちゃうちゃうちゃう(笑)もっとどろどろしてる

 

 あ、スルーするところだった、講談社。やっぱ講談社っしょ

 

 これ気になってんだよね。『おそれミミズク』、ホラーボーイ・ミーツ・ガール

 

 

 面白そうやな。京極夏彦の漫画が文庫で出たんだけど、『姑獲鳥の夏』は漫画版の方が俺は面白いと思う

 

姑獲鳥の夏 コミック 1-4巻セット

姑獲鳥の夏 コミック 1-4巻セット

 

 

 へえ、小説の方も面白かったけどな

 

 漫画の方が断然面白いと思った。『魍魎の匣』とかは小説が強いんだけど

 

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

 

 

 これメフィスト賞の中でも変に評価高いんだよね。『死都日本』。ただめちゃくちゃ重そう

 

死都日本 (講談社文庫)

死都日本 (講談社文庫)

 

 

 面白そうだけど、食指が動かなかったんだよね。講談社は……奇抜なやつ多いね

 

 そうね、やっぱり『クロック城』とか舞城王太郎とか西尾維新とかあっこらへんが好きなので、ミステリーでどこにくるかってなったら個人的にはやっぱり講談社なんだよね

 

『クロック城』殺人事件 (講談社文庫)

『クロック城』殺人事件 (講談社文庫)

 

 

 歌野晶午とかもそうだもんね。ちなみに歌野晶午は人にもよるけど『葉桜の季節に君を想うということ』よりも、『密室殺人ゲーム』『世界の終わり、あるいは始まり』のほうが面白いです

 

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

 

 

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

 

 

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

 

 

 そうね、『葉桜』は変なイメージついちゃうよね

 

 あと、海外はディック・フランシス、日本は岡嶋二人が競馬二大ミステリーなんだけど、あくまで個人的には競馬じゃない方が岡嶋二人は面白い。人さらいの岡嶋二人って呼ばれてるんだけど、誘拐ものじゃない方が面白い。『そして扉が閉ざされた』とか『クラインの壺』とか

 

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)

 

 

クラインの壷 (新潮文庫)

クラインの壷 (新潮文庫)

 

 

 『そして扉が閉ざされた』は面白かったな、クローズドサークルものでね。『クラインの壺』も読もうとは思ってたんだけど

 

 『SAO』とかの元ネタだしね

 

ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)

ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)

 

 

 ゲームの中に入る系のね

 

 あ、『盤上の敵』面白いよ

 

盤上の敵 (講談社文庫)

盤上の敵 (講談社文庫)

 

 

 『盤上の夜』ではないんだね

 

盤上の夜 (創元SF文庫)

盤上の夜 (創元SF文庫)

 

 

 (笑)自分の家に犯人が立てこもって、その家の家主が人質を取られてて犯人と交渉する話で、チェスに例えてるのよ。日常の謎をよく書く作家だけど、ばりばりのサスペンス。犯人と丁々発止のやりとりをする

 

 北村薫ね、いろいろ積んでんだよね。『リセット』のシリーズとか、『空飛ぶ馬』シリーズとか

 

リセット (新潮文庫)

リセット (新潮文庫)

 

 

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

 

 

 わりと地味な作家なんだけど、これは派手。売ってなかったけど山口雅也の『キッドピストルズ』とかは変な設定で面白かったな。『コズミック』はパクったなとか思ってるんだけど(笑)

 

 

 

 そのノリでいったら『黒い仏』とかね

 

黒い仏 探偵石動シリーズ (講談社文庫)
 

 

 あれね、面白いね。ミス研で思わず落ちをいったら「それ絶対言わない方がいいですよ」って言われた(笑)

 

 (笑)『どんどん橋落ちた』も新版で出たんだ

 

 

 これなぜかもってる人多いんだよな

 

 読者への挑戦状が入ってるやつだよね

 

 そうそう。なぜか『十角館の殺人』と同じくらいもってる人が多かった。珍しいなと

 

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 

→次回、単行本コーナーへ

 

★第二回0000書店紀行はこちら☆

 

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後編はこちら↓

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桃色の海

僕は毎日街へ出て、かわいいものに出会う。

今日は白い毛をした猫に出会った。歩き回るのに疲れてふと目についた公園で座っていたら、にゃあんと喉を鳴らしながら一匹の子猫が僕のそばに近寄ってきて毛づくろいを始めた。僕は大の愛猫家である。飼われている猫はもちろんのこと、例え野良であったとしても暫く見つめていると、実に様々な表情を見せてくれる。中でも僕はのどかな晴れの日、縁側でごろごろと日向ぼっこをしている猫の、目を細めた幸せそうな顔が一番のお気に入りだ。今、僕の足元に寄ってきた猫も、毛づくろいを終えるとそんな表情をしながら、丸くなって日向ぼっこを始めた。  

その綿毛のようになった猫を見た僕は、発作的に握りつぶしたくなった。僕はかわいいものを見ると握りつぶしたくなるのだ。猫に鰹節、人間にかわいいもの。僕はきっと正常だろう。湧き上がる感情を抑えきれなくなった僕はその白猫を思い切り、ぎゅっと握りつぶしてしまった。次の瞬間ぶよんという心地よい感触と共に猫はいくらか粘性を持った桃色の固体となり、僕の手の中に握られていた。

僕は些細な罪の意識を感じながらもそれを左のポケットに突っ込んで家に帰った。そうしていつものように僕の部屋にその桃色を投げ入れた。何年も前から僕はこの桃色を集めてきた。この桃色はかつて小鳥だったこともあり、ハムスターだったこともあった。今ではそれはちょっとした寝床を作れるほどの量であり、そこに全身を埋めるのが僕の日課になっている。

桃色の寝床はもよもよとした不思議な感触である。匂いはないが、弾力があり、包まれると妙な安心感と性的な高揚感がある。かわいいものを見ると感じる悶え、丁度あれが内からも外からも起こっているような、若しくはジェットコースターで頂上から急降下する時、下腹部に蠢く浮遊感のような、とにかく一度味わえばそれなしでは生きていけないほどの幸福感に包まれるのだ。勿論、生き物を握りつぶして桃色にしてしまうことがよくないことであるとは重々承知である。だが、握りつぶしたいという鬱屈した感情を、握りつぶすこと以外に晴らす術を僕は知らない。だが安心してほしい。僕はまだ人間を握りつぶしたことはないのだ。

次の日も、その次の日も僕は街に出て、かわいいものに出会って、そして握りつぶした。何日も経つと、もよもよの桃色は遂に絨毯になった。毎日歩き疲れて、足が棒になった僕は、すぐに部屋に行き桃色の絨毯に足をうずめる。くすぐったいような、纏わりつくような不思議な感触で、桃色の絨毯は僕の足を包み込み、そして癒してくれた。もしこの桃色で満たされた湯船に浸かったならば、疲れも魂もきっとなくなってしまうに違いない。大量の桃色が僕の全身を包み込むのを想像しながら、僕はどうしてもある不埒なことを考えずにはいられなかった。今僕の足を癒している桃色は、全て小動物の桃色なのだ。もし、もしも人間の桃色を湯船にためられたならば、そこに浸かれたならば。日に日にその淫靡な妄想は膨らんでいく。ねえ、我慢することは健全なのかい。

 

それは小さな、といっても僕とそう年の変わらない女の子だった。ある日公園横の交差点で信号が変わるのを待っていた僕は、彼女に出会った。いや、恐らく彼女は僕を認識していなかっただろう。なぜなら彼女は僕に気付く前に物思わぬ桃色になってしまったのだから。彼女の桃色はハムスターのそれとは比べ物にならないほど柔らかく、大きく、そして幸せであった。彼女は白い服を着ていた、気がする。大きな瞳で、赤が青に変わるのを今か今かと待っていた、気がする。今ではもうどうでもよいことである。

もちろん罪悪感はある、しかし達成感もある。不思議な感覚だよ。恍惚と引け目は、ひょっとしたら同時に訪れるものなのかもしれないね。とにかく彼女は桃色になり、僕の右ポケットにちんまりと納まっている。右ポケットにしたのは、多分彼女への細やかな後ろめたさからであろう。

部屋の前に立つと、僕の心臓は大きく脈打った。胸が高鳴るのは人間の桃色に包まれることへの期待だろうか、それとも彼女への感謝だろうか。わからないまま、僕は部屋に桃色を投げ入れた。  

瞬間、桃色はもりもりと盛り上がり始め、十秒と経たないうちに僕の部屋のドアを壊し、あふれ出てきた。僕は足から腰、腰から首へとせりあがってくる桃色を呆然と見ていた。感じていた、という方が正しいのかもしれない。何故桃色が爆発的に増えたのか全くわからない、桃色がどこまで増えるのかもわからない。しかし今や僕の頭の先まですっぽりと覆った桃色は、僕に痺れるような幸福感をもたらした。息なんてできなくても構わない。もしこのまま桃色が増え続けて世界を覆ってしまっても、皆がこの幸福感を味わうことができるのならば、案外それも悪くないかもしれない。そんなことを考えながら、僕は目を瞑った。

 

2010年『紫』1号より

『群像70周年記念号』全作レビュー7~焔の中~

予定では去年のうちに全部の作品についてレビューし終わるはずだったのですが、そううまくいくはずもなく、まだまだ序盤の『群像10月号』全作レビュー。

 

群像 2016年 10月号 [雑誌]

群像 2016年 10月号 [雑誌]

 

 

今回も前回までの第三の新人ラッシュに引き続き、第三の新人界のエロ枠担当こと吉行淳之介「焔の中」です。

 

P+D BOOKS 焔の中

P+D BOOKS 焔の中

 

 

少しふざけましたが、やはり得意分野というかテーマとしているものというのが文学にはあって、例えば遠藤周作なら宗教だし、庄野潤三なら家族だしといった具合です。

吉行淳之介には花柳小説、いわゆる遊郭を舞台とした小説も多く、そういう枠組みで語られることが多いというわけです。

この「焔の中」は自叙伝的な、そして前々から「第三の新人」の特徴としてあげているような小市民的な作品なのですが、やはりちょっとだけそういう場面があります。

というか、むしろ主題のひとつとして「」との向き合い方というのが書かれているのが、この小説ではないかと思います。

 

まずは物語の作り方として、この小説の最初の一文は次の通りです。

 

瞼の上があかるくて、耳のまわりで音がざわざわ動いているので、厭々ながら思い切って眼をひらいた。

 

少し読み進めると、こうした文章が登場してきます。

 

めずらしく前夜からこの朝にかけて、空襲がなかったのだ。いつもは、耳のまわりでざわざわ動いている音のために眼覚めると、その音は警報のサイレンとか塀の外の舗装道路をあわただしく走る靴の音などであった。

 

つまり、この部分だけでタイトルの「焔」がいったい何のことなのか、というのが説明されることとなります。やはり時代も時代、「焔」とは空襲による炎のことである、というのがここで仄めかされます。

さらにうまいのは、はじめに感じた「音」がいつもとは違って、空襲にまつわる「音」ではないことが示唆されています。つまり、この一日が何か「特別」である、ということが冒頭から暗示されているのです。

実際すぐ後に、

 

若い女中が作ってくれた朝食の、不可思議な旨さ

 

という形で「不可思議」という言葉を持ち出すことで、いつもとは違う特別性を演出しています。やはり平凡な一日よりかは、特別な一日のほうが物語にはなりやすいので、この時点で何か起こるのではないかという予兆を読者に孕ませることになります。

もっといえばこの作りは、静→動の動きをも作りだしているので、読者を引き込む演出としても成功しています。

このあたりは、例えば遠藤周作の『海と毒薬』でも同じ手法が使われているし、ホラー映画なんかでも平凡な日常が最初に描かれることが多いので、なんとなく了承してもらえるのではないかと思います。

 

海と毒薬 (新潮文庫)

海と毒薬 (新潮文庫)

 

 

付け加えてもう一点。なんらかの「音」に目覚めてしまうような、繊細な「心の動き」が主人公に存在していることも、ここで推察することができるようになっています。

この後は、その心の動きが主題として語られていきます。

 

まとめれば、初めの一文に①特別感の演出、②静から動の演出、③主題の表出、④タイトルの説明という4点を詰め込んでいるのです。

すんなり書いているように見えますが、結構作りこまれている感じです。

 

今度は話の主題になりますが、この作品を貫いている主人公の心象は次のようなものです。

 

自分の生が数歩向こうで断ち切られているとあきらめた場合、日常生活の煩わしさのうちの大そう多くの部分を切り捨ててしまうことができる。

 

これは、現代でも処世術として実行している人がいるのではないかと思います。要するに、どうせ死ぬから少しの傷はどうでもいい、というやつです。

現代では、基本的には自発的に死のうとしなければ生きられる世の中ですが、冒頭でも書かれているように時代は第二次世界大戦

 

戦争の終った後の日々の中には、僕はすでに存在していない筈だった。

 

という実感が若者の中に、肉体性を伴って存在している時期です。

とはいえ、これだけだったら戦時中の青年の心の動きを書いているわけで、いわゆる普遍性は得られないということになります。

いかなる状況であれ、やはり描かれる青年の心境は次のようなもの。

 

青春、というか思春期といった方が正確か、ともかくそれはぼくにとっては、明るく美しいものの要素よりも、陰気でべたべたからまりついてくる触手のいっぱい生えた、恥の多い始末に困る要素がはるかに多いものであった。

 

僕はまだ、童貞という濡れたシャツを脱ぐことさえ出来ていなかったのだ。そいつは、青春というべたべたしたシャツのなかでも、もっともねばっこく皮膚に貼りついてくるものだった。

 

前々回の安岡章太郎「悪い仲間」でも出てきましたが、やはり少年と青年をわかつモラトリアムの分水嶺は「童貞」という観念です。

 

kamisino.hatenablog.com

「安い仲間」のときは、あくまでモラトリアムを描く道具の一つでしたが、今回の「焔の中」ではこの童貞、ひいては女性に対する距離感というのが主題となってきます。

モラトリアムを構成するいくつかの心の動きの中で、女性との関係を特に描くあたりが吉行淳之介の面目躍如といったところ。

そういうわけで、「べたべたしたシャツ」のような青春を演出する3人の女性がこの小説には登場します。

 

一人目は、「四国地方の田舎から東京に憧れて出てきた」「漿液の多そうな厚ぼったい手」をした吉行家の女中。

この女中はのちのち物語をすすめるトラブルメーカーとしても活躍します。全編を通してどこかコメディチックな印象を受けるのも彼女のおかげ。

 

二人目は、「派手に見える外貌の内側に古い気質が潜んでい」る美容師の母。

父に死に別れ、未亡人として日々を送っています。

 

三人目は、蓮っ葉な感じのする女友達の友人。

主人公は彼女に対して、性的な欲求を抱く、正しく言えば抱こうとふるまいます。

この少女は、いわゆる恋愛脳のような印象を主人公は受けますが、手を握られると耳朶が真っ赤になってしまうような純情な女の子。

 

この三人に共通しているのが、みんなイメージと実際の差に引き裂かれている点です。

女中は「都会」ぶりたいけれど、「田舎者」を抜け出せないというイメージ。母は「派手」な外見だけれど中身が「古風」であるというイメージ。友人は「蓮っ葉」にふるまうけれど、実際は「純情」であるというイメージ。

二つのイメージの間に彷徨う女性を描くことで、自然と同じく「少年」と「青年」の間を、まさに焔のように揺れ動く主人公という存在を浮かび上がらせることができます。

 

さて、主人公は友人と性交渉しようとしますが、それは女中の「覗き」という行為によって中断されてしまいます。

しらけた主人公が何をしたかといえば、見た目に反して奥手な母親に向けての「性教育」。もちろん実際的な近親相姦ではなく、知識による教育です。

 

ここで明らかになるのは「友人」と「母親」が重ね合わされているということ。つまるところ、この小説は「父親を殺して母親を犯す」類の、あのパターンにのっとったものである、ということができると思います。

それが成長のしるしになる、といういわゆるオイディプス的なあれです。

「童貞」は友人に仮託された母親を抱く、制圧することによって心理的に解消されます。

このあたりは『生き延びるためのラカン』あたりにやさしく書かれているので、説明は省きます。

 

生き延びるためのラカン (ちくま文庫)

生き延びるためのラカン (ちくま文庫)

 

 

こうしてコケティッシュな「聖/性」的なアイコンとして機能する母親や友人と対比されるのが都会に憧れつつどうしようもなく道化となってしまう「俗/生」的な女中。

彼のモラトリアムは、この女中によって阻害され続けていきます。

このように女性キャラに明確な性格をもたせているあたりが、丸谷才一をして「吉行は女性に不感症的」と揶揄されてしまう部分なのかもしれませんが、小説としてはわかりやすくなっていると思います。

 

文学全集を立ちあげる

文学全集を立ちあげる

 

 

物語は進んで終盤、序盤に暗に示しておいた通り、空襲が起こります。静から動への物語の転換です。

けれども、

 

自分の生が数歩向こうで断ち切られているとあきらめた場合、日常生活の煩わしさのうちの大そう多くの部分を切り捨ててしまうことができる。

 

と考えている主人公はどこか冷静。

 

「もう五分だけ、僕はここにいます。どうせ燃えるにしても、ちょっとだけそのときの様子を見ておきたいんだ」

 

と言い放ち、炎に囲まれた家へとどまり、レコードを持ち出します。

これによって能動的な思想の表明、前述の思想にのっとった行動が示されることになります。

つまり「どうせ死ぬ」という思想に動かされて、その裏付けとなるように最終的に「無用の品物」であるレコードを持ち出すことになります。

このシーンは持ち出すものを「本」→「毛布」→「レコード」と悩ませることで、その煩悶に、「どうせ死ぬ」とは言いながらもやはり生を諦めきれない戦中の青年の心の動きが書かれているような気がします。

 

ここで主人公がとどまったのは何のためか。

ひとつは今いったとおりに、自分の思想の強度を高めるための行動として、あえて残ったというのが表の理由として考えられます。

どうせ燃えてしまう家と自らの身体を重ね合わせてみていたのかもしれません。

 

もう一つはもっと形而上的な意味。

「童貞という濡れたシャツ」を乾かすため、というのは少し考えすぎでしょうか。友人と性交渉をもつことができずに中途半端に終わった、モラトリアムからの脱出を、外部の火によって少しでも実行させようという心の動きなのではないでしょうか。

端的に言えば冷えた心を温めるため。

 

最後の場面、唯一残っていた財産も女中の俗な行動によって消失してしまいます。

有用なものは燃えてなくなり、残ったのは無用の品物であるレコードだけ。

この空虚な感じと、結局焔の中にあっても燃やすことのできなかった思春期の湿り気が、一種の諦めのように描かれて、「焔の中」は幕を閉じます。

とはいえ、なんとなくくすっとしてしまうのは女中の道化的なふるまいのおかげ。

最後の最後まで、主人公は「俗」なるものによって、現世的な「生」の世界にとどまることを強要されてしまうのでした。

 

長く続いた男性作家ゾーンも終わり、次は女性作家。

男性作家とはどのように違うのか、というところが見れるのではないかと思います。

出来るだけ早いうちに更新出来たらうれしいです。

同志社短歌3号感想

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朝起きて昨日の日記を書いてからまったく同じ生き方をする/あかみ「どうせそこそこの幸せ」

 

とりたてて斬新な表現があるわけじゃないし、むしろ直球の「あるあるネタ」といってもいいと思うのだけれど、「まったく」という強調の言葉が面白い。

時間帯的には今日の朝方に昨日の日記を書いているわけで、すなわち昨日と今日との橋となる部分、たがとなる部分で「まったく同じ」という呪いがかけられるわけだ。この強い言葉は、きっと無限に続く代わり映えのない日常を生み出す。

この終わらない日常が、「どうせそこそこの幸せ」という諦念的な連作のタイトルと響き合って、なんともいえないやるせなさを感じさせる。

 

 

共食いを許してこうしている間にも海に沈んでいく舟がある/虎瀬千虎「骨と桜桃」

 

虎瀬さんの短歌はどれもよいのだけれど、特に印象に残ったのがこれだった。

基本的に「こうして」というようなあいまいな言葉は使わないほうがいいと短歌では言われがちだけれど、この歌については「共食い」「海に沈む」の語から「こうして」の内容があぶり出しのように浮き上がってくるので、むしろ効果的だと思う。

端的にいえばそうとうにエロいことなのだけれど、言葉によるぼかしによってどこか幻想的な向きさえある。「船」ではなく「舟」なのも、中国の墨絵のような、ぽつねんとした孤独な釣り舟を想起させて、「共」という言葉と響き合ってくる。

 

 

香水をつけあう二人へだたりがふくらむだけのエレベーターで/田島千捺「へだたり」

 

田島さんは、同志社短歌の中でも異彩を放っていて、体温のない映画のような短歌が多い。

香水をつけあう二人のへだたりは横方向/X軸方向へ「ふくらむだけ」という言葉によって無限に広がっていく。しかしながら、舞台はエレベーター。そこは限定された空間である。心象的には無限とも思われる空間の膨張が、機械的なエレベーターによって強制的に限定されるというのは、皮肉的であり、ある種の抑止力にもなっているのかもしれない。

もちろんエレベーターは縦方向/Y軸方向へ動く物体であり、交わらない二人の距離が平行線のような図式になるところも面白さの一つである。

 

 

ネクタイを締めすぎている心地して四条河原町大交差点/森本直樹「ちいさな湖」

 

四条河原町大交差点。南東にはOIOIがあり、北東にはおいしいスイパラの入っているコトクロスがあり、北西にはいつでもコンタクトレンズのチラシを配っている眼鏡屋があり、南西には大丸のある、京都一の大交差点。

とはいえ、所詮は京都一程度だ。渋谷や新宿の交差点に比べたら、なんてことのないでかさだ。けれども、京都で生活し、京都で就職活動をしているものにとっては、あの交差点こそ天下の大交差点なのだ。下の句に「四条河原町大交差点」の漢字の連打を打ち込んだ地点でこの歌は勝ちなのである。

もちろん、その漢字の堅苦しさに加えて、あの交差点の人間の量を容易に想像できる人間にとっては絞め過ぎたネクタイの苦しさが共鳴する。

 

 

でも寂しい ゆるやかに終わる日々のさなかでまた傘を忘れてしまうのでしょう/北なづ菜「お祈りを終えたひとびとのこと」

 

ぼくにはわかる。こういう歌を歌会にもっていくと、たいていの場合「具体的でない」だの「抽象や言葉に溺れている」だの「よくわからない」だのいわれる。ぼくもそうだからだ。でも、それがゆえにぼくはこの歌が大好きだし、わかるといえる。

「でも」技法というのがぼくの中にあって、これはいわゆる「言いさし」の逆で57577という時間軸の「前」に想像の空白を置く技法だ。そう、世の中にはたくさん楽しい瞬間があって、実はきらきらしているんじゃないかと思うときも多い。「でも」寂しさに打ちのめされる刹那はあるのだ。特別なことは何もなくただ終わっていく世界の中で、何度も何度も傘を忘れてしまう。記憶は消失していってしまう。雨から自発的に自分を守る傘を忘れ、庇護される対象となり、自分で自分を守ることを忘れていく。

それが世界、きっとそれが正常な世界なのだ。

 

 

評論

ちょっとピントのずれた評論だったかなと思う。

2号を読んでいないから(読んでいないのにいうのもどうかと思うけれども)「叫び」の定義はわからないけれども、別に桐壺の更衣にかかわらず在原業平だって藤原道綱母だって源実朝だって「叫び」の歌を詠んでいる。

同志社短歌1号に書いた気もするけれど、ぼくはすべての歌は叫びに他ならないと思っているので、いまさら、というところもあったのかもしれない。

ホトトギスと夜、橘などの関係性について具体をあげているのはよいと思うけれど、『俊頼髄脳』他歌論書/論文にすでに嫌というほど取り上げられている題材でもあるので、何か新規性がほしかったかなというところ。

場から個へ、という歌史的な部分よりも、むしろ『古今集』と与謝野鉄幹の類似のあたりが面白かったので、その中継地点の凡例をたくさん調べたら面白いかと思う。

丸谷才一吉本隆明なんかの評論に触れてみたら、より深度が増すかも。

2016年ベスト(小説・漫画・音楽)

2016年も一瞬で過ぎていった。その割にはわりあい劇的な一年で、漢字一文字で表すなら「失」とでもなりそうだ。いろいろなものがどんどん失われていくから、記録として去年に引き続いて2016年に触れたもののベストを書いておこうと思う。

 

【BOOK編】

 

読書メーターによれば、去年は155冊本を読んだということだった。仕事をしていた時は忙しさで読めなかったけれど、やめたらやめたで強い気持ちが消滅してしまって、なかなかたくさん読むのは難しかった。

 

ルネ・ドーマル『類推の山』

 

類推の山 (河出文庫)

類推の山 (河出文庫)

 

 

11月から12月にかけてフランス文学を読んでいこうという気持ちがわいて、いくつか有名なものを読んでいった。専攻が国文学というのもあって、なかなか海外文学を読んでこなかったので、思い切って読んでみようと思った。そこで出会ったシュールでファンタジーな一冊。上智大学短歌会のサイトでも紹介させてもらった、未完にして無限に開かれた物語。

ぼくたちはいつでも類推の山を求めている。あるいは、類推の山の登頂中に違いないのだ。類推の山は、神話の、想像力の、そして平凡な人生という厄介な時間のアレゴリーである。この魔術的で象徴的な小説を読んでいると、なぜだか元気になり、世界が無限に開かれていたころの自分を取り戻すようになる。冒険小説の効用であり、類推の所産なのだろう。オカルティックかつSF的で、とても面白かった。山尾悠子とかテッド・チャンが好きな人は好きかも。

 

村上春樹ノルウェイの森

 

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

 

 

作家によっては「出ている作品を全部読んでしまうのがもったいなくて、あえて読まないままにしている作品」というのがある。この『ノルウェイの森』もそうだった。あまりにも有名すぎて、有名すぎるゆえに読んでこなかった。

鏡みたいな小説だと思う。読みながら、いつの間にかぼくは自分の中に潜っていく感覚を得た。はっきりいって、何回もページを閉じて泣いたし、たまらなくなってベランダに煙草を吸いにいったりもした。他人の物語に交われないというのは、ほとんどの場合自分の問題、自意識の問題なのだと思う。タフに生きなければいけない。死にいつまでも魅入られていてはいけない。だけれども、僕たちは迷子なのだし、死というのはランドマークなのだ。痛い小説だった。死んだ人を思い出しもした。生きるってなんなんだろう。

新刊がそのうち出るということで、とてもとても楽しみにしている。

 

峯田和伸『恋と退屈』

 

恋と退屈  (河出文庫)

恋と退屈 (河出文庫)

 

 

あとで書くけれど、今年はけっこうライブに行った。そのうちの一つに銀杏BOYZの数年ぶりのワンマンライブがあった。確か去年の初めくらいに当時の職場の先輩に『愛地獄』上映会に連れて行ってもらった。いろいろと退職祝い(?)をもらったけれど、これが一番心に残っている。

同じ先輩とワンマンライブに行って、10月にはボロフェスタに行った。職場の人とはほとんど関係は切れてしまったけれど、未だに続いているのは音楽の趣味があったからだ。希死念慮にとらわれていた2015年だったけれど、銀杏BOYZのおかげで、峯田和伸のおかげで、2016年は「生きる」ことへのださいまでの執着をほんの少しだけ取り戻すことができたような気がする。

「薬やったって手首切ったって人を殺したっていいから生きて銀杏BOYZを聞きに来てください」っていった峯田。そういう風に生きたくてそういう風に生きられなかった、丸出しの生き方にあこがれてしまう。ぼくはすごくかっこいいと思う。

 

カミュ『異邦人』

 

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

 

 

これもフランス文学を読もう期間に読んだ本。ずっと前に買ってもってはいたのだけれど、なかなか読んでこなかった。もっと早く読むべきだった。

ぼくは、ぼくのいないところでなされるぼくに関する噂話というのが大嫌いで、それはぼくの行動の集成であって、ぼくの感情の再構成だ。そこにぼくはなくて、ぼくらしきものがある。そうして、そのぼくらしきものは、ぼくらしきものの創造主によって、好きなように扱われる。この小説の裁判というのは、まったくもって人生、社会の純粋化した形であって、規範・自明性への確固たる挑戦でもある。私以外私じゃないの、という圧倒的な隔絶が描かれるとともに、せめて憎悪を向けよというムルソーにすさまじさを感じる。

 

庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』

 

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

 

 

ぼくはときどき悔しい気持ちになる。僕だけが感じていること、僕だけの感性、僕だけの青春。そういうものが他人の筆によって、思っていることそのままに書かれてしまったときに、そういう気持ちは強くなる。お願いだから、僕を一般化しないでくれ。

幼馴染の由美との関係性、すべてが一日の出来事であるという構成、モラトリアム人間がより無垢なもの(=赤頭巾ちゃん)に救われるという構図、どれをとっても素晴らしい。狼に食われて終わりのペロー版ではない、救われて終わる童話を、僕は生きたい。漫画にするなら浅野いにお押見修造系文学。

こんな感想を読書メーターに書いたわけだけれど、これは本当に面白かった。続編の『白鳥の歌なんか聞えない』は、よりキャラが深く描かれていて、これもまたよかった。

 

谷崎潤一郎谷崎潤一郎犯罪小説集』

 

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)

 

 

谷崎もまた「全部読み終えてしまうのがもったいない作家」で、有名なものを読まずに過ごしてきている。今年は『細雪』あたりを読めたらいいな、と思う。

面白さのあまり読み終わると叫んでしまう小説というのがたまにあるのだけど、この短篇集もそういう性質のものだった。

「柳湯の事件」、風呂場に沈む屍体の質感のある描写が気持ち悪く、信用できない語り手ゆえの薄気味悪さもある。「途上」、論理があれよあれよと絡まっていくさまが心地よい。「私」、クリスティよりも先にこれをやっているってすごすぎないですか。解説でも言われているとおり文学における一人称の性質を考えるうえでも見るところのある作品。そして「白昼鬼語」、すごいの一言。江戸川乱歩に影響を与えたのがよくわかる。大満足。

 

山田風太郎太陽黒点

 

 

ぼくは我ながら天邪鬼で、有名な作家はあまり読んでこなかった。だけれど、2016年はメジャーなところにたくさん挑戦してみた。そのうち、特に印象に残ったのが横溝正史山田風太郎。なんでこの二人を避けてきたのか、と過去のぼくを殴ってやりたい。

読み終えて、この小説はもう「太陽黒点」以外にありえないと叫んでしまった。恋は盲目、死にたいという自意識、太陽族というのはもう死語だと思うけどこういう若者というのは絶対に今も存在していて、その自意識を操るという形式もさることながら、すべてが第二次世界大戦の記憶とも重ね合わされて、青春小説であり、ミステリー小説であり、戦争小説であるという三重奏を実現している。これは文学作品だと思う。やるせない。

天皇はお天道様、日章旗太陽族、そこに打たれた黒点

 

池澤夏樹訳『古事記

 

 

古事記については、断片的に読んでいた。けれども、一括で読んだことはなかったので思い切って読んでみた。池澤夏樹の『日本文学全集』シリーズはとてもよいもので、古典観を一変させるエナジーを孕んだ試みだと思う。これは、そんなシリーズの第一巻。

これほど面白い読み物もないんじゃないかと思う。

伊邪那岐伊邪那美の国生みからホノニニギ天孫降臨までの疾走感、ヤマトタケルの悲哀、允恭天皇の血統の濃さ、神話と歴史を往還しながら、混沌はだんだんと収束していく。アマテラスやタケミカヅチオオクニヌシをはじめとする神々のキャラの濃さ、あっさりとした記述には、二次創作を生む隙間がばっちりと存在している。ほとんど漫画のように読める歴史書(仮)なのだ。最後には推古天皇がでてきて、日本史の授業につながっていく。この本は2000年以上の歴史の、はじめの一歩なのだ。

 

バルザックバルザック ポケットマスターピース

 

 

スタンダールフローベールバルザックといわゆる「世界十大小説」を読んできたけれど、中でもバルザックが一番印象深かった。

ゴリオ爺さん」はパリの華やかな社交界の闇、と書くとなんだか薄っぺらくなってしまうけれど、二つの世界の対比には無常を感じた。地獄の沙汰も金次第、という言葉が真に迫る。19世紀フランスの写実的な描写もさることながら、ひとつひとつの物語の緻密さに舌を巻く。

他の収録作品の中ではなんといっても「浮かれ女盛衰記」が面白すぎる。プルーストやワイルドが影響を受けたという人間喜劇きっての悪役、ヴォートラン(ジャック・コラン)のかっこよさが引き立つ。きらびやかな表の社交界と政治の世界を、裏から牛耳ろうとする彼の奸計と人間的魅力には、ぼくも思わず動悸を催してしまった。

一つの短編でこれなのだから、人間喜劇全てを読んだら、物語に圧殺されてしまいそう。

 

諏訪哲史『アサッテの人』

 

アサッテの人 (講談社文庫)

アサッテの人 (講談社文庫)

 

 

大学時代に、「2000年代の芥川賞作品を読もう」という企画をしたことがある。その時、時間がなくて5、6冊読めなかったものがあった。なので、今年思い切って読んでいなかったものを読んでみた。この『アサッテの人』はその一冊。

ほんとうに何の気なしに変顔をしたくなる瞬間がある。あるいは凡庸や平凡が染み込んだ世界、自らの身体から抜け出たいという無意識の表れだったのかもしれない。ぼくはこの小説はとてもしんどかった。自殺しようと思っていた頃の気持ちがそのまま活写されていたからだ。

アサッテの方向へ行こうと思えば思うほど、クラインの壺のように元の場所へ帰って来る。それでも逃げようとする。より範疇が広い観念が、抜け出そうとする観念の外側にいつでも存在する。この小説は一見技巧的な作品に見えるけれど、実は生の叫びそのものなのだと思う。

 

以上の他に印象に残ったものを、名前だけ下に挙げておく。

横溝正史八つ墓村

多和田葉子『聖女伝説』

鈴木いづみ『あたし天使じゃない』

・シェリー『フランケンシュタイン

江坂遊『花火』

・村田紗耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』

・デュマ・フィス『椿姫』

川端康成『みずうみ』

長野まゆみ『少年アリス』

尾崎翠尾崎翠集』

 

 

【COMIC編】

 

一昨年はその年に販売されたもの(つまり2015年に刊行されたもの)でベストを作った。けれど白状してしまうと、去年はあまり漫画の新刊を読まなかった。なので、このベストはほとんどそのまま去年読んだ漫画の列挙だ。

 

樫木祐人『ハクメイとミコチ』

 

 

9センチのこびとの女の子ハクメイとミコチの日常。子供のころ秘密基地を作って遊んだものだけれど、そのときの気持ちがぶわっと蘇る。木の実で作ったご飯がおいしそう。登場するキャラがみんな優しいので、心が荒んだときに読むとほんわかと癒される。ゆっくりみたいなキャラ造形がかわいい。

 

新井英樹『新説・ザ・ワールド・イズ・マイン

 

 

どうして人を殺してはいけないのか。このテーマをもとにひたすら突っ走った怪作。どこかで見た感想だけれど、滝本竜彦だとか佐藤友哉にも通じる熱量で、ぼくは文学だと思った。どんどん神聖化していく「モンちゃん」の暴力に、次第にカタルシスを感じるようになっていく。災害が起こったときの人間模様がかなりリアルで1997年の作品とは思えないほど。

くるり岸田繁も影響を受けた一冊。

 

宮崎駿風の谷のナウシカ

 

 

恥ずかしい話ぼくは映画というものをあまり見なくて、ナウシカも見たことがなかった。衝撃を受けた。まず映画が原作の3分の1くらいを映像化したものでしかないということもだし、なによりその原作のテーマの色濃さにだ。母性の物語だった。映像的なコマ割りや動きのある絵は、さすが宮崎駿といったところ。

 

小山ゆうじろう『とんかつDJあげ太郎』

 

とんかつDJアゲ太郎 9 (ジャンプコミックス)

とんかつDJアゲ太郎 9 (ジャンプコミックス)

 

 

あとで書くけれど、去年はクラブ文化というかHIPHOP文化にどっぷりとはまった一年だった。これまでは何だか不良っぽくて避けていた部分だったけれど、掘れば掘るほど面白い文化だった。

この漫画から漂ってくるサブカル感が好きだし、とんかつとDJが絶妙な具合にミックスされていて上手だった。ギャグも面白い。

 

こうの史代この世界の片隅に

 

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 

 

夕凪の街 桜の国』のアナザーサイドだと思う。原爆投下のシーンのコマ割りを見るだけで、この漫画でこうのさんが何を書きたかったのかというのがよくわかる。腫物のように扱われることで逆に忘れられがちな戦時中の「日常」を書ききった作品。

こうの史代の絵柄そのままに映像化された映画の方も、能年玲奈の演技も相まってかなりよい出来だった。

 

片瀬茶柴『虚構推理』

 

虚構推理(5) (月刊少年マガジンコミックス)

虚構推理(5) (月刊少年マガジンコミックス)

 

 

小説が原作の漫画だけど、これに関しては「死ぬときに未来を告げる」という「件」と「死なない」という「人魚」の能力を混ぜたという一点だけでもう最高。

西尾維新にはまった人間としては、怪異ものは無条件に面白いとなってしまう。ミステリー部分の論理展開も、にやついてしまうくらい面白い。妖怪とか都市伝説だとか、そういうものがどうして伝承していくのかという切り口は民俗学的。

 

平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』

 

 

地下アイドルが刺されるという事件もあったけれど、この漫画はそういうファン心理の明るい一面だと思う。ほんわか百合漫画のようでもあるし、曲がりなりにもアイドルが好きなぼくとしてはわかると思う部分も多い。

アイドルに貢ぐためにジャージで生活しているという主人公には、干物女的な哀愁もある。

 

荒川弘百姓貴族

 

 

つくづく荒川さんの女性とは思えない力強さに感服するばかり。北海道の農業高出身ゆえのパワフルな日常の描写が、ギャグ交じりでなされていて無限に読んでいたくなるような面白さ。

錬金術、生命を作るというところに興味が向いていったのも、たぶん地元で動物や植物の生死に触れあっていたからなのだろうなとなんとなく納得させられた。

 

古谷実ヒミズ

 

ヒミズ コミック 全4巻 完結セット (ヤンマガKC )

ヒミズ コミック 全4巻 完結セット (ヤンマガKC )

 

 

映画の『ヒメアノ~ル』が面白くて、古谷作品をいろいろ読んでいったけれど、その中でも刺さった一冊。どうしようもない閉塞感となんともいえない結末のやりきれなさがたまらない。

こっちの映画はまだ見ていないけれど、評価が高いので近いうちに見てみようと思う。

 

panpanya『動物たち』

 

動物たち

動物たち

 

 

panpanyaの作風はどこか気が抜けていて、強いメッセージ性もなくほんわかと不思議な世界につかることができる。

いろいろな動物たちが出てくるけど、どれもこれもかわいい。なんだかんだでかわいいものは落ち着く。不条理ではあるけれど、嫌な感じがまったくないプレーンな世界に癒される。

 

 

【MUSIC編】

 

去年は時間があるというのもあっていろいろなライブに行った一年だった。

2月 でんぱ組.inc

4月 BUMP OF CHICKEN みるきーうぇい・カヨコ・あいみょん

5月 大森靖子ドレスコーズ

7月 ART-SCHOOL ロックロックこんにちは

8月 銀杏BOYZ

10月 スピッツ ボロフェスタ

11月 大森靖子 理科室コーヒー実験ブレンド

 

それと同時に、たくさんCDを借りて聞いた一年でもあった。特にHIPHOPや洋楽というそれまでは避けてきた音源をたくさん聞いた。『MUSIC MAGAZINE』を読みながら海外のダンズミュージックをディグったり、ジャズやインストにも触れた一年だった。

全体的にいわゆるマスターピースというか、過去の名盤を聞いてきたから新譜はあまり買っていないので、ベストはやっぱり自分の趣味全開のものになった。

 

でんぱ組.inc『WWDBEST』

 

 

いつか書こうと思うのだけれど、ぼくは大げさではなくでんぱ組に命を救われた部分がある。2015年なんてほとんどでんぱ組ばかり聞いていた。「マイナスからのスタート」というキャッチコピーに、AKB系列のフレッシュさとは一線を画した雰囲気。申し訳ないけれどあまりかわいいとは言えないし、年齢も高い。それでもアイドルという厳しい世界に身を投じていく彼女たちにぼくは自己投影していた。

スタンスもさることながら、そもそもでんぱ組は曲がいい。このベスト盤はでんぱ組のおいしいところをフルに味わえる一枚でありながら、一篇の物語でもある。「WWDBEST」はそれまでのMV監督が一堂に会してMVを作り上げている。ぼくは号泣した。

 

BiSH『FAKE METAL JACKET』

 

FAKE METAL JACKET

FAKE METAL JACKET

 

 

はじめにBiSがあった。アイドル界のセックスピストルズ、全裸で森の中を駆けまわったり、汚いことをやらされたりと、およそアイドルらしくないことをしてきたグループ。

そんなBiSから刺激的なパフォーマンス成分を減らした結果何ができたかといえば、ただただかっこいいだけのグループが出来上がってしまった。

松隈ケンタの作るメロコアなサウンドは、BiSよりもBiSHの声にあっているかもしれない。ボロフェスで彼女たちのライブを見たけれど、モッシュが起こっていた。これはパンク・ロックなのだ。

 

欅坂46『世界には愛しかない』

 

世界には愛しかない(通常盤)

世界には愛しかない(通常盤)

 

 

AKB系列に全く興味がなかった。誰がいるのかもよくわからないし、なんだか性欲の匂いが強くて忌避してきたというのもある。

けれど欅坂にはびっくりした。ぼくは叫ぶ人が好きなのだけれど、欅坂は叫んでいた。たとえそれが秋元康の策略であったとしても、撃ち抜かれてしまったから仕方ない。まだ三枚しかシングルが出ていないけれど、早くフルアルバムを出してほしい。

アイドルでいえばおやすみホログラムも新譜を出していたけれど、コンセプトが定まって心地よい一枚だった。

 

MOROHA『MOROHA III』

 

MOROHA III

MOROHA III

 

 

HIPHOPは広すぎて、特化しないと追うのが大変。去年はキングギドラだとかエミネムだとか定番中の定番を聞いていったので、あまり最新のものに触れることはできなかったのだけれど、なんとなく自分の趣味はわかってきた。志人だったり不可思議/wonderboyだったりTHA BLUE HERBだったり、ポエトリーリーディング風というか、あまりギャングスタではないのが好きっぽい。

MOROHAはアコギの音に乗せてMCのアフロが言葉を吐く。熱量がすごい。これもボロフェスでライブを見たのだけれど、自然と内側から涙が出てきた。

 

大森靖子『非国民的ヒーロー』

 

非国民的ヒーロー

非国民的ヒーロー

 

 

大森靖子神聖かまってちゃんのの子と組んで作った一枚。ゆるめるモのあのちゃんだったり生ハムと焼うどんだったり、志磨遼平だったりというメンツと組んでくれる大森靖子は本当に趣味ど真ん中。

彼女は立ち居振る舞いも楽曲もパンク・ロックだ。中心にあるのは「愛」で、愛に疾走している。しかもその愛は、いわゆる異性に対する愛ではなくて、音楽やかわいさに対する愛だ。冗談抜きに2010年代のアイコンだと思う。これからも突っ走ってほしい。

 

DAOKO『もしも僕らがGAMEの主役で』

 

 

フィメールラップが流行っている。水曜日のカンパネラだとか泉まくらだとか。ぼくは女性ボーカルのバンドが好きなので、ここらへんもよく聞くけれど、DAOKOはポップに突き抜けてよいと思う。

TeddyLoidと組んだ「ダイスキ」なんて最高。FSDでちゃんみなが同じトラックでラップしていたけれど、ぼくはやっぱりこっちの方が好き。

 

みるきーうぇい『大人になるのはもうやめだ』

 

大人になるのはもうやめだ

大人になるのはもうやめだ

 

 

やっと全国流通盤が出た。「カセットテープとカッターナイフ」を聞いて以来ずっと追ってきたバンドだった。恥ずかしいくらいに青春を歌ったバンド。「僕の音楽を壊すくらいなら死んだほうがまし」なんて言えてしまえるバンド。ダサいかもしれないけれど、ぼくはこういうことをいえなくなってしまったら生きてる意味なんてないと思うし、それでいいと思う。

 

忘れらんねえよ『俺よ届け』

 

俺よ届け(初回盤)(CD+DVD)

俺よ届け(初回盤)(CD+DVD)

 

 

つくづく青春に飢えているなと思う。こういう子供のまま大人になってしまった、どこか切なさのあるバンドが大好き(銀杏BOYZだとかフラワーカンパニーズだとかサンボマスターだとか)。

やっぱりボロフェスの話になるんだけれど、MOROHAのライブのときにボーカルの柴田さんが隣にいた。酒でどろどろになりながら、一心に頭を振っていた。ぼくは「そうだよな」と思って、ぼくもずっとこうでいたいと彼の隣で頭をふったのだった。

 

amazarashi『世界収束二一一六

 

世界収束二一一六(初回生産限定盤A)(DVD付)

世界収束二一一六(初回生産限定盤A)(DVD付)

 

 

amazarashiの歌う終わってしまってる田舎の情景だとか閉塞してる自意識がはまる時期っていうのはかなりあって、長野に帰省してる間はずっとこれを聞いていた。

「タクシードライバー」の中の「青い青空が青過ぎてもはや黒で」なんてリリックに思わず首肯してしまう。ラップに触れ始めたから初めて意識したけれど、amazarashiもポエトリーリーディングっぽいよなと思う。

 

スピッツ『醒めない』

 

醒めない(通常盤)

醒めない(通常盤)

 

 

スピッツの歌詞っていうのは読めば読むほど、文学的だなと思う。結構難解なことをいっているのだけれどポップになりうるというのはすごいと思う。セックスと死しか歌わないと草野マサムネが言っているように、彼の歌詞空間はなかなかパンクだ。

京都駅で「えにし」を聞いて号泣したぼくは、今回の「子グマ!子グマ!」でもはちゃめちゃに泣いた。

 

 

今年はどんなものに出会えるだろう。

2015年はこちら↓↓

kamisino.hatenablog.com

0000書店紀行:第二回エンタメ焼き畑~後編~

前編はこちら↓

kamisino.hatenablog.com

 

【単行本コーナー】

 

 ここらへんはぽわぽわの女の子が読むやつだ

 

 ぽわぽわの女の子(笑)日本文学コーナーだね

 

 米澤穂信の最新作どこだろう、あ、あったわ

 

いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても

 

 

 しかもサイン本

 

 サイン本じゃん、サイン本じゃん!なんだよサイン本じゃねえかよ

 

 読みたいな、でもシリーズ『氷菓』しか読んでないからなあ

 

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

 

 

 貸そうか?貸そうか?たぶんブックオフいったらそろうでしょ

 

 うん、そうなんだけど、ブックオフ大阪にないんだよね

 

 え?京都あんなにあるのに?

 

 なんでだろうね……。これはホラーっぽいらしいね、森見登美彦の新作

 

夜行

夜行

 

 

 そうなんだ。最近ブックオフで古着売り始めたよ

 

 古着?誰がブックオフで古着を買うねん(笑)

 

 すごいことになってる(笑)これ気になってたな『掟上今日子の備忘録』。あとこれ、『レッドドラゴン

 

掟上今日子の備忘録

掟上今日子の備忘録

 

 

 

 へえ

 

 TRPGなんだけどすごく面白かった。メタフィクションの逆っていうのかな、それがすごく衝撃的で。要するに、この中ではファンタジー世界が続くんだけど、それは全部演技なんだよね。その演者が「あー疲れた」みたいなことをいうのも、幕間でちゃんと入ってて。メタフィクションっていうのは、フィクションに主軸があって、そこから外を見てるわけじゃん

 

 そうだね

 

 これは逆なんだよね。外の世界の人たちが、キャラになりきるっていうのを外から見てるから、新しくて

 

 確かにそういうのって小説ではあまり見ないよね

 

 メタフィクションがフィクションを壊すものなのに対して、これはメタに視点を置くことでフィクションを守ってるんだよ。フィクションだってわかった上で守ってる感じがしてて、メンバーがいいんです

 

 あー……。虚淵玄紅玉いづき奈須きのこ成田良悟、すごいメンツだね(笑)

 

 三田誠さんがゲームマスターなんだけど、この人はロードス島戦記とかやってた老舗のTRPGグループのメンバーで重鎮らしいんですよ

 

 

 ほんとに豪華なメンバーだなあ

 

 ダメージ判定とかがすごくて、異常な労力をかけてていちいちジュール換算とかをしてるんだよ(笑)で、ダメージも部位ごとにあって、右腕を捨てて生き残るみたいなことができる

 

 戦略性が広いんだね

 

 そう、それで詳しくは言えないんだけど虚淵玄が途中でしっちゃかめっちゃかにするんだよ(笑)

 

 さすが虚淵(笑)

 

 これもネットで出てるからぜひ

 

 これ、なんか面白そうだな。なんだこれ

 

 これ面白かったよ、『ランボー怒りの改新』。森見登美彦みたいな文体で奈良のことを書いてるんだけど

 

ランボー怒りの改新 (星海社FICTIONS)

ランボー怒りの改新 (星海社FICTIONS)

 

 

 これも星海社なんだ

 

 めちゃくちゃな世界観なんだよ。ネットで、星海社ウォッチャーの僕の中では話題になってたので買って読んだんだけど、面白かった。これもフィクションを大事にしてた

 

 これは面白そうだな、まったくチェックしてなかった……。海外文学はあんまり読まない?

 

 そうだね、『地球の長い午後』を最近読んだくらいだなあ。世界観を楽しむ小説なんだろうと思った。ミステリーで行くとエラリー・クイーンの『エジプト十字架の謎』、あれはよかった

 

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

 

 

 

 クイーンなあ、読んでないんだよなあ

 

 クイーンは全部面白いんだろうなっていうのが一冊読んでわかる面白さだった。あとはルパンシリーズもよく読んだな

 

([る]1-1)奇巌城 怪盗ルパン全集シリーズ(1) (ポプラ文庫クラシック)

([る]1-1)奇巌城 怪盗ルパン全集シリーズ(1) (ポプラ文庫クラシック)

 

 

 ルパン派だったんだね

 

 ここはハルキ・ムラカミか。読んだことないんだよね

 

 面白いよ

 

 文学に触れてこなかったからね

 

 だからここらへん(現代文学コーナー)とかはほとんど手付かずなんじゃない

 

 わからないわからない。『苦役列車』しかわからない

 

苦役列車 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)

 

 

 (笑)西村賢太面白いからね

 

 面白い人は読んでる(笑)あと『告白』は面白かった。あれもオールタイムベストに入れるくらいの作品だな

 

告白 (中公文庫)

告白 (中公文庫)

 

 

 あれはすごいね、地の文で笑わせてくるからね

 

 あ、戌井昭人いとうせいこうと一緒にコントやってたんだよ。シティーボーイズのコントに一緒に出てて、ちょうどその時期に『想像ラジオ』が刊行されてて、『まずいスープ』も刊行されてて、物販で売ってたんだよ

 

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

 

まずいスープ (新潮文庫)

まずいスープ (新潮文庫)

 

 

 はいはい

 

 そのあと二人とも芥川賞候補になって、すごい舞台見たなと(笑)その公演見に行ったんだよ。しかも演出が宮沢章夫だったから文士劇じゃないかという

 

 いとうせいこう宮沢章夫戌井昭人、濃いな(笑)

 

 最後の舞台挨拶でいってたよ、「これはコントだけど文士劇だ」って(笑)

 

 戌井昭人は結構面白いよね。『すっぽん心中』とかよかった

 

すっぽん心中

すっぽん心中

 

 

 『まずいスープ』はよくわからなかった

 

 あれは変な人図鑑って感じだったね(笑)

 

 僕は『想像ラジオ』が好きです

 

 あれはいいね

 

 『鼻に挟み撃ち』もよかった。僕はいとうせいこうウォッチャーなので、これはいとうせいこうの本当のエピソードが書かれてるんですよ。ある公演でいとうせいこうパニック障害を患いながらも全ステージちゃんと出て、ほとんど狂人みたいな目で突っ込んでたっていう

 

鼻に挟み撃ち 他三編

鼻に挟み撃ち 他三編

 

 

 (笑)

 

 舞台袖に引っ込むとそこには畳一畳分の布団が敷いてあって、頭まで布団をかぶった状態でダメ出しをするっていう

 

 そんな人が今はテレビに出て、フリースタイルの審査をしてるわけですよ(笑)戌井昭人はこういう売り方をするようになったんだね、「芥川賞五回落選!」

 

 まあ、落選が似合う人ではありますよね(笑)書いてる内容的にもなんか

 

 わからないでもないな、ちょっと新刊コーナーもう一回行っていい?ちょっと気になったのがあって、さっき言った稲垣足穂チェスタトンの新刊

 

 

 

 知らないなあ

 

 ブラウン神父っていうホームズと二大巨頭扱いされてるシリーズがあるんだけど、そのシリーズの作者の短編集なの。うーん、足穂はステイしとこうかな

 

 『ノックスマシン』にブラウン神父の相方は出てましたっけ?

 

ノックス・マシン (角川文庫)

ノックス・マシン (角川文庫)

 

 

 出てたかな、覚えてないな(笑)お、カズレーサーのおすすめ本。

 

 この企画は……

 

 又吉が10000円で買った本。同じことやってるね(笑)ぼく、又吉と趣味があうんだよね

 

 太田克史佐藤友哉にも同じことしてたよね。上京してきた佐藤友哉の財布から太田克史が金を抜き取って、「お前に読むべき本を買ってやるよ」っていって、「でもこういうのは自分の金で買わなきゃだめだから」って(笑)

 

 まあ、おかげで佐藤友哉ははねたから(笑)

 

 このエピソード好きなんですよ。北海道の空港で『クリスマス・テロル』の原稿を投げ捨てた話と同じくらい好きだよ

 

クリスマス・テロル<invisible×inventor> (講談社文庫)

クリスマス・テロル<invisible×inventor> (講談社文庫)

 

 

 (笑)星海社は文化系DQNって感じがあるからね

 

 どブラックだしね。徹夜も厭わない。でも大きい動きは作れなかった感じはあるね、漫画と新書ははねたけど。『江戸しぐさの正体』とか

 

江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)
 

 

 漫画は?

 

 「ツイ4」がはねてる。あれは星海社が運営してるんだけど

 

 『トモちゃんは女の子』とかそうなんだ。じゃあ、ぼちぼち絵本コーナーに行こうか

 

トモちゃんは女の子!(1) (星海社COMICS)

トモちゃんは女の子!(1) (星海社COMICS)

 

 

 【絵本コーナー】

 

 うわ、懐かしい。幼稚園児のころだよね

 

 最近すごく好きな絵本があって『夏のルール』っていう、ショーン・タンの

 

夏のルール

夏のルール

 

 

 絵本なんてゴーリーくらいしか最近は読んでないなあ

 

ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで

ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで

 

 

 これボブ・ディランの絵本だよ、『はじまりの日』

 

はじまりの日

はじまりの日

 

 

 ほんとだ、絵本はほとんど読まないもんなあ

 

 僕も読まないんだけどこの前たまたまショーン・タンを見つけて「なんだこの気持ち悪い面白いのは」ってなった

 

 気持ち悪い面白いってめっちゃいい表現だね。え、ウンベルト・エーコの絵本なんてあるの。お、松尾スズキが翻訳してるのもある……いろいろあるんだなあ。『夏のルール』ちょっと調べてくる…………なさそうだね

 

 ダメじゃん……。『夏のルール』こんな絵なんだよ

 

 ルドンみたいだね、気持ち悪くていいね。あればよかったなあ

 

 ぜひぜひ検索をって感じ。『夏のルール』がなければ、もうこのフロアに用はない

 

 (笑)一点推しだったんだね

 

 あとは『エルマーとりゅう』くらいしか知らない

 

エルマーとりゅう (世界傑作童話シリーズ)

エルマーとりゅう (世界傑作童話シリーズ)

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 懐かしい(笑)『葉っぱのフレディ』とか、でも絵本コーナー眺めるの楽しいね

 

葉っぱのフレディ―いのちの旅

葉っぱのフレディ―いのちの旅

 

 

 京極夏彦監修の『いるのいないの』っていう怖いのありますね、『おしいれのぼうけん』、懐かしいなあ

 

怪談えほん (3) いるの いないの (怪談えほん3)

怪談えほん (3) いるの いないの (怪談えほん3)

 

 

おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ)

おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ)

 

 

 懐かしすぎる。幼稚園のころだよ、何年前?もう20年前だよ

 

 『おしいれのぼうけん』、けっこうシュールというかポップじゃない?らりったやつの考えたストーリー

 

 よく覚えてるなあ、忘れちゃった。芸術コーナーとかはどうですか?

 

 わからないっす、そういうのわからないっす。アートのやつとか、水玉模様の服着てるとかよくわかってない

 

 わかってるやん(笑)

 

 演劇界隈で人の公演に参加させてもらったときに、来場者特典で短編小説をつけようっていう企画があってひとつ書いたんだけど、そこでアートかぶれの演劇人をディスる描写を書いてしまって。「あの人は別にポップでもアートでもない。ただ水玉模様の服を着て、おもちゃみたいな自転車に乗ってる人です」っていう(笑)

 

 (笑)まあねえ、現代芸術はこっちから読み込まなきゃいけないから、読む側がセンスらしきものを持たなきゃいけない節はあるね

 

 非効率的なちっさい自転車に乗ってたらアートだと思ってんちゃうぞ

 

 地下行きますか

 

 一時間半くらいしゃべってますね

 

 なんというか本の話というか、本周りの話が多い気がする(笑)

 

 あ、『ダ・ヴィンチ・コード』面白かった

 

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

 

 

か 絵に隠された秘密が、みたいなのってどきどきするよね。さて地下だけど漫画は際限がなくなるのでやめようと勝手に決めた

 

【地下1階:マンガ・ライトノベル

 

 そうだね、後ろ髪はひかれるけど……、そうねやっぱりここは『人類は衰退しました』を推しとくべきだろうね

 

 

 田中ロミオ

 

 9巻あるけど、9巻全部読まないとだめだね、と思っている。この人ってもともとエロゲのライターでしょ、だから普通の賞とって出てくる人と違うんですよ。だいたい賞とるときは一発でパンチを打ち切るじゃないですか

 

 そうだね

 

 もしくは2作目から新しく設定を入れ込むじゃないですか。でもこれははじめからある程度名のある人間が書いてるから、実は設定段階から最終巻に向けての伏線が貼られてる。だからこれを読んだときは、これはラノベでは普通できないんだろうな、と思った。全部読み終わったときに「ふわあー!!」って

 

 その「ふわあー!!」を味わいたいがために買いたいけど全9巻か……。ガガガはあとは『とある飛行士への追憶』ってのがあるよね

 

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

 

 

 知らないなあ

 

 面白いらしい、読んでないんだけど(笑)あんまりラノベ読まないから……話変わるんだけど『ハクメイとミコチ』めっちゃよかった

 

 

 かわいいよね

 

 キャラクターのデザインがかわいいよね

 

 あれ読んだよ、また漫画の話になっちゃうけど『少女終末旅行

 

少女終末旅行 1 (BUNCH COMICS)

少女終末旅行 1 (BUNCH COMICS)

 

 

 あれもことことしてる、かわいいよね

 

 ああいうのが好きなんだよね。『キノの旅』は外せない。何がすごいってまだ新刊が出てることですよね

 

 

 あとがきを工夫しながら(笑)

 

 あとこれだね『狼と香辛料』。大学院くらいのときに読んだのかな、一時期まじでヒロイン、この子がいれば他にいらないって思ってた

 

 

 電撃文庫だったらやっぱり『半分の月がのぼる空』だな

 

 

 半月ね、半月ね

 

 あとは『しにがみのバラッド。』なんていうのかな、儚い透明感のある本が好きだったから。半月はものすごい影響を受けた

 

 

 僕はね、基本的にキモオタメンタルをもっているから、なんだかんだでラブコメにいっちゃう部分があるんだよね。でも『俺妹』くらいあざとくされると、変なプライドが邪魔して読めないんだよ

 

 

 なるほどね

 

 だから『狼と香辛料』くらいだともうね、はまっちゃう。この子がいれば世界は何もいらないという時期があったからね

 

 あああ、いいねえそういうの。あとは『紫色のクオリア』とか『ある日爆弾が落ちてきて』とかSFものを読んでたかな

 

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

 

 

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

 

 

 『文学少女』シリーズも一時期「この子がいれば他に何もいらない状態」に俺を落とし込んだ……ハルヒもそうだね、4周くらい読んでる

 

 

 

 ハルヒは先にアニメから知ってて変な先入観があったんだけど、原作読んだら「あれ、普通のSFじゃん」って思ってびっくりした

 

 確かにね。僕は日常ものが好きだから、アニメも何回も見たんだけど「射手座の日」とか「サムデイインザレイン」とかそういうのばっか見てた。心を揺らしたくないんだよ、基本的に

 

 なるほどね、ざわつかせたくないんだね

 

 キャラクターが動いていればそれでいいよっていう。キャラクターに惚れてたんですね。お、『レッドドラゴン』あるじゃん

 

 

 1巻を買うと全部買わなきゃいけなくなるのがラノベの痛いところなんだよなあ、でもなあ……

 

 長いですよ、6巻の時点で「今始まる」って書いてある(笑)

 

 でもなあ、このメンツは気になるなあ……買うか、買おう

 

 『バカテス』も読んだよ結構

 

 

 ここらへんはファミ通文庫か……。あのさ、ゲームでテイルズオブシリーズっていうのがあったじゃない。ぼくはあれがものすごく好きで、そのノベライズをずっと読んでたのよ。ファミ通からもいくつか出てた気がする

 

 ノベライズいいですよね。『ドラクエⅣ』のノベライズ読みました。テイルズと違ってドラクエってドラマ要素が深く書かれないから

 

 すき間が多いよね

 

 なのでノベライズされると満たされた気持ちがすごかった

 

 あと3000円分くらいか……

 

 別にフルで買わなくてもいいんでしょ?

 

 そうなんだけど、せっかくだからってのはあるよね……

 

 あと何かあったかなあ。オールタイムベストはかなり進めて読ませてしまったもんね。横溝正史とかはそのパターン

 

 そうね。『獄門島』とかってだいたいミステリーオールタイムベストの一位とかになるじゃん。そういうの読みたくなくなっちゃうんだよね

 

獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

 

 

 はいはい、メジャーな人たちねみたいな(笑)

 

 そうそうサブカル志向なので(笑)でもそのころの時分に喝を入れたい。なんでお前は読まなかったんだ『獄門島』を、と

 

 僕もねサブカル志向なんだけど、横溝正史を読んだのが中学生のころで、中学生の目線においては横溝正史は誰も読まないんだよ。だからこそ読んだみたいな部分はある(笑)

 

 そういうカウンターね

 

 小学生でルパン読んだのもそれだからね。みんなはホームズだけど俺はルパンだから、みたいな(笑)

 

【各地をぶらぶら……】

 

 (笑)これ買うのもありだな

 

 ありみたいな思考に走り始めるのはよくないですよ(笑)

 

 いや、でもこれは買いたかったのよ。このシリーズ。古川日出男の『平家物語』。これあの、町田康が古典を新訳したあのシリーズのやつなんだけど

 

平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09)
 

 

 

 ああ、「お爺さんの中で何かが弾けた」

 

 古川日出男もちょっと変な人なんだよ。で、『平家物語』って口承文学だから口にして心地よい言葉遣いなんだけど、これは完全に読む用の本として徹していて

 

 よさそうですね

 

 といいつつまた二階に戻ってきてしまった

 

 万年筆いいですねえ

 

 さっきこの文房具コーナーでクリスマスソングに交じってニルヴァーナの「smells like teen spirit」が流れてたのが気になってしょうがなかった(笑)西尾維新ね、講談社BOX高いんだよな……

 

 もう一個くらい撃ち抜きたいな、もう一冊くらい何か買わせたいな

 

 『ビビビ・ビ・バップ』、面白そう……。パンチがなかったらもう買うもの決まってるんだけど

 

ビビビ・ビ・バップ

ビビビ・ビ・バップ

 

 

 うーん、もうだいぶしゃべっちゃったからな

 

 クトゥルフものとか。ラブクラフトのこれ、とか

 

 ラブクラフト、面白くない(笑)まどろっこしいわと

 

 まああれは設定が面白いわけだしね

 

 ラブクラフトを読むよりもクトゥルフ辞典みたいなやつを読んだ方が絶対わかると思う。断片なんだよ、全部が

 

 それはあるね。設定集みたいなのが面白いんだよね

 

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

 

 

 なんか……なんか思い出しそう

 

 ぼくのあかひねのイメージはいとうせいこう横溝正史なんだよね。サブカルチャーの人。サブカルじゃなくてサブカル「チャー」の方ね

 

 もうないな、ないわ。岡田斗司夫が好きだったら『遺言』をすすめたいけど絶対興味ないもんね(笑)

 

遺言

遺言

 

 

 いや、そんなことはないけど(笑)

 

 『タルト・タタン』と『レッドドラゴン』を買ってもらえたから、もうかなり達成した感はあるんだよね

 

 『昆虫はすごい』とかね(笑)これはぼくひとりだったら買わないラインナップだから楽しい

 

 新書ね、新書はどっちの方が読んでるんだろう

 

 ぼくは、受験用の小難しいやつばっかり読んでた

 

 井上ひさしとかはどうなのよ

 

 『吉里吉里人』?

 

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)

 

 

 あ、待ってよ俺のオールタイムベストに燦然と輝くのがあった、灰谷健次郎

 

 『兎の眼』?もってるんだな

 

兎の眼 (角川文庫)

兎の眼 (角川文庫)

 

 

 もってるのか、あれはめちゃくちゃ好き

 

 教師の話だよね。これメンツが面白いな、東浩紀戌井昭人海猫沢めろん……

 

 

 ああ、もうそういう人達じゃん

 

 蛭子能収が入ってる(笑)

 

 (笑)

 

 円城塔、木下古栗、しりあがり寿最果タヒ

 

 サブカルの人達

 

 ぼくはこういうのが好き(笑)

 

 いとうせいこうが入ってないな

 

 あの人はサブカル「チャー」の人だから。サブカルとはまた違うよね

 

 あの人は、小唄とかやってるからね。いとうせいこうフェスであんだけアンコールして、やることないから「小唄を一つ」ってがっかりしたんだけど、心から大好きだこの人って思った(笑)小唄と同時に盛大にクラッカーがぶしゅーって出る

 

 ごちゃごちゃしてていいね(笑)浅野いにお絶賛とか言われると気になっちゃうなあ。吉村萬壱は面白くて、『クチュクチュバーン』っていう筒井康隆みたいな変な作品書いてたりするんだよね

 

クチュクチュバーン (文春文庫)

クチュクチュバーン (文春文庫)

 

 

 筒井康隆、今日しゃべってないね。意外と『ヨッパ谷への降下』が好きだったりするんですよ

 

ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集 (新潮文庫)

ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集 (新潮文庫)

 

 

 この前言ってたね、買おうかな

 

 そういえばあれは読んだの?『モナドの領域』

 

モナドの領域

モナドの領域

 

 

 ……読んでない、どうだった?

 

 まあ、まあ、うん、そんなに中身が詰まってるわけじゃないんだけどリーダビリティがすごい。読まされてしまう。あ、『巨匠とマルガリータ』読みましたね。

 

巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)

巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)

 

 

 わけのわからない作品だったね、すごく好きだけど

 

 サブカルの人になればなるほど河出書房のお世話にならない?

 

 そうかな(笑)

 

 あー!これがあった、いとうせいこうの『ボタニカル・ライフ』、これですよあなた!

 

ボタニカル・ライフ―植物生活 (新潮文庫)

ボタニカル・ライフ―植物生活 (新潮文庫)

 

 

 もう買ってるんだな、昔あれだけ推されたから(笑)

 

 むちゃくちゃ推したからね(笑)

 

 筒井康隆、いろいろ読んだけど『ヨッパ谷への降下』は読んでないな。この前も言ったんだけどちょっと変な話を読むと、これは筒井康隆がもう書いてるんじゃないかっていう気持ちになる病にかかってる(笑)

 

 書きすぎてるからね。『富豪刑事』面白かったな、全部金で解決するっていう(笑)

 

富豪刑事 (新潮文庫)

富豪刑事 (新潮文庫)

 

 

 やっぱり『七瀬』シリーズ好きだけどね。心が読める……

 

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

 

 

 読んだけど覚えてないのかな……『虚航船団』も読みましたね

 

虚航船団 (新潮文庫)

虚航船団 (新潮文庫)

 

 

 『旅のラゴス』も面白かったし、『ロートレック荘事件』は、まあ、うん(笑)

 

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

 

 

ロートレック荘事件 (新潮文庫)

ロートレック荘事件 (新潮文庫)

 

 

 こんなもんかな

 

 じゃあぼくは今回一回も触れてないものをかごに入れて会計しに行きます

 

 なにそれ

 

 ステファン・グラビンスキ『狂気の巡礼』

 

狂気の巡礼

狂気の巡礼

 

 

 全く分からない

 

 完全にぼくの趣味です(笑)まあでもこの企画はね……

 

 意外と好評らしいじゃないですか、読書クラスタ内で

 

 ありがたいね。この企画はね、ぼくの心が気持ちいい(笑)一ヵ月に一発どかんと買い物ができるから気持ちがやすらぐから。ということで、これで終わりになりますが、何か一言

 

 最後に一言ですか、やはり読書はとてもよいものですね

 

 嘘でしょ、嘘でしょ(笑)

 

 (笑)

 

 まあね、ぼくは17日には実家へ帰るので、たぶん年内はこれで最後になると思いますが

 

 じゃあよいお年をだね

 

 そうですよ、でも本当にいろんな本を紹介してもらえたのでよかったです

 

 ありがとうございました

(12月12日 於:大阪梅田ジュンク堂

 

《今回のお買い上げ本》

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・ステファン・グラビンスキ『狂気の巡礼』

・前野ひろみち『ランボー怒りの改心』

・丸山宗利『昆虫はすごい』

文藝春秋編『犯罪の大昭和史』

速水健朗他『バンド臨終図鑑』

チェスタトン『詩人と狂人たち』

三田誠レッドドラゴン

筒井康隆『ヨッパ谷への降下』

近藤史恵『タルト・タタンの夢』

 

ちなみにまたちょっとだけ10000円を超えてしまいました……。

0000書店紀行:第二回エンタメ焼き畑~前編~

0000(ゼロヨン)書店紀行とは?

月に一回10000円をもって他者と本屋に行こうという企画です。そこで紹介された本を買ったり、好きな作家の話を聞いたりしながら本屋をぶらぶらします。その月の新刊を見てみたり、ぼくが10000円以上本にお金を使わなくなったり、いいことがたくさんです。

第二回のゲストは5000人のフォロワーを擁するネタツイッタラーあかごひねひねくん

今回ぶらぶらしたのは前回に引き続き大阪梅田のジュンク堂です。

※あいかわらず本棚を見ながらしゃべっていますので、話がとびとびになります。

 

 

かみしの(以下:か) はい、というわけで第二回10000円をもって他者と本屋に行こう企画、ゲストはネタツイッタラー……でいいのかな?

 

あかひね(以下:あ) リスナーに聞かせる体でしゃべらなくても(笑)どうせ文字おこしするんでしょ

 

 最初だけ最初だけ(笑)まあ、ネタツイッタラーのあかごひねひね君ということで

 

 ありがとうございます

 

 いやいや、どうもよろしくお願いします。企画はさっき説明済みなので

 

 要するに本棚を見ながらうろうろしてしゃべるわけでしょ

 

 そうそう

 

 これはやっぱりね、プロモーションなので、「あ、こいつなかなか教養あるな」みたいなところを見せたいよね

 

 教養爆弾を投げてください

 

 どんどんね、学歴で勝てなかったやつらにマウントをとっていく

 

 いやなやつだなあ(笑)

 

 (笑)

 

【2F:文庫・単行本エリア】

 

 とりあえず二階の文庫コーナーへ……恒例なんだけど本屋に来たらまずどこへ行く?

 

 どこやろう、だいたいでも僕が行くのは……新刊のところうろうろはしますね。漫画の新刊を見て、文庫の新刊をぶらっとしていく感じですよね

 

 じゃあまあそれにのっとって新刊コーナーを見てこうか

 

 あ、『舟を編む』は面白かったですよ

 

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

 

 

 面白いね。これ単行本の方で買うと、装丁がちゃんと『舟を編む』仕様になってるんだよね

 

 アニメのカバーになってるんだな。アニメになったんやっけ?

 

 ノイタミナって書いてあるね

 

 これ気になったな。どこの出版社でどんな本かってのを隠して売って、めっちゃ売れたっていう

 

f:id:kamisino:20161220112252j:plain

 あ、なんだっけ。文庫Xとかいったっけ

 

 そうそう文庫X

 

 前、本のまくらフェアってのがあって。最初の一文をカバーにして、それでぴっと惹かれたら買うっていう。それに近いかも

 

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 へえ

 

 そういう売り方も面白いよね

 

 京都の三省堂で「本みくじ」ってのがあって、おみくじひいてその番号の本が買えるという

 

 なるほどなるほど

 

 買うまでどんな本かがわからない。ただ一応テーマは決まってて、「ホラー」とか「旅行に行きたくなる本」とか

 

 なるほど、ジャンルはあってそこから選ぶんだ。どうやって本を売るかっていう生存戦略は大切だよね

 

 だから今はどうやって出会うかっていう部分にスポットライトが当たってるんでしょうね

 

 最近本屋来てなかったから新刊何が出てるか知らないなあ

 

 実は新刊ってあまり読まないんだよね。家にも本があふれすぎててさ、それをまだ読んでないんだよ

 

 それはあるね……あ、『ほしのこえ』の文庫なんて出てるんだ

 

小説 ほしのこえ (角川文庫)

小説 ほしのこえ (角川文庫)

 

 

 出てますねえ

 

 『ほしのこえ』ってそんな本になるほどの長さでもないと思うけど

 

 新海さんの最初のアニメですよね。しかもこれは新海さんが書いてるわけじゃないんだ

 

 ほんとだ。別の人が書いてる

 

 こういうのいいですよね。メディアワークスとか大人向けラノベみたいなやつ

 

 大学生とか向けのね

 

 あの、さびれた店のボーイミーツガールもの多い、って話前しましたよね

 

 あー、カフェとかのね

 

 『タレーラン』でしょ。『ビブリア古書堂』とか、『京都寺町三条のホームズ』とか、あれもさびれた店でボーイミーツガールものですよね

 

 

 

京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

 

 

 ここ最近はタイムリープものが流行ってる気もするな。これ気になる『犯罪の大昭和史』

 

犯罪の大昭和史 戦前 (文春文庫)

犯罪の大昭和史 戦前 (文春文庫)

 

 

 いいですね、しかも戦前

 

 たぶん戦後編もでるんだろうね、きっと

 

 津山三十人殺しとか載ってるんじゃないですか、『八つ墓村』の……

 

 あるね。阿部定事件とかもあるし、鬼熊事件もある

 

 お、なにこれ。『未来のだるまちゃんへ』

 

未来のだるまちゃんへ (文春文庫)

未来のだるまちゃんへ (文春文庫)

 

 

 これどういう本なんや

 

 知ってる?だるまちゃんとてんぐちゃんは

 

だるまちゃんとてんぐちゃん

だるまちゃんとてんぐちゃん

 

 

 知らない……。これは絵本?

 

 もともとは絵本。だるまちゃんシリーズってのがあって、面白いですよ。あ、絵本も結構好きだな

 

 絵本ね、あとで行ってみようか。たまに眠れない夜に犯罪者のウィキペディアとかよく見るじゃない

 

 見ないよ(笑)

 

 見ないか(笑)

 

 だって眠れなくなるじゃん。俺は眠れない夜にはだいたい探偵ナイトスクープの過去回をひたすら見てる(笑)

 

 そうか……。なんかこう、犯罪者の告解とかあるじゃん。裁判の記録とか。ああいうの読むと単純に犯罪者を犯罪者と言い切れないというかさ、わかる部分が……

 

 やべえな、なんでシンパシーから入ってるんだよ(笑)

 

 それはでもどうしようもなくある……お、これすごい『バンド臨終図鑑』

 

 

 バンドが終わったときの話なんだ。それは面白そう。ゴールデンボンバー推薦、臨終しそうなやつに推薦させるなよ(笑)

 

 BiSが入ってる時点でこれは買うしかない……。BiSっていうのはアイドルグループなんだけど、アイドル界のセックスピストルズと言われてて、アイドルを終わらせた人たちって言われてるの

 

 へえ

 

 フリッパーズ・ギター筋肉少女帯……

 

 ウルフルズも入ってるね

 

 ゆらゆら帝国もあるし、こんなん買うしかない。何、最近文春文庫はこういう年表ものみたいのを出してるのかな。あかひね君が好きな年表もの

 

 あー、サブカル年表作ってたな。俺の年表を超えたいとうせいこう年表を水道橋博士が完成させたらしくて、いとうせいこうフェスで言ってたんだけど

 

 なるほど

 

 ページがめちゃくちゃ多いらしくて、異常な量らしい(笑)いつからいとうせいこうはふんどしをはめ始めたかとか……

 

 どうやって調べたのそれは(笑)

 

 本人に聞いたらしい(笑)

 

 それ正しいのかな本当に(笑)

 

 おっ『異世界居酒屋のぶ』

 

異世界居酒屋「のぶ」 (宝島社文庫)

異世界居酒屋「のぶ」 (宝島社文庫)

 

 

 これアニメ化するんだ

 

 これよいよ、面白いけど買わなくてもいいかもしれない。なぜならば「なろう」でまだ読めるから、7割8割くらいは。これ書いてる人が星海社から『第七異世界のラダッシュ』ってのも書いてて、まだ物語が始まったところなのでなんともいえないけどよかったよ

 

第七異世界のラダッシュ村 (星海社FICTIONS)

第七異世界のラダッシュ村 (星海社FICTIONS)

 

 

 これもさびれた店でのボーイミーツガールじゃないの?

 

 これはね飯版俺TUEEE系ラノベだね。ボーイミーツガールじゃなくて、異世界に日本の居酒屋がつながっちゃったて話で、異世界人ミーツ居酒屋

 

 なるほどね

 

 カルチャーショックもの。こんなうまいものがあったのか!っていう

 

 世界ウルルン滞在記みたいな

 

 そうそう。ある意味俺達っていいもん食ってんだなっていう、「ここがすごいよ日本人」的な、自分たちが普段食べてるものが異世界の人からしてみたらこんなにおいしいんですよっていう、自尊心をくすぐられるやつ

 

 紹介の仕方がちょっと(笑)

 

 くそ右翼が涙するやつ

 

 (笑)

 

 ネット発信のやつなんて全部右翼本だろ、どうせ、どうせさ

 

 何かあったの?(笑)

 

 何もないけど(笑)いやでも、これは面白かったよ。作者のTwitterみても「腰痛い」「死にたい」しかつぶやいてないから病んでるんだと思う(笑)

 

 異世界にいかなきゃやってらんないんだな。話がそれるけど『ズッコケ中年三人組』が

 

 

 いいですね、これは読みましたよ

 

 はちべえの息子は反抗期、もーちゃんの娘はいじめ問題、ハカセには春が来るのか……

 

 結構悲しいんだよ

 

 おばQの劇画版みたいな切なさがある

 

 

 哀愁がすごい

 

 なんか、なんかやだなあ。子供のころの気持ちが……

 

 そういう意味では読まない方がいいのかもしれない。読んで爽快感はなかった

 

 『シャボテン幻想』、面白そう。面白そうな新刊結構出てるな、稲垣足穂とか

 

シャボテン幻想 (ちくま学芸文庫)

シャボテン幻想 (ちくま学芸文庫)

 

 

 

 知らん

 

 『一千一秒物語』とか、幻想的な小説を書いてる人

 

一千一秒物語 (新潮文庫)

一千一秒物語 (新潮文庫)

 

 

 そういうわけわからない系は嫌いじゃないけど本では読めないんだよなあ

 

 何だったらいける?

 

 絵本とか映画だったらいいかな。能動的にシュールレアリズムを摂取すると飽きちゃうんだよね。わかんねーよ!って

 

 そうねえ、まあタイプによるよね

 

 自分から読んでいかなきゃいけないってのがね……

 

 じゃあそんなあかごひねひね君が好きな作家をあげてくださいと言われたら?

 

 時系列で変わってきてるな、どの時代がいい?

 

 オールタイムベストで

 

 難しいなー……オールタイム。焼き畑農業でばっと燃やして次に行くから、この時期はこれ、この時期はこれっていえるんだけどオールタイムとなると評価軸がないんだよ。戦後と室町時代どっちがどうかとか比べられないじゃん

 

 なるほどね、じゃあその焼き畑にしてきたやつらを

 

 『ローマ人の物語』シリーズは焼き畑にしてる最中ですね、細々と焼いてる。長いんだよねこれ

 

塩野七生『ロ-マ人の物語』の旅 コンプリ-トセット 全43巻
 

 

 確かに長い、全43巻か

 

 今は30巻を読み終わったとこ

 

 じゃあ今のところ4分の3は燃やし尽くしてるのか

 

 でもローマの歴史でいうとまだ序盤なんですよ、ここが五賢帝だから

 

 あ、そうなんだ

 

 ここから軍人皇帝時代とか

 

 コンスタンティヌスみたいなのが出てくるんだ、今絶頂がすぎて下降線に入ったところなんだね

 

 マルクス・アウレリウス・アントニヌスさんがいるとき。こん中で一番面白いのはカエサルあたりかな。ハンニバル戦記もよかった

 

 ハンニバルね。スキピオとか出てくるあたり?

 

 そうそう、スラとか僕は好きなんだよ。教科書では独裁で反対者を殺しまくったって扱われてるんだけど、元老院原理主義者で自分の政治参加には厳格で、無理やりディクタトル(独裁官)になるんだよ。でも一年たったらやめるって決めて、本当に一年で全部やって二度と政治に戻ってこなかった

 

 有能な政治家といえば有能なのかね

 

 インフラを全部整備したら「じゃあ俺はこれで」って、あとは悠々自適

 

 かっこいいね

 

 超かっこいい。冷酷で私腹を肥やさないっていう潔さ。理想のために殺しまくったっていう、まあこれは塩野さんの読み方だけど

 

 なるほどねえ

 

 あとは宮部みゆきとか読みまくった時期があった、『模倣犯』とか面白かった覚えがある

 

 

 宮部みゆきは『火車』くらいしか読んだことないな

 

 『火車』読んだっけなあ。『模倣犯』も面白かったっていうこと以外は忘れちゃってるんだよ(笑)

 

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

 

 

 そういうのあるよね(笑)

 

 あとは角川文庫のね、赤川次郎とか中学生くらいの時に三毛猫ホームズは7割8割は読んだはず。むちゃくちゃ多いのよ

 

三毛猫ホームズの推理 (角川文庫 (5680))

三毛猫ホームズの推理 (角川文庫 (5680))

 

 

 確かにブックオフとかで赤川次郎めちゃくちゃ多い印象がある。赤川次郎なあ、読んだことないんだよなあ。三毛猫ホームズがふわふわの感じだって印象があったんだけど、意外とえぐいって話を聞いた

 

 文体が軽いんだよね。エロいシーンとかグロいシーンを出すんだけど、文体が軽いからささっと読めちゃう。三毛猫ホームズに関しては、もってるやつ4周くらいはしてるはず

 

 すごいなあ

 

 あと中学生の時は宗田理、『ぼくらの七日間戦争』。これも好きだったね

 

ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)

ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)

 

 

 あー、読んだことないな見事に。これあれだよね、子供対大人の戦争の話だよね

 

 むちゃくちゃ面白い

 

 ジュブナイルを読んでこなかったんだよな

 

 で、オールタイムベストはこれだ『八つ墓村』。横溝正史もめちゃくちゃ読んだ

 

八つ墓村 (角川文庫)

八つ墓村 (角川文庫)

 

 

 『八つ墓村』ものすごく面白いもんね

 

 面白すぎてもってなかったの

 

 ?

 

 初めに図書館で借りてそのあと横溝作品を買っていったんだけど、『八つ墓村』はもう図書館で三回くらい読んでたから、買うのがもったいなくなっちゃってずっと持ってなかったの。この前やっと買った(笑)

 

 横溝正史もなかなか読んでなかったんだけど、読んでみたらすごく面白いんだよね。Theエンタメって感じ。読みやすいし面白いし

 

 あと何があったかな

 

 だいたいジュブナイルとかミステリーが多いのかな?

 

 高校に行くと、京極夏彦。あ、ここだ。見たらわかる(笑)

 

 威圧感がね(笑)

 

 横幅がね。『姑獲鳥の夏』面白かった

 

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

 

 

 『姑獲鳥の夏』はめちゃくちゃ面白かった

 

 『魍魎の匣』はそんなに好きじゃなかったんだよな。『鉄鼠の檻』でなんとか読み切ったけどグロッキーになって、『絡新婦の理』は途中で断念したんだ。うんちくがしんどかった(笑)

 

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

 

 

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

 

 

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

 

 

 京極はうんちく長々書くからね(笑)でも『絡新婦の理』が最高傑作みたいな話はあるよね

 

 たどり着けなかった(笑)『姑獲鳥の夏』は語り手が不安定で、赤いフィルムがかかった感じがあった

 

 いわゆる信用できない語り手だよね

 

 どんどん心の不安定さがこっちに入ってくるんだよね、読んでたら。『チルドレン』これも面白かった

 

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

 

 

 伊坂幸太郎

 

 伊坂幸太郎は『チルドレン』と『アヒルと鴨のコインロッカー』読んだ。『アヒルと鴨のコインロッカー』についてはこの前ボブ・ディランノーベル賞とったけど、あの「風に吹かれて」がポイントになっててそれもあって好きだったな

 

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 

 

 コインロッカーの中に神様を閉じ込めに行かなきゃ……(笑)

 

 あとはね、さくらももこのエッセイとか大学になるとラノベを読み始めるんだよ。で、ラノベかなって思ったらラノベじゃなかったのが西尾維新戯言シリーズだった。日常系のほんわかしたのが好きだったんだけど、『クビキリサイクル』は心が疲れてきた

 

もものかんづめ (集英社文庫)

もものかんづめ (集英社文庫)

 

 

 

 意外と重いからね

 

 心ぴょんぴょんしねーなみたいな(笑)

 

 西尾維新はキャラを作っては殺していくからね

 

 そうそう、普通に死ぬからな。愛着ないのかよっていう

 

 多産多消だから。どんどん作ってどんどん殺す、それが西尾維新のいいところでもあるんだけど

 

 『十角館の殺人』も下手すればオールタイムベストだな

 

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 

 綾辻行人、あれも面白いよね

 

 結構あの時期はミステリーをよく読んでて、綾辻行人とか二階堂黎人とか

 

 創元推理文庫とか行ってみる?

 

 あと何読んだかな、有栖川有栖も少し読んだな

 

 有栖川有栖は何読んだっけなあ

 

 有栖川有栖、何読んだか忘れるんだよな(笑)似たようなタイトル多いから

 

 有栖川有栖はがちがちの論理派だから玄人受けしそうな感じがある

 

 外国はあんまり読んでないな。『シャーロック・ホームズの冒険』をこの前ちゃんと読んで面白いな、わくわくするなって思った

 

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

 

 

 それは間違いない

 

 あ、米澤穂信を言わなきゃいけない。『折れた竜骨』

 

折れた竜骨 上 (創元推理文庫)
 

 

 うん、あれはミステリーとファンタジーの融合だよね

 

 意欲作!なのに面白い!

 

 異世界ファンタジーもの好きの心も揺さぶるし

 

 あれでちゃんとミステリーとして完結させてるのがすごい

 

 泡坂妻夫とかは?

 

 『しあわせの書』しか読んでないかな

 

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

 

 

 『11枚のトランプ』とか『亜愛一郎』シリーズとかは読んでない?

 

 

亜愛一郎の狼狽

亜愛一郎の狼狽

 

 

 読んでない

 

 なんとなく「幻影城」とか「新青年」が好きなイメージがあったけど

 

 あのね、知識としてみていくのは好きだけど、小説は多すぎるんだよ。小説はごりごりのエンタメの方が快楽が強いからそっちに流されちゃう

 

 なるほど(笑)

 

 『さよなら妖精』もよかったな

 

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

 

 

 『氷菓』シリーズの続編もいいけど、『小市民』シリーズの続きを早く出してほしいよね。気になっちゃって……

 

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

 

 

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

 

 

 『さよなら妖精』の続編は出てるよね、そこ出すんかーい!っていう。あと『ドグラ・マグラ』ね、ちゃかぽこで止まってる

 

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

 

 

 ちゃかぽこで止まるよね(笑)

 

 『ドグラ・マグラ』に関しては、総合病院の待合室で、たまたま精神病棟の向かいで読んでたのが俺のハイライトだね

 

 なんというか、“本物”感があるね

 

 あと近藤史恵さんの『タルト・タタンの夢』

 

タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)
 

 

 あー、これ買うわ。別の人にもおすすめされててね、ちょうど気になってたんだ

 

 ミステリーとしてはそんなにうまくないんだけど、ほろってなる。クリスマスイブイブくらいのときにストーブを炊いて、雪が降ってる夜中に眠い感じで読んでたい

 

 いい比喩だね

 

 ビストロが舞台なんだけど、読み終わったその日に辛抱たまらなくなって、電車に乗って続編買いに行ったからね

 

 

 あーいいね、そこまで入れ込める小説はとってもいい

 

 中毒的になる

 

 これも面白いって話だな、『雪の断章』

 

雪の断章 (創元推理文庫)

雪の断章 (創元推理文庫)

 

 

 徹夜本、って言葉いいですね。あとはSFに行くと……あ、『さまぁ~ずの悲しいダジャレ

 

さまぁ?ずの悲しいダジャレ 宝島社文庫

さまぁ?ずの悲しいダジャレ 宝島社文庫

 

 

 『バーナード嬢曰く。』で紹介されてたね

 

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)
 

 

 これね、僕小学生の時に読んでて、友達がお笑い芸人好きで図書館で借りてて読んだ記憶がある。「『猫が寝込む、永遠に』『死んだのかよ!』」みたいな、覚えてるもん何個か

 

 「『花に話しかけた、俺今仕事ないよって』『枯れちゃうよ!花に言っても仕方がないから探しなさい仕事を』」(笑)あれだね、又吉の自由律俳句みたいだね

 

 

 つっこみがあるからまたちょっと違うよね。ここらへんはハードなSFたち。怖くて読めない

 

 グレッグ・イーガンとかフィリップ・K・ディックとかね

 

 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』はかっこよかったから買った、あとは『星を継ぐもの』。これは三部作全部読みました

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

 

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 

 

 だいたいSFオールタイムベストとかで一位だよね

 

 そうそう。これとあとは『夏への扉

 

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 ハインラインかあ、どメジャーだよね。ランキング上位にくるってことはやっぱりそれなりの面白さがあるんだろうなあ

 

 ……これパクリじゃないの?(笑)

 

 『アンドロイドの夢の羊』。でもこれはこれで面白いらしいよ、聞いた話だけど

 

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 へえ、あとは『銀河ヒッチハイクガイド』

 

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

 

 

 河出文庫だね、あれも確かに気になってた。「世界の真理は42だ」っていう。あれはコメディなの?

 

 コメディだね。もともとはラジオドラマなんだよ。それを小説にしたやつ。『宇宙の果てのレストラン』買おうかなあ、もってたかどうかも覚えてない。これ映画もよかった

 

宇宙の果てのレストラン (河出文庫)

宇宙の果てのレストラン (河出文庫)

 

 

 映画なあ、見ないとなあ。最近『ナルニア国物語』が古典新訳ででてるんだよね

 

魔術師のおい ナルニア国物語 1 (古典新訳文庫)

魔術師のおい ナルニア国物語 1 (古典新訳文庫)

 

 

 もうこういう扱いになったんだ、巨匠じゃん。あ、『クリスマス・キャロル』めちゃくちゃ好きです

 

クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)

クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)

 

 

 ほっこりするよね

 

 好きすぎて4,5種類くらいもってる(笑)違う訳で買ってみようと。ディケンズの『オリバー・ツイスト』が長いでしょ、そっちは読めなかった

 

オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫)

オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫)

 

 

 どうする?単行本の方でも行ってみる?

 

【新書コーナー】

 

 『ラーメンと愛国』の話は前にしたのか

 

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

 

 

 記事にしたね、リンク貼っとこう

 

hyohyosya.hatenablog.com

 あったあった、あれ、この人さっきの『バンド臨終図鑑』でも書いてたね

 

 『1995年』っていう1995年だけにしぼった新書とかも書いてたと思う

 

1995年 (ちくま新書)

1995年 (ちくま新書)

 

 

 結構講談社現代新書好きだなあ

 

 新書も幅があるよね。岩波は格調が高い

 

 講談社現代新書はポップでわかりやすい。チンピラみたいな出版社が出してるのあるでしょ、薄くて軽いやつ

 

 チンピラ(笑)ソフトバンクなんちゃらみたいな

 

 ああいうのは新書のふりをした騙すやつだと思ってる

 

 確かに一般的に新書っていったら講談社か岩波か中公かちくまみたいなところはあるね

 

 ポップさでいったら光文社が一時期来たでしょう。『99.9%は仮説』『さおだけ屋はなぜつぶれないのか』

 

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

 

 

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

 

 

 新書ブームの火付け役って感じあるね

 

 社会現象くらいブームになったでしょ

 

 なったなった。逆に買わなかったけど

 

 中公新書って面白くなくて長いっていう印象があるんだけどどう思います?

 

 (笑)面白いのもあるよ

 

 今まで読んだ中公新書って無駄に長くて退屈だったんだよ

 

 まあポップではないよね

 

 岩波くらいになると面白いと思うんだよ。勝手なイメージだけど、岩波ってちゃんと頭のいい人が書いてる感じがある。中公は頭がそんなに良くないガチの学者が書いてるってイメージがあって、無駄な記述が多いんだよ。本筋に関係ない些末なことを書いてどんどん長くなっていくみたいな(笑)

 

 確かに岩波はスマートな印象はあるね(笑)中公は量で攻めてる感がないでもない。でも論理学のとかは面白かったよ

 

詭弁論理学 (中公新書 (448))

詭弁論理学 (中公新書 (448))

 

 

 歴史系のを読んでるからダメなのかな

 

 これとか結構気になってたんだよ、『地球の歴史』

 

地球の歴史 上 - 水惑星の誕生 (中公新書)

地球の歴史 上 - 水惑星の誕生 (中公新書)

 

 

 こうやって面白いタイトルつけるじゃん、でも面白くないんだよ中公新書

 

 中公ディスが(笑)でもこれは面白かった『ラテンアメリカ文学入門』。賛否は両論だと思うけど

 

 

 『ジャガイモの世界史』とか読んだけど面白くなかったんだよ。一時期なんちゃらの世界史が流行って、中公は真面目なくせにそういう二匹目のどじょうは拾いに行くんだよ。チンピラ新書が真似するのはいいんだけど、中央公論がやるか?って

 

ジャガイモの世界史―歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書)

ジャガイモの世界史―歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書)

 

 

 (笑)

 

 面白くない学者が面白い学者の真似をして真面目に書くから面白くないんだよ、どうせ。読んでないけど(笑)

 

 面白そうだけどね、『怨霊とは何か』とか

 

 

 ディスって面白かったら悪いから買ってみようかな(笑)あ、永六輔俺一時期めちゃくちゃ読んだわ

 

大往生 (岩波新書)

大往生 (岩波新書)

 

 

 永六輔ねえ

 

 永六輔黒柳徹子にはまってた時期がありました

 

 『窓ぎわのトットちゃん』とか?

 

 

 当時手に入ったやつは読んだね

 

 そうかあ。いいねえ、なんというか読書傾向がまったく違うからいろんな話が聞ける

 

 あとなんだろう『昆虫はすごい』面白かったよ

 

昆虫はすごい (光文社新書)

昆虫はすごい (光文社新書)

 

 

 これは昆虫の生態を紹介するみたいなやつ?

 

 そうなんだよ、とても面白かったです

 

 いいね、図鑑とか眺めるのって面白いし

 

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