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0000書店紀行:第三回ミステリー~後編~

前編はこちら↓ kamisino.hatenablog.com か 新潮社ね つ 島田荘司のシリーズをなぜか出しだした新潮社ね。井上ひさしの『十二人の手紙』をおすすめしようと思ったんだけどないね。書簡体で12個の手紙の短編が書いてあって、それがミステリー的なオチを毎回用…

0000書店紀行:第三回ミステリー~前編~

0000(ゼロヨン)書店紀行とは? 月に一回10000円をもって他者と本屋に行こうという企画です。そこで紹介された本を買ったり、好きな作家の話を聞いたりしながら本屋をぶらぶらします。その月の新刊を見てみたり、ぼくが10000円以上本にお金を使わなくなった…

桃色の海

僕は毎日街へ出て、かわいいものに出会う。 今日は白い毛をした猫に出会った。歩き回るのに疲れてふと目についた公園で座っていたら、にゃあんと喉を鳴らしながら一匹の子猫が僕のそばに近寄ってきて毛づくろいを始めた。僕は大の愛猫家である。飼われている…

『群像70周年記念号』全作レビュー7~焔の中~

予定では去年のうちに全部の作品についてレビューし終わるはずだったのですが、そううまくいくはずもなく、まだまだ序盤の『群像10月号』全作レビュー。 群像 2016年 10月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/09/09 メディア: Kindle版 こ…

同志社短歌3号感想

朝起きて昨日の日記を書いてからまったく同じ生き方をする/あかみ「どうせそこそこの幸せ」 とりたてて斬新な表現があるわけじゃないし、むしろ直球の「あるあるネタ」といってもいいと思うのだけれど、「まったく」という強調の言葉が面白い。 時間帯的に…

2016年ベスト(小説・漫画・音楽)

2016年も一瞬で過ぎていった。その割にはわりあい劇的な一年で、漢字一文字で表すなら「失」とでもなりそうだ。いろいろなものがどんどん失われていくから、記録として去年に引き続いて2016年に触れたもののベストを書いておこうと思う。 【BOOK編】 読書メ…

0000書店紀行:第二回エンタメ焼き畑~後編~

前編はこちら↓ kamisino.hatenablog.com 【単行本コーナー】 あ ここらへんはぽわぽわの女の子が読むやつだ か ぽわぽわの女の子(笑)日本文学コーナーだね あ 米澤穂信の最新作どこだろう、あ、あったわ いまさら翼といわれても 作者: 米澤穂信 出版社/メ…

0000書店紀行:第二回エンタメ焼き畑~前編~

0000(ゼロヨン)書店紀行とは? 月に一回10000円をもって他者と本屋に行こうという企画です。そこで紹介された本を買ったり、好きな作家の話を聞いたりしながら本屋をぶらぶらします。その月の新刊を見てみたり、ぼくが10000円以上本にお金を使わなくなった…

『群像70周年記念号』全作レビュー6~プールサイド小景~

前回は第三の新人・安岡章太郎についてのレビューを書きました。 今回もまた「第三の新人」の代表的作家である庄野潤三について書いてみようと思います。 群像 2016年 10月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/09/09 メディア: Kindle版 …

0000書店紀行:第一回とがった文学~後編~

前編はこちら↓ kamisino.hatenablog.com 【単行本コーナー:日本文学】 か とりあえず現代日本文学かな。あっこれがねSFっぽいということで少し話題になってた。川上弘美。 大きな鳥にさらわれないよう 作者: 川上弘美 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016…

0000書店紀行:第一回とがった文学~前編~

0000(ゼロヨン)書店紀行とは? 月に一回10000円をもって他者と本屋に行こうという企画です。そこで紹介された本を買ったり、好きな作家の話を聞いたりしながら本屋をぶらぶらします。その月の新刊を見てみたり、ぼくが10000円以上本にお金を使わなくなった…

『群像70周年記念号』全作レビュー5~悪い仲間~

太宰治から始まった群像全作レビューも、ついに安岡章太郎まできました。 群像 2016年 10月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/09/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 安岡章太郎といえば、1953年~55年にデビューした作…

『群像70周年記念号』全作レビュー4~ユー・アー・ヘヴィ~

群像 2016年 10月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/09/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 前の記事で「戦争文学は好きじゃない」といったけれど、少しニュアンスが違った、というか主語が大きかったなと反省しました。…

『群像70周年記念号』全作レビュー3~鎮魂歌~

意気揚々とはじめた『群像』全作レビューだけれど、早々に手が止まってしまいました。 群像 2016年 10月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/09/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 三つ目に掲載されていた、原民喜の「鎮…

『群像70周年記念号』全作レビュー2~トカトントン~

全作レビュー第二回は、太宰治「トカトントン」です。 群像 2016年 10月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/09/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ヴィヨンの妻 (新潮文庫) 作者: 太宰治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日…

『群像70周年記念号』全作レビュー1~岬にての物語~

群像の創刊70周年記念ということで、分厚い(800ページ超!)の群像が発売されました。 群像 2016年 10 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/09/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (3件) を見る ここにはなんと54の短編が掲載されていて…

君の名は。〜記憶と糸〜

「君の名は。」を見てきました。 新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド 作者: 新海誠,東宝,コミックス・ウェーブ・フィルム,角川書店 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2016/08/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見…

日本ホラー小説大賞(おすすめのホラー小説:2016夏)

こんにちは、かみしのです。 夏になりましたね。夏といえばホラー小説ですね。そういうわけでそんな夏にうってつけの文学賞日本ホラー小説大賞について、今回は書いてみたいと思います。 ぼくはこの文学賞の作品を読もうという企画をひとりでやったことがあ…

男のメンヘラは生きる道がない。

アイドルが刺されたニュースをみた。 犯人のツイートを見た。ぼくの脳内には血にまみれたぼくがいた。 ぼくは4月に仕事を辞めた。その理由についてぼくは何度も考えてみた。直接的な原因、つまり引き金となったのは2015年の夏に言われた「君の仕事には意図…

BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 "BFLY" 大阪レポ

STADIUM TOUR 2016 "BFLY" BUMP OF CHICKEN初のスタジアムツアー。その一日目の公演に行ってきました。京セラドーム大阪はパワプロ君でくらいしか見たことがなかったけど、まさか、野球観戦で来るより先に、ライブを見にくることになるとは……。 朝の9時から…

『夏の葬列』山川方夫

「夏の葬列」という作品がある。 夏の葬列 (集英社文庫) 作者: 山川方夫 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1991/05 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 185回 この商品を含むブログ (33件) を見る 作者は山川方夫。慶應義塾大学に入学し、『三田文学』に編…

竹取物語

池澤夏樹編『日本文学全集』から、「竹取物語」を読んだ。 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集03) 作者: 森見登美彦,川上弘美,中島京子,堀江敏幸,江國香織 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/01/1…

2015年ベスト(小説・漫画・音楽)

2015年に読んだ本、漫画、聞いた曲のベスト10を書いておこうと思う。 ちなみに漫画と音楽については、刊行・リリースされたのが2015年のものにしぼりました。 ~BOOK編~ 『夢屑』島尾敏雄 夢屑 (講談社文芸文庫) 作者: 島尾敏雄 出版社/メーカー: 講談社 発…

『三角みづ紀詩集』三角みづ紀

メンヘラとは何か。 メンヘラという言葉は、例えばサブカルやロキノン、はたまたセカイ系と同じで、ある「雰囲気=感じ」を指すという一面が強く、厳格に定義するのはかなり難しい。その客観的意味内容に重点があるのではなく、その言葉を使う側の主体的意識…

11月8日のこと

疲れると本を買ってしまう。 本を買うという行為がひとつの救いになっていて、不健康きわまりない。この前の日曜日は久々に休みだったので、京都の古本屋を回ってきた。 さらさ花遊小路で昼食をとってから、京都市役所横をちょっと北上したところにある10000…

『パリの憂愁』ボードレール

岩波文庫の『パリの憂愁』こそ「逃げる人」の原点であって、かつ、その苦しみを味わうことのできる文学だと思った。 パリの憂愁 (岩波文庫) 作者: ボードレール,Charles Baudelaire,福永武彦 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1966/01 メディア: 文庫 購入…

強欲な羊

強欲な羊 (創元推理文庫) 作者: 美輪和音 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2015/07/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 第七回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」を含む5編の連作短編集。 羊といえば、一番最初に思い浮かぶのが聖…

血と地と

講談社文芸文庫から『現代小説クロニクル』というシリーズが出た。1975年から2014年までの文学の歴史を追おうという全8巻のシリーズである。 池澤夏樹世界文学全集もまだ読み終わらないまま、こちらに浮気した。 かなり久しぶりのブログ更新。 ぶっ…

波女は僕を愛しすぎている。

この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。 世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。 いま、こうしてわたしの生活が西瓜糖の世界で過ぎてゆくよ…

南部高速道路は閉鎖されました。

池澤夏樹編集の世界文学全集を買った。 短篇コレクションI (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) 作者: コルタサル他 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2010/07/14 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 50回 この商品を含むブログ (20件) を見る …

『万葉集』の注釈書

レポートに忙殺されていたけど、それも終わって春休みだ。 ここ数日は万葉集、古事記、それから古代歌謡の注釈書ばかり読んでいた。なかなか注釈書を概観してみることがないので、研究の流れが見えて面白い。中には以降の注釈書にまるで無視されている注釈も…

折れた竜骨

ここ最近はほとんどレポートをやって過ごしていた。 万葉集の東歌についてだ。万葉集の巻十四に収められた歌。東国の人間が読んだ歌だ。1000年以上昔の歌だから、そもそもどこの土地で歌っているのかが分からないものも多い。 例えば巻十四冒頭の信濃國の歌…

大学読書人大賞ノミネート作品を買うため生協へ行く。 この読書人大賞、第一回は『幼年期の終わり』、第二回は『好き好き大好き超愛してる。』、第三回は『夜は短し歩けよ乙女』、第四回は『天地明察』、第五回は『ハーモニー』、第六回は『南極点のピアピア…

パトロネ

音楽を聴きながら、藤野可織の『パトロネ』を読む。 パトロネ (集英社文庫) 作者: 藤野可織 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/10/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 藤野さんの小説は、『爪と目』『いやしい鳥』と読んできたけど、…

短篇五芒星

舞城王太郎の『短篇五芒星』を読む。 短篇五芒星 作者: 舞城王太郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/07/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 27回 この商品を含むブログ (24件) を見る この前『生きてるだけで、愛。』を読んで、…

生きてるだけで、愛。

講義中に本谷有希子『生きてるだけで、愛。』を読む。 生きてるだけで、愛。 (新潮文庫) 作者: 本谷有希子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/03/02 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 30回 この商品を含むブログ (65件) を見る 本谷有希子は「幸せ最…

村上ラヂオ

社会学の講義に出る。 今日のテーマはアイドルだった。70年代から現在に至るまでの年表が配られ、時折音楽を流しながら、授業をしていった。 こうやってざっと見てみると、一神教的なものから、多神教的なものへと変遷しているから面白い。「液状化する社会…

水中都市・デンドロカカリヤ

授業中に安部公房『水中都市・デンドロカカリヤ』を読む。 水中都市・デンドロカカリヤ (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1973/08/01 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 17回 この商品を含むブログ (40件) を見る 二つの表題作…

生きるとは、自分の物語をつくること

新幹線で京都へ帰る。 道中では小川洋子と河合隼雄の対談、『生きるとは、自分の物語をつくること』を読む。 生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫) 作者: 小川洋子,河合隼雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2011/02/28 メディア: 文庫 購入: 5人…

超短編アンソロジー

二日酔い。ふらふらしながらも松本のブックオフと丸善へ行く。 丸善、新しくオープンしたんですよね。僕が高校生の時は駅内の本屋しかなかったのに。うらやましい。 そういえば京都の丸善も近々復活するようで。確実に檸檬を置く輩が出てくるでしょうね。 夜…

偶然の祝福

鈍行で長野へ帰る。いつもながら腰が痛くなる。6時間の長旅だ。 道中では小川洋子『偶然の祝福』を読んだ。 偶然の祝福 (角川文庫) 作者: 小川洋子 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2004/01 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 17回 この商品を含むブロ…

君が代は千代に八千代に

今年の新年はよく食べたし、よく飲んだ。 当然のことながら吐いた。 頭は痛いし口の中は臭いし最悪の2014年元旦。 偶然手に取った高橋源一郎『君が代は千代に八千代に』の冒頭の一編「Mama told me」には次のような描写があった。 デブは大きく口を開けた。…